「アット・ザ・トリーズナーズヴィル」 #2

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
ニンジャスレイヤー
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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
アット・ザ・トリーズナーズヴィル #2
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(前回あらすじ:パチンコ店を襲撃し物資を強奪する容赦なき戦闘集団。陣頭指揮を取るのはニンジャだった。彼は所属集団を「進歩的革命組織イッキ・ウチコワシ」と名乗る。)
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(同時刻、ニンジャスレイヤーことフジキド・ケンジは、謎の円形ドージョーで謎の組織と対峙していた。目の前には髭面の大男。立会人はニンジャだ!)
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髭面の大男はナックルをはめた拳を打ち合わせ、フジキドを威嚇する。上座に座るニンジャが右手を上げて指図した。「……はじめよ!」
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「グワーッ!」大男はきりもみ回転しながら吹き飛び、ドージョーの壁、神棚のすぐ下へ激突した。ニンジャスレイヤーは右手を前に突き出し、腰を沈めた姿勢である。ジュー・ジツの踏み込みながらのパンチ、俗に言うポン・パンチだ。
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試合開始一秒にして、大男は失神かつ失禁し、ズルズルと壁を滑り降りてうつ伏せにうずくまった。決着である。
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壁沿いにぐるりと囲む構成員がどよめく。上座のニンジャは立ち上がり、片手をあげて静まらせた。そしてニンジャスレイヤーへオジギした。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。私はアンサラーです。腕前を確かめさせていただいたご無礼を許してほしい。……イッキ・ウチコワシへようこそ」
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「ドーモ」ニンジャスレイヤーはオジギを返した。アンサラーは構成員に向かって宣言する。「諸君。今この時から、ニンジャスレイヤー=サンは我が革命組織のエージェントとなった」「承認!」「革命!」「革命!」口々に、構成員が応答する。
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アンサラーが合図すると、出入り口のショウジ戸を近くの構成員が引き開けた。その奥はそのままエレベーターになっている。アンサラーとニンジャスレイヤーはエレベーターへ乗り込んだ。下降。
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「今の場所はトレーニンググラウンドです。まだ未熟な構成員に戦闘訓練を施す場だ」降下するエレベータ内で、アンサラーは気さくに話しかける。「我々ニンジャは戦闘能力に優れるが、所詮、一人の人間である事に代わりは無い。革命は人民によって為されるのだ。同志に優劣は無い」
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「なるほど」ニンジャスレイヤーは己の意見を差し挟む事はしなかった。アンサラーは頷く。「なに、コメントは求めない。行き過ぎた思想統一はかえって理想を遠ざける。我々が戦うべきは企業体による支配、人間阻害だ。我々が同様の抑圧体となっては無意味だ。我々は歴史から学びつつ前進する組織だ」
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アンサラーのメンポはレッドスティール製で、クワとハンマーの意匠がレリーフされている。「あの場ではエージェントと称したが、君のことは、言わばゲスト的な立場の闘士と理解している。君が窮屈を感じる必要は無い。君の目覚ましい働きはアムニジア=サンから十分に聞いている」
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アムニジア……。ニンジャスレイヤーの目が細まる。 「アムニジア=サンは今どこに?」「方々を転々としているよ」アンサラーは快活に答えた。「彼女は素晴らしい闘士だ」「あのときの、ラプチャー=サンだったか……残念な事だったな」
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アンサラーは頷いた。「我々は常に覚悟を決めて闘争に臨んでいる。ラプチャー=サンも憐れみは望むまいとも」「そうか」エレベーターは下降を停止した。地下三階。合成オコト音が鳴り、ショウジ戸が開く。
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廊下を案内するアンサラーの背中を見ながら、フジキドは己の内なるニンジャソウルが身じろぎするのを覚える。ドラゴン=センセイの命がけの封印インストラクションをもってしても、この疼き……。ニンジャ殲滅を欲望する魂は滅びておらず、眠ってもいないのだ。
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ニンジャスレイヤー=フジキドがイッキ・ウチコワシの門を叩いたのは、ドラゴン=センセイの忘れ形見であるユカノが理由だった。ダークニンジャの襲撃で離れ離れとなったユカノは、いかにしてかその記憶を失い、イッキ・ウチコワシの戦闘エージェントとなっていたのだ。
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その名を、アムニジア。ニンジャスレイヤーは彼女の所在をつかみ、トットリ村のレジスタンス戦闘に関与。オムラのニンジャ、エクスプロシブを惨たらしく爆殺した。しかしアムニジアはフジキドを拒否したのであった。記憶を失う以前の自分は、永遠に失われた別の人間に過ぎないと……
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フジキドは考える。彼にはセンセイに託された重い使命がある。「ユカノを頼む」と死に際のセンセイは言ったのだ。いまのユカノが所属するこのイッキ・ウチコワシがいかなる組織なのか、彼自身の目で見届けねばならぬ。
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「この向こうが中央会議室だ」アンサラーが通路右のカーボンフスマを示す。「重要な議題については皆で意見を出し合い、決める。そこに身分の貴賤は無い」「首領のバスター・テツオはどんな男なのだ?」ニンジャスレイヤーは同うた。アンサラーは足を止めた。
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「……偉大な男だよ」アンサラーは歩き出す。「ニンジャなのか?」「いずれわかるだろう」
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二人がたどり着いたのは作戦会議室だった。「武装」「闘争」とミンチョ書きされたカーボンフスマを開けると、壁に大きくネオサイタマ地形図が張り出され、質素なチャブと掘りゴタツが幾つか置かれたエマージェンシー的な部屋である。
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室内には三人の構成員がおり、三人とも、朱塗りされたUNIXパソコンのキーボードをスゴイ級の速度でタイピングし続けていた。アンサラーとフジキドが入室すると、三人は素早く会釈をした。「展開!」「進歩!」「成長!」
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「ここで、日々の対企業体闘争に関しての情報収集と戦術の組み立てを行う。このような会議室は全部で四室あり、同時に作戦展開が可能だ。コブチャ精製装置も据え付けてある。コブチャは対ストレス効果があるからな」「テロ計画か」アンサラーの視線が険しくなる。「テロという呼び方は正確ではないな」
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011年1月30日
「アット・ザ・トリーズナーズヴィル」 #1 http://togetter.com/li/94537 「アット・ザ・トリーズナーズヴィル」 #3 http://togetter.com/li/94890
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