2016年3月13日

漫画における「広く浅く」から「狭く深く」の歴史的サイクル~「情報時代の漫画」考

元モーニング編集長島田さんのツイートに触発された連想です。
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元モーニング編集長島田さんが今語る、漫画家志望者への提言。

島田英二郎 @asashima1

他者に共感する能力は本当に重要だと思う。他者というより、「現在」「ここ」「自分」から隔たったものに共感する能力というか。何度なく言ってることだが、自分のアタマのなかにあるモノだけでモノをつくっていると「今ここにいる自分」からどうしても離れないと思う。

2016-03-09 17:34:45
島田英二郎 @asashima1

司馬遼太郎先生が「できるだけたくさんの史実を並べてみると、その間から煙のようなものがたちあがってくる」みたいなことを言ってたけど、とにかく自分のアタマの外にあるものをすべてアタマのなかに並べてみて、その間から立ち上がってくる煙をつかってものをつくるのがいいと思う。

2016-03-09 17:36:13
島田英二郎 @asashima1

昔ある作家が言ってた。スタッフの人がネーム描いてもってくるんだけど、「どうも自分のアタマのなかの材料だけでこしらえたプラモデルみたいなもんばっかり」だと。自分の外にあるものをいかに使うか、というのはモノづくりに限らず、あらゆることの奥義なのだと思う。

2016-03-09 17:36:27
島田英二郎 @asashima1

実際に商売として漫画をつくる現場に四半世紀も身を置くものの実感。私がこの世界に入ったころは、まだ全く取材をしないでつくられる漫画がたくさんあった。今、何の資料も使わず、まったく取材もせずにやってる漫画は珍しいのではないだろうか?

2016-03-10 21:07:10
島田英二郎 @asashima1

実感として、全く取材の類い抜きで漫画をつくるのってすごくむつかしいような気がする。というか、アタマのなかの材料で物語のヒントをさがすより、回りの現実見た方がそりゃネタがあるよ、って感じ。

2016-03-10 21:08:16
島田英二郎 @asashima1

デビュー前の新人も、広い意味での取材はいくらでもできるはず。要は自分のアタマの外に材料をさがすってこと。本読むのも友達と話すのも取材だと思う。要は「現実とキャッチボールする」ってこと。どんな人間も現実の中で生きてるんだから。回りの現実に向けて回路を開いてみるだけ。

2016-03-10 22:44:07
島田英二郎 @asashima1

もっとも、「100%アタマのなかでつくりました」みたいな漫画にもいくらでも名作はある。「ドラえもん」とか。むしろそういう(「新書的知識・情報」とは無縁の)漫画がもっと読みたいとも思う。でもそれは作家のアタマのなかにもともと膨大なものがつまってるからできること。

2016-03-10 23:43:45
島田英二郎 @asashima1

新人賞の選考現場では「特殊な経験をしている人はそれだけで有利」ということがよく言われる。近年で言うと「いちえふ」の竜田一人氏とか。まあ確かにそうではあるが、特殊な経験をしてる人がみんなデビューしたかというともちろんそんなことはない。90%くらいない。

2016-03-12 13:26:48
島田英二郎 @asashima1

漫画家になるためにわざわざ特殊な経験をする必要はないと思う。というか「何かのためにした何か」って実は大して役にたたないような気がする。「こんなことして何の役にたつんだろう?」と思いながら何の役にも立たないようなことをしてたらいいんじゃないか。

2016-03-12 13:48:41
島田英二郎 @asashima1

自分の経験で何が何の役に立ったかなんてわからないんだと思う。昨日食ったあれが自分の身体のどの血肉になったかわからないのと同じで。いや、食い物よりはまだ分かるか。10年くらいたって「あ、今俺がこうしてるのはあのときのあれかも」とふと感じるときがたまにあるから。

2016-03-13 08:55:57
島田英二郎 @asashima1

ただやりたくてやったことが何の役にも立たなかったとしても、好きでやってたんなら別に後悔もしないだろう。ムダでもいいじゃん。だいたい「ムダなことは一切しない。アタマいいから」みたいな考え方してたら漫画家になんかなれるわけないんだから(編集者にもなってほしくないんだから)。

2016-03-12 13:48:50
島田英二郎 @asashima1

自分の経験で何が何の役に立ったかなんてわからないんだと思う。昨日食ったあれが自分の身体のどの血肉になったかわからないのと同じで。いや、食い物よりはまだ分かるか。10年くらいたって「あ、今俺がこうしてるのはあのときのあれかも」とふと感じるときがたまにあるから。

2016-03-13 08:55:57
島田英二郎 @asashima1

人間はムダなことたくさんしないと栄養が偏る。「それ、何の役に立つの?」「それ意味ないじゃん」的なことをすぐ言う人がいるけど、そういうサプリとプロテインだけでつくった身体で牛は倒せない。

2016-03-13 08:56:09
島田英二郎 @asashima1

浪人してまで受験して結局第一志望に行けなかったり、散々漫画描いてデビューできなかったり、まあそういう人生を推奨するわけではないが、でも結果的にそうだったとしてもそんなにがっかりしなくていいとも思う。気づかないとこで血肉になってんじゃないの?

2016-03-13 09:10:08
島田英二郎 @asashima1

何があっても「ま、これはこれでいい経験だったな」で図々しくまとめるのが正しいと思う。なんだって何かの役には立ってるに決まってんだから。逆に後悔すると身体に悪くなってしまう。何でも役に立つけど、後悔だけは身体に悪いよ。人生で唯一のムダなこと。

2016-03-13 09:10:31
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

漫画家と言うのはもともと「広く浅くものを知っている」(石森章太郎「漫画家入門」)、ゼネラリストである事が求められる仕事だった。教養、雑学。70年代以降の”情報社会”で読者の側の平均知識が上がるとそれではニーズに追いつけなくなった。そこで漫画の「専門情報」化が起こったのが80年代。

2016-03-13 09:21:01
田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)1969年の少年マガジングラビア「情報社会」(構成:大伴昌司)。情報拡散の大衆化。「金持ちの道楽」の範疇だった”マニア”に、誰でもなれる様に。この情報社会が生んだのが、つまり「オタク」。イラストは年代もちゃんと予言している(笑。 pic.twitter.com/bzymIaNpPB

2016-03-13 09:29:53
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思考の脇道もまた良き哉

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「何が欲しい?」「情報だ」(「プリズナーNo.6」)。/君はなぜ職場から去った。そのエビデンスを私に説明しない事は許されない。貴方の理由を私に説明しない事は、許さない。私の心の棚に隙間が残って、不安になるからだ。不安を煽るな。youtube.com/watch?v=zE-EMi…

2016-03-13 09:56:27
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田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続) ”「ここは何処だ?」「ムラだ」。「何のムラだ?」「今に分かる。さあ早く。君の情報を吐くんだ。ムラの中で隠し事はいけない。報・連・相が大事だ。」”

2016-03-13 10:01:28

何の話を考えていたのか忘れる前に本題に戻る

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)”自分で”広く浅く物を知る事が大事と「マンガ家入門」で書いた石ノ森氏も、80年代には無記名のライターがいる「HOTEL」や、専門家に依拠した「日本経済入門」「日本史」を描く。”主張”より実用書に近い。”もの知り”程度では追いつけない専門情報に漫画の商業価値を見出す様になった。

2016-03-13 10:22:04

コメント

Ukat.U @t_UJ 2016年3月14日
本題では無いですが、漫画雑誌の編集長までやった人が、「100%アタマのなかでつくりました」みたいな漫画としてドラえもんをあげているのがショック。F先生のSF趣味、西部劇趣味、映画趣味なんかが山ほど盛り込まれた漫画じゃないですかあれ。小学生向けの漫画にリアルな書き込みで「ワルサーPPK」「バントラインスペシャル」ですよ?
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