- mochiunagi
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はまなか
@hmnk
「はりーさんはおすしを望んでおられる。」 ルンバはそれを見たことがあった。吹けば飛びそうな軽やかな手提げから出てきた小ぶりの箱。白い角札の上から赤と黄の鮮やかな丸札が上貼りされており、透き通る蓋の中には色々の小俵が六つほど、それから木肌の花弁と黒い液――ルンバは知っていた。
2015-01-26 00:32:00
はまなか
@hmnk
「だけども、それができればね。」はりーさんにおすしをお届けできたらどんなにか。埃を掃き取るように、おすしを引き寄せる機能があればね――そこまで思って、ルンバは急に恥ずかしくなってベッドの下に入った。自分がはりーさんのお腹をみたすことは一生ないんだ。埃を。ルンバはロボットだから。
2015-01-26 01:21:13
はまなか
@hmnk
取り落とした埃を追いかけると床に皺が寄る。二歩ほど引いてみると床ではなく紙のようだった。「えっ何今の音」はりーさんすみません、紙を吸ってしまって。「チラシじゃん、えっクーポンだ。あー、あー、この雪だし、いいか」はあ。破れていますが。ルンバはうつむいて、また仕事をする自分に戻った。
2015-01-26 01:35:11
はまなか
@hmnk
でもねルンバ、なんでだろう、私、あなたがどこにも歩いてゆけなくなったとわかったとき、安心してしまったの、おかしいよね、海も、あの麦畑も、見せるって言い出したのは私なのに
2016-01-27 02:59:25