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紅玉の茶会を、打ち砕け!#2 幻惑の茶会◆1

少年が洞窟の奥で見つけた輝き。それは、巨大な宝石の輝きだった。 大人たちに報告して探してもらっても、何も見つからない。 オオカミ少年扱いされ、孤独になる少年を信じたのは、近所のお兄さんだった。 全50ツイート予定 続きを読む
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減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:13:20
_紅玉の茶会を、打ち砕け!#2 幻惑の茶会
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:23:06
_背後から差す明かりは次第に弱まっていく。鍾乳洞の、濡れた地面を足音が立たないように急いで逃げる。背後から響くのはカサカサという硬質な音。人間の足音ではない。見つかったら終わりだ。シャルクク少年に戦うすべはない。 31
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:27:10
(逃げなくちゃ……闇の中にでも、逃げなくちゃ……)  この先は闇だ。照明の魔法が効力を発揮しているのは遥か背後。薄暗い鍾乳洞の横穴を、そろそろと歩く。水たまりがあちこちにあり、靴の中へ染み込んでいく。雫が首筋に垂れ、悲鳴を上げそうになる。 32
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:32:15
_そのとき、視線の先で何かが煌めいた。 (あれ……どこかで見たような。これは……)  煌めく何かへと向かうシャルクク。その輝きは次第に大きくなり、やがて空間を光で満たした。 (宝石だ……やっぱり、宝石はあったんだ)  たどり着いたのは、輝く宝石で埋め尽くされた空間。 33
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:39:28
_宝石のテーブルが中心にあった。そこに陽炎が湧き立ち、ランプに踊る影が現れるように、4人の娘が姿を現わす。  彼女らはみな、茶器や菓子を持っていて、それをテーブルに並べ始めた。 「誰……?」  シャルククは尋ねる。 34
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:44:44
_娘たちはホホホと笑うだけだ。シャルククは娘たちに促されるまま、テーブルの端に座った。 「ぼうや、かわいいね」 「どこから来たの?」 「髪の毛が、つやつやしているわね」  娘たちはシャルククを撫でて褒め始めた。レースのような赤い服がひらひら揺れる。 35
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:48:51
_宝石のテーブルの上には、5人分の紅茶が並べられる。中央にはお菓子の山。 「自由に食べていいのよ」  赤い服の娘が促す。シャルククはそこで、背筋に冷たいものを感じた。何かが起こっている。そして、引き返せない線があるはずなのだ。 36
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 17:54:00
「お姉さんたち……僕は、あなたたちを信じていいの?」  何者かよりも先に、シャルククには聞きたいことがあった。 「ええ、信じていいのよ」 「じゃあ、僕のそばにいた、お兄さんお姉さんを探すのを手伝ってほしいんだ。お茶やお菓子よりも、大切なんだよ」 37
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 18:02:03
_赤い服の娘たちは何もわかっていないという風に笑うだけだ。 「あたしたちが新しい友達になってあげるのよ。古い友達なんていらないの。貴方を捨てて、去っていく友達なんて忘れてしまいなさい。あたしたちは、貴方のためになんだってするわ」 38
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 18:09:49
_それを聞いたシャルククは、固く口を結ぶ。 「ダメだよ、お姉さんたちを信じられないよ。どうして僕のことを信じてくれないのさ。お兄さんたちは僕を信じてくれた。きっと今も僕のことを信じてくれる。そんな思いを僕は裏切れない……どうしてそれを信じてくれないのさ!」 39
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 18:15:30
「それはダメよ」 「ダメよ」 「ダメなのよ」  赤い服の娘たちが一斉に立ち上がり、菓子や紅茶を手にシャルククへとにじり寄る。シャルククは恐怖で声も出ず、床に座り込んでしまった。  そして……視界にひびが入る。ガラスの割れるような音が……背後から、聞こえた。 40
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 18:16:03
_紅玉の茶会を、打ち砕け!#2 幻惑の茶会 ◆1終わり ◆2へつづく
減衰世界 @decay_world 2016-03-17 18:22:35
【用語解説】 【紅茶】 灰土地域中部から南部にかけて栽培される茶の葉を加工して作る飲み物。灰土地域全土で好まれるが、北部では生育しないため、交易路によってコーヒー同様北の果てまで流通する。一方、翡翠台地では緑茶が、アヅマネシアではウーロン茶が好まれる

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