はぐれ歌仙の手記(完結済)

みじんこ隊のまにゃ（目指せガンガゼ） @mizinko733

ある部隊が合戦場近くで古びた手帳を拾う。中身を確認するとどうやら日記のようだ 「○月○日 本丸へ帰れなくなってもう３日経った。いつもなら目の前に現れるはずのゲートが開かない。仲間たちは無事に帰れたのだろうか。」 というはぐれ歌仙の話 pic.twitter.com/sJ1q8XfhDk

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@mizinko733 ①堀川国広と和泉守兼定はある時代の戦場近くの朽ちかけた小屋の近くで１冊の手帳が落ちているのに気がついた。随分と古びているが、手帳なんぞない時代。明らかにここのものではない。中身はどうやら日記のようだ。冒頭の一文によると過去に置き去りにされた刀剣男士のもの→

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@mizinko733 ②「ゾッとしねぇな」と和泉守。「こんなことってあり得るのかな」と堀川。中身をパラパラ確認していく。この刀剣男士はどうやらどこかの本丸の歌仙兼定。原因がわからないまま突然本丸に帰れなくなった「今も迷ってたり…「ありえないよ。この手帳は随分昔の物みたいだよ」→

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@mizinko733 ③【歌仙の手記】○月○日 ここ数日間、仲間とはぐれた戦場をぐるりと回ってみたが、特に収穫はなし。幸い敵に遭遇することもなかった。仲間たちは帰れたのか、この場所から離れたのかわからないが、簡単な書簡を置いてきた。彼らが戻れば見てくれるはずだ。→

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@mizinko733 ④【歌仙の手記】○月○日 そもそもの原因は何だったのだろうか。普段であれば戦の決着がつくと同時に本丸へのゲートが開いたはずだ。離れた場所にいようと関係ない。何かシステムに不具合でも生じたのだろうか。早急に直していただきたいものだ。今日は歩き続けて足が痛い→

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@mizinko733 ⑤【歌仙の手記】 （数ページにわたり、周辺を探索した記録と原因の考察がされている。どれも予想の範疇を超えないようだ。記録は毎日ではく数日おきに書かれている） →

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@mizinko733 ⑥【歌仙の手記】○月○日 長丁場になる覚悟を決めるべきかもしれない。飲まず食わずで生きられるこの体で良かったが、ケガだけは気をつけねばなるまい。手入れができないのだから。明日からさらに足を伸ばそうと思う。見覚えのある他国に行ったところで時代が違うけども。→

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@mizinko733 【歌仙の手記】○月○日 ここらはこんなにも森が深かっただろうか。そろそろ町に出てもおかしくないはずだ。本丸の皆は今頃心配しているだろうか。それとももう新しい僕を迎えているかもしれない。各所に白梅が咲いていて心を癒してくれるのが有難い。進展を望む。→

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@mizinko733 ⑧【歌仙の手記】○月○日 何かがおかしい。森が抜けられない。 →

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@mizinko733 ⑨【歌仙の手記】○月○日おかしなことが起きている。数日前に森が抜けられずに彷徨った。ところが元いた場所に戻ろうとすると一刻もかからずに戻るのだ。僕がおかしいところに迷い込んだとでもいうのか。それとも気づかなかっただけで僕らは今までどこに出陣していたのか。→

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@mizinko733 ⑩【歌仙の手記】 （書きなぐった地図のような図形が数枚書かれている。メモのような走り書きがされているが解読不可能） →

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@mizinko733 11,堀川はこの手記をあらかた確認したらすぐに主に報告するつもりだった。過去に取り残される事故が自分たちの身に降りかかることも考えられたからだ。気味の悪さを感じつつも読み進めることにする。手持ちぶたさにしている和泉守にもう一つ気になることを確認してもらう→

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@mizinko733 12.この周辺に刀の残骸が残されていないか見回りに行ってもらう。この歌仙が帰ることことできずにここで朽ちてしまった可能性があるからだ。その後、自分の本丸の歌仙にも報告するべきだと思う。→

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@mizinko733 13,この手記を見つける前に戦も終わり、帰還までの時間も残り少ないはずだ。 →

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@mizinko733 14.【歌仙の手記】○月○日 見慣れた戦場に見慣れぬ小屋を見つける。少し古く、飾り気のない粗野な佇まいは風情に欠けるが背に腹はかえられない。雨風をしのげるならば良しとしよう。着物も随分汚れてしまった。しばらく腰を据えて、体制を整えるとする→

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@mizinko733 15.【歌仙の手記】 （季節の花を歌う短歌がいくつも書かれている。落ち着きを取り戻しているように見える） →

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@mizinko733 16.【歌仙の手記】○月○日見つけた小屋を拠点にしてから５日が経った。目と鼻の先に戦場があるが、一度も人間や敵、刀も会っていない。 他の部隊が現れてもおかしくないはずだ。

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@mizinko733 17.【歌仙の手記】○月○日 日付はもはや何の意味もないかもしれない。だいぶ前に戦場近くの竹に花が咲いていたので歌をよんだ。数十年に一度きりの花だ。枯れる前兆だという。それがどうだろう、今日もまた花をつけているのを発見した。

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@mizinko733 18.【歌仙の手記】28日目　時間が繰り返されている可能性があり、日付をつけるのをやめる。毎日が繰り返されているわけではなさそうだ。数日おきなのか数ヶ月おきなのか確かめる方法はないだろう。僕にあとどれだけの時間が残されているんだろう。賑やかな本丸が恋しい→

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@mizinko733 19.【歌仙の手記】（この頃から本丸の仲間や出来事について書かれるようになる。小夜は心配していないか、和泉守はまたハメを外してないか、世話をしていた庭の椿がそろそろ見頃だろうなど） →

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@mizinko733 20.【歌仙の手記】42日目 日々の手入れができず本体にいつ不具合が起きるかわからない。それよりもひと月以上も行方不明の打刀に本丸から霊力の供給がいつ絶たれてもおかしくはない。今僕にできることはこの出来事を記録し、同じような事故を防ぐ手立てにすることだ→

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@mizinko733 21.これは絶対に読まねばいけないと堀川は誓う。歌仙が残した手記は厚い手帳に緻密に描かれている。明らかに人に伝えるための記録へと変わっていた。時折書かれる本丸の思い出にどれだけ無念だったのか察するに余りあった。時間が押しているので今は飛ばしつつ読むしかない

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@mizinko733 22.【歌仙の手記】48日目 日数が合っているかわからない。1日の時間がおかしなことになっているからだ。夜の時間が増えた。初めは少しづつ、今では1日の大半が夜なのだ。もうすぐ陽も拝めなくなるかもしれない。この時代が異物である自分を排除しようとしているのか→

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@mizinko733 23.【歌仙の手記】61日目 おかしなことが当たり前になってしまった。誰もいないはずのこの場所で人の気配がする。物が増えることもしばしば、昨日など（昨日という時間であっていれば）切りたての花束が置いてあった。見えない隣人に親しみを感じる→

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@mizinko733 24.【歌仙の手記】僕はまだ僕のままなのだろうか。一体どのくらいの時間が過ぎたのだろうか。今日はついに月が見えなくなってしまった。常闇を照らしてくれる月は僕の楽しみだったというのに。本丸でもよく月見酒をした。同じ月の姿に随分心を慰められたのに。どうして。→