【生の発見】 福間健二 #k2fact138

福間健二 @acasaazul

生きること、いつでも寒い相談室の掃除とそのあとのお茶。ユリ子さんたちがお菓子を持ってきてくれる。第何志望だろう。呼吸する川を救うマイノリティーになろうと大阪をさまよった。寒くても、じりじりと虫になって焼ける感覚。踊れば、痒いだけってことはない。（生の発見１）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

もっとさっぱり、もっとあっさり。消え去り、跡形もなくなり、帰ってくるときは月明かりに青い殺意だ。気をつけろ。お払い箱は、かびたパンに隠れるきのうの原理だけじゃない。新しい武器、大阪のおばさんたちをみんな脳の鍵穴から見るジャンクヤードの天使にする。（生の発見２）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

履き古した靴、大事にして、大阪じゃなくても、プランなしの、人なつっこいアジアの効果。盗まなくても、人とともに感じる。傲慢さと謙虚さ、同じ音をたてる爪と釘、あえて区別しなくても。ぶつかる。急ぎ足の三月。焼きすぎでも、彼女のパウンドケーキはおいしい。（生の発見３）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

何号室。きょうは３０４だ。ねすごして、膝に故障あっても、ピクニックとミュージカルはできる。ご飯を炊いてお弁当をつくり、廊下と坂道、どう読むかではなくどう盗むかだ。人の恩は忘れない。見えてくる離島。落ちていてピクピクするものはすべて律儀に誘惑的だ。（生の発見４）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

だれかの今日。春からの、新しい地獄。その明日を救うのだとして、川や海を見ているだけでいいのだろうか。たとえば、さっきから市場の前を行ったり来たりしているこの男。大部分が壊れ、ぎりぎりで生きている。お菓子の好きなパリ娘とやったことがあるんだってさ。（生の発見５）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

ヨーロッパ的段階のキスミークイックを漁って鮮度を問題にしなかった。それは遠い浮世の過去。もっとぎりぎりになる明日を思い、いまは生産者だ。それぞれのやり方で、きみたちを待っていたわけではない世界に沈み、浮きあがる。棒が合図している、それは無視して。（生の発見６）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

無音の夜、人と人のあいだで、だれかに語りたいということもなく、まわってくる毛布を待つ。この隙間、このぬくもり。毛布と一緒に空気もきた。ありがとう。灰色の空気、やがて青い空気。Dear Death、ほほえむ鍵つきの箱、噛みあう中身がまだあるんだね。（生の発見７）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

明るい昼は、大きなタカに狙われないように注意して、簡潔に生きかえる。それに必要なだけの、味と形式。ストレートか水との一対一で、夕暮れを飲む。いつでも彼とぼく、あるいは彼女とぼくとして、打つ音の鳴る場所を歩く。はい、見つめられたら見つめかえすだけ。（生の発見８）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

かれらの箱。あけてみれば、たいしたものは入ってない。それぞれをおおう感情を組み合わせて使う。どちらかといえば歌えない相談者としての、一服。着飾らないファッションで、ユリ子さんはとても重いものを持ち上げる。迷路の石や骨を休めて、次に消費するのは？（生の発見９）#k2fact138

福間健二 @acasaazul

少し軽くなったような気がする。大きな犬にも小さな犬にも分類できないもの。三月十日、音と感触だけでわかった正体とそれができること。伸びること。箱から出ること。すれちがって、反射を受けて、大阪もきょうは寒い。目的は生きること、それ以外にはないのだ。（生の発見10）#k2fact138