アイヌ文化とは何か、和人が学ぶべき諸々についての一研究者からの提言

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丹菊逸治 @itangiku

これが日本の現実。異文化とは何か、多民族の共存とは何か、アイヌ民族のおかれた状況とはどういうものか、一般の和人が学ばねばならないことは多い。北海道に勢力を伸ばした責任というものだ。RTのやりとりについて

2016-02-19 10:17:06
丹菊逸治 @itangiku

何百年も前の「外国人」による記録に登場する人名がアイヌ語かニヴフ語かを判別するのはものすごく難しいだろう。「アイン」がついてたらアイヌ語だというわけではない。「アイン」で終わるニヴフ人名だってたくさんあるのだ。

2016-02-27 12:13:51
丹菊逸治 @itangiku

北海道におけるドングリ食に関して、特に考古学関係で研究者はあまり不用意な発言をすべきではないと思う。誤解を招くおそれがある。もうそういう例が出ている。

2016-03-03 09:42:37
丹菊逸治 @itangiku

「過剰な被害者意識」を持っているのはたいていはマジョリティ側である。「私はなにも悪いことをしていないのに!」というやつね。誰もあなた個人が悪いことをしたとは言っていないのに。

2016-03-03 11:39:33
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 一番の成果は、少数言語の話者たちが「研究者が何をしているのかを理解する」ことである。そして「自分たちで出来ることは研究者に任せなくてよい」と考えるようになることである。

2016-03-03 19:40:42
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 実際に自分たちで資料の記録・保存ができれば「自分たちの活動」が可能になる。他者にあれこれ指図されずにすむということは、少なくともアイデンティティに関わる運動である言語復興においては決定的に重要なことである。

2016-03-03 19:44:44
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 研究者は「あなたの持っている録音テープはそろそろ劣化してきますよ。私たちがデジタル化に協力しましょう。その代わり研究資料として使わせてください」と言ってきたりする。自分たちで資料のデジタル化ができれば、そういう研究者からの申し出を拒否できるようになるのだ。

2016-03-03 19:49:22
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku もちろん、少数言語集団自身によるIT技術の習得は必ずしも研究者に抵抗するためではない。研究者と良好な関係を維持する上でも重要である。記録の困難さを話者自身が理解することは長期的に見てプラスに働く。

2016-03-03 19:57:26
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku また、研究者にとって「記録者が多い」ことはとにかくプラスである。「話者自身による記録」が学問的に全く意味がないわけでもない。研究者は場合によっては「話者自身による記録から漏れている部分」を重点的に記録すればいいのだ。一種の役割分担である。

2016-03-03 20:01:26
丹菊逸治 @itangiku

「抑圧された人々が、さらに別の人々を抑圧する」という差別告発の無効化の言説は、小説家や言論人らが好んで使うせいもあって、ネット上でもよく見かけるんだけれど、具体的なレベル、研究レベルではもちろん話にならない。そんな粗雑な一般化モデルが物事をちゃんと説明できるわけがない。

2016-03-06 19:33:41
丹菊逸治 @itangiku

民族コミュニティのメンバーシップと個人のアイデンティティは必ずしも一致しない。「私は××民族だ」と感じ、そう確信している人が、その民族コミュニティに受け入れられているとは限らない。これは正義の問題ではなく、事実の問題。

2016-03-07 09:28:03
丹菊逸治 @itangiku

民族のメンバーシップのあり方は民族ごとに異なる。「我が民族の基準はこれだ」というのは勝手だが、それを他民族に押し付けてようとしても、そんなことに意味はない。通じないのだ。

2016-03-07 09:31:18
丹菊逸治 @itangiku

だから「血」だけが基準ではない多くの民族コミュニティにおいては、「私は××民族の血をひいている」というだけでは「そうですか、それで?」ということにしかならない。あくまで民族コミュニティが決めることなのだ。

2016-03-07 09:35:56
丹菊逸治 @itangiku

例えば私は立場上いくつかの基準で「アイヌ」と接している。民族コミュニティが問題になっているときに「血」だけの話は意味がない。ネット上で私がやりとりをする「アイヌ民族」もそれは同じだ。

2016-03-07 09:41:05
丹菊逸治 @itangiku

ネット上で「アイヌ民族コミュニティの一員」を名乗る人々は基本的に誰が誰だかお互いを知っている。たんに「アイヌの血をひいている人々」とは少しずれている。ついでにいえばネット上で後者を騙ることは可能だが、前者を騙ることは事実上不可能。

2016-03-07 09:46:19
丹菊逸治 @itangiku

実際に「アイヌの血をひいているがアイヌコミュニティに属していない人々」はコミュニティのあり方や、コミュニティに属する人々のアイデンティティに口出しすることはない。だから妙に押し付けがましく口出しする「アイヌの血を騙る」人々がいても最終的に無視されておしまいになる。

2016-03-07 09:50:21
丹菊逸治 @itangiku

まあ、本当に「血をひいている以外メンタリティも全て和人」という人々の中には、その人にとって他者であるアイヌ民族コミュニティの存在を「和人的な基準」で否定したい人々もいるだろう。

2016-03-07 09:53:31
丹菊逸治 @itangiku

「異民族の血が混じっていれば純粋な和人ではない」という基準がある場合、「アイヌの血をひく和人」が「純粋な和人」として認められるためには、「アイヌ」が民族であることが邪魔になる。

2016-03-07 10:02:17
丹菊逸治 @itangiku

「アイヌは民族だと言い出したせいで、アイヌの血をひくことを気軽に話せなくなった」というのはアイヌコミュニティ内の問題ではなく、和人コミュニティ内の問題なのだ。

2016-03-07 10:06:27
丹菊逸治 @itangiku

和人が「アイヌ民族の言動はわけがわからない」というのは当然だ。和人の目に見えるのは「アイヌと和人のやりとり」だけだからだ。アイヌ民族の言動はアイヌ社会内部のさまざまな出来事、さまざまな仕組みによって出てくるもので、そこは和人には見えないからだ。だが「外交」とはそういうものである。

2016-03-07 10:16:08
丹菊逸治 @itangiku

実在する民族コミュニティの話だと何度言っても「血イデオロギーかどっちなんだ?」と聞いてくる頭の悪いやつらが絶えないのは、研究者がサボってるからなんだろうな。

2016-03-08 12:13:13
丹菊逸治 @itangiku

「アイヌコミュニティなんて日本のムラ社会と同じじゃん。特別に尊重する必要はない」なんて言う人もいるようだが、和人のムラ社会を変革する権利は和人自身にある。アイヌについてもこれは同じ。アイヌコミュニティを変革する権利は和人ではなくアイヌ自身にある。

2016-03-08 13:45:11
丹菊逸治 @itangiku

.@itangiku 都会の和人が和人の村落ムラ社会の解体を目論めば、それはエゴと呼ばれるだろう。同じように和人社会に溶け込んだ「アイヌの血を引く人」がアイヌコミュニティの解体を目論めば、やはりそれもエゴと呼ばれるだろう。

2016-03-08 14:21:18
丹菊逸治 @itangiku

どんな文化要素にせよ、日本からニヴフへの北上説のネックは間にアイヌ文化がどーんと挟まってることだよね。北回り説のほうが有利に見える。でもニヴフの葬送儀礼はかなり多様なので、1つくらい日本からの要素があってもおかしくはない。

2016-03-08 19:54:43
丹菊逸治 @itangiku

「日本→ニヴフ」説だと間にアイヌが挟まってる。韓国で時々唱えられる「韓国→ニヴフ」影響説も間にどーんとツングースが挟まってる。ロシアには「ニヴフは昔は環オホーツクに広がる大民族だった」説もあったりする。

2016-03-08 20:30:00
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