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tasobussharima1
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黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
それでも、或いは。奇跡とは、そういう時にこそ起こるものなのかもしれない。 空海達の扱う奇跡は物理現象の領域（レイヤー）には必ずしも留まらない。理由付けされた幸運が運命と呼称されるならば、そこから外れたものこそが、奇跡と呼ばれるに相応しい。 奇跡は、無法であるが故に奇跡なのだ。
2016-03-04 21:04:10
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
螺髪ミサイルのサーモバリック弾頭が一瞬で昇華し、白煙とともに空海達の周囲にまき散らされる。肆捌空海は異変を察知し反射的に徳エネルギーフィールドを展開する。 だがそれは、僅かな時間稼ぎにしかならない。仮に爆轟は防げたとしても、それに伴う急激な減圧まで遮断することは不可能だ。
2016-03-04 21:08:06
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
肆捌空海は壱参空海を見遣る。彼は静かに合掌し、何かを唱えている。 「……わがよたれぞ、つねならむ」 いろは歌。作者不詳の誦文。 あくまで俗説ではあるが、その製作者はオリジナルの空海とする説がある。 「うゐのおくやま、きょうこえて」
2016-03-04 21:12:05
漣α/Synthia
@sazanami_alpha
いろは歌は空海作の説があるのか。まぁ実際空海の作であったかどうかはあんまり関係ないんだろうなぁ #徳パンク
2016-03-04 21:15:58
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
それは飽くまで、俗説である。だが、奇跡というかくも理不尽な現象の条件には、それで事足りるのだ。 事実この歌は、彼の持つ『奇跡』の発動因子（トリガ）の一つでもあった。 空海達の頭上で蒸気雲が燃え上がる。僅か数舜後には凄まじい衝撃波と圧力が空海達を襲うだろう。 残る詠唱は、あと一行。
2016-03-04 21:16:04
四十川鮙
@A8_User_144
特定の聖人が詠んだ歌…というよりは 聖人が読んだと思いたくなる・納得できる代物 という事なんでしょうけれど＞いろは歌 #徳パンク
2016-03-04 21:18:00
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
「もう持たない！」 肆捌空海の徳エネルギーフィールドが、負荷に耐え兼ねひび割れ始める。 「あさきゆめみし、ゑひもせず」 僅かに、壱参空海が勝った。詠唱は完成する。壱参空海は手にした錫杖を突き立て、打ち鳴らす。奇跡の舞台は整った。 「三法印が一、諸行無常」
2016-03-04 21:20:02
四十川鮙
@A8_User_144
条件その他がある程度判明してると「奇跡」としての有難さがなんか… 壱参空海さん、衆生なんて身勝手なもんで申し訳ない #徳パンク
2016-03-04 21:20:49
漣α/Synthia
@sazanami_alpha
あ、読み違えてた。肆捌空海が防御してる間に壱参空海が次の手としていろは歌を詠唱してたのか。防御を維持するためのいろは歌だと思ってた…… #徳パンク
2016-03-04 21:22:45
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
これより起こるは、奇跡による蹂躙。異なる法則（ロジック）による、上位世界からの侵略。世界を書き換える無法。 「奇跡は、無法であるが故に奇跡。ならば拙僧は、それを体現するものである」 初期型モデル・クーカイの在り方は、後期型とは大きく異なる。
2016-03-04 21:24:04
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
何故なら、『奇跡』の解明を命題としたのが後期型ならば。 『人工的な聖人の製造』こそが、初期の覚醒者製造計画の命題であったのだから。 紆余曲折の末、とある密教組織が提供したサンプルによって人工聖人……いや、人工大師の器は完成した。
2016-03-04 21:28:03
黄昏のブッシャリオン
@tsbsrion
だが、仏作って魂入れず、とでも言うべきか。器（クローン）に注ぐ水（徳）は無かったのだ。計画は失敗に終わった。普通の人間に毛が生えた程度の徳に、オリジナルに近い精度の『奇跡』を行使しうる器。バケツの水を大型ポンプで撒くようなものだ。あっという間に枯れ果てる。
2016-03-04 21:32:11
漣α/Synthia
@sazanami_alpha
「聖人の製造」と「奇跡の解明」、似て非なるものだなぁ……。要するに初期型は「徳を効率的に稼げる人間の創造」を目指し、後期型は「徳エネルギーを生身で制御して扱える人間の創造」を目指したわけだな #徳パンク
2016-03-04 21:32:17