15分遠征 富士山()登頂
- kasen_ensei
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はじめに
鶴丸「(俺らの主は、日本史は……いや、日本史『も』非常に怪しい……未だに1192年が鎌倉幕府成立だと思っているぐらいだからな。何度『征夷大将軍任命』と教えたら覚えるのやら……そこらへんは心に留めておいてくれ……)」
2016-03-14 21:02:57登場人物
歌仙
どこかの本丸の打刀。
他の歌仙よりも甘味と旅が好き。
鶴丸
どこかの本丸の太刀。
他の鶴丸よりも落とし穴を掘らない。
〜富士山()登頂の話〜 江戸時代、『入鉄砲に出女』と言われるぐらい、江戸時代に『移動の自由』は無かった……例外は確か『伊勢参り』か。流石に宗教的な理由は幕府としても認めていたそうだよ。とはいえ、一生に一度だし、旅は危険で、まぁ、お金もかかる。実際どれほどの人々が行けたのやら、だ。
2016-03-14 21:06:24他方、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』や歌川広重『東海道五十三次』など、富士山を題材とする浮世絵が江戸時代に出版され、人々はその美しい山の姿を絵で見ては、一度でいいから富士山に登りたいという思いに駆られた。
2016-03-14 21:14:02某日の午後 歌仙「じゃあ最後に、富士山に登ろうか」 鶴丸「い、今からか?」 歌仙「ああ、今からね……別段装備は要らないよ。僕もこの格好で登頂するからね」 鶴丸「思いっきり普段の服装だよな? 日本の最高峰を甘くみるとは、さすが甘党」 歌仙「僕は甘党だが、首を差し出してもらおうか!」
2016-03-14 21:19:40やってきたのは文京区の護国寺(有楽町線 護国寺駅降りてすぐ)だ。甘味の美味しい店については前に紹介したから割愛させてもらおう。 pic.twitter.com/yV94SJqa68
2016-03-14 21:25:49鶴丸「徳川綱吉の母、桂昌院の祈願寺か。ああ、この音羽通りは護国寺の門前町というわけか」 歌仙「……解説することがなくなりそうだよ」 鶴丸「だが、富士山は見当たらないぜ?」 pic.twitter.com/8rRB5bcew9
2016-03-14 21:34:31歌仙「いや、案内があるだろう……ほら、そこに」 鶴丸「……こりゃ驚いたな」 歌仙「さぁ、鶴丸。富士の景色を楽しもうじゃないか!」 pic.twitter.com/aM0OwHJ3Dl
2016-03-14 21:37:40鶴丸「(実はここで俺は大方予想はついていた……まぁ、知っている人は知っている話だからなぁ。けれどここは平安刀として大人の対応をしたわけだ。まぁ、実際に上ったのは今回初めてだぜ)」
2016-03-14 21:42:02歌仙「さて、富士山の麓までやってきたよ!」 鶴丸「お、おお、これは……(微妙すぎて)驚いたぜ!」 pic.twitter.com/ZCGURECuEb
2016-03-14 21:47:08説明すると、これは『富士塚』というものなんだ。 江戸時代には『お富士さん』、今は『ミニチュア富士』と親しまれているものだよ。富士信仰が盛んになった江戸中期に多く作られたもので、こちらの『音羽富士』は江戸七富士の一つだよ。
2016-03-14 21:55:34歌仙「さっそく登ろう!」 鶴丸「お、おう……」 歌仙「ほら、一合目だ!」 鶴丸「は、はやすぎるだろう!?そういう驚きは求めちゃいないぜ!?」 pic.twitter.com/ZFD6VeiXLG
2016-03-14 21:58:58歌仙「二合目……ほら、もう四合目だよ」 鶴丸「ちょっと待ってくれ、三合目は?」 歌仙「わからなかったよ」 鶴丸「……」 pic.twitter.com/RMAjfTdsZE
2016-03-14 22:06:31歌仙「ほら、麓があんなに遠く……に……見える……よ」 鶴丸「歌仙……悪あがきはよせ」 歌仙「いや、僕らは富士山の四合目にいるんだ!ほら、富士の麓の……青々とした樹海が……心に雅があれば見えるはずだ!」 pic.twitter.com/SB21EU6mrY
2016-03-14 22:12:22僕だって辛かったさ……正直言ってね、我に返った時の空しさといったら!
昼下がりに大の大人が富士山()登頂……はは……実に雅だったろうね。 石が雨に濡れていて、登っていて滑りそうでヒヤヒヤしたのもあり、まぁ楽しくはあったけれど。 pic.twitter.com/CIJoOBSlLd
2016-03-14 22:20:34歌仙「……実は、高い所は苦手でね」 鶴丸「それを今明かされても驚きこそすれど……ああ、フリというやつか?」 歌仙「貴様、37人目にしてや……ひっ……」 鶴丸「あー……悪かった」 pic.twitter.com/viwMakQN3t
2016-03-14 22:29:48歌仙「ううっ……高所で巫山戯るだなんてね、絶対、万死に、値するぞ!」 鶴丸「いやいや、すまん……そこまで驚くとは思ってもなくてだな……ほら、カメラも菓子の袋も持ってやるから」 歌仙「……菓子、絶対落とさないでくれよ」 鶴丸「ははっ、任せておけ!」
2016-03-14 22:39:46僕は迂回路の方を通りたかったんだ。けれど、七〜九合目あたりを撮影するには断崖の方を通らないといけなくて……さて、ようやく頂上の富士浅間神社が見えて来たよ。 pic.twitter.com/bcm9frr7Df
2016-03-14 22:43:20鶴丸「頂上か……何となく見下ろす風景が雅に見えるな!」 歌仙「……鶴丸、その、ここまで一緒に登ってくれて有り難う」 鶴丸「いや、こっちも驚かせてもらったぜ!ほら、参拝するんだろう?」 pic.twitter.com/Yo3xP4hgex
2016-03-14 22:49:20なんというか、僕の自己満足に付き合わせてしまったようで……
けれど平安生まれの彼の懐が深くて……深くて……
鶴丸「さて……帰り道はこっちだな!」 歌仙「君一人で行ってくれ!僕は御免だ!!」 pic.twitter.com/YTsWtOSIcV
2016-03-14 22:51:40訂正する。
深くはなかったよ。