ツギハギの黒狐II

灯＠大海戦、条約の邪紋 @mochiinu1107

【パ／内政／調査点５】キミは別勢力の使者と接触し、各地で暗躍している謎の闇魔法師の情報を交換した。ＨＰ－３、ＳＰ＋３。支援を得られれば調査点＋３。支援した者はＨＰ－３、調査点＋４。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #戦火の荒波　#餅犬

ロンリコ@パ邪SGO_大戦 @lord_phRP

@mochiinu1107 (パンドラですが支援させて下さいー) 使者との情報交換の最中、待ち合わせていたはずの使者の一人が来ない。何かあったのだろうか。 カラン。近くの酒場に入っていく一人の男の姿が、ふいにきみの目に止まった。

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@lord_phRP ありがとうございます！ 「？」 なぜ目に止まったかは分からないが不思議と気を引く人物だった。容姿が特別なのだろうか。それとも雰囲気だろうか。同じ邪紋のようだが知り合いでは無いと思う。 「ま、待ってっ…」 灯は自覚の無いままに、その背中を追った。

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@mochiinu1107 伸ばし気味の金色の髪、乱暴に羽織った黒色のコートからは右腕が隠れて、扉を押した左腕だけが覗いている。だが、雰囲気で言うなら、そう、邪紋使いなら彼が「戦闘後」である事が分かるだろうか。 「あん？　俺は忙しいんだ。ラムがキレてイライラしてる」

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@mochiinu1107 その男は、彼がそう言う通りイライラした口調で、灯の方を振り返る

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@lord_phRP 「あ、その…いえ、なんでもない、です…」 灯は怖くなって耳がペタリと頭に張り付いた。怒らせてしまった、というよりも、話しかけてはいけないタイミングだった、と反省する。 「ごめんなさい、その、じゃあラムを一杯奢らせてね？」 なんとなく、放っておけなかった。

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@mochiinu1107 んぁ、そう言われると彼が唸る。 「アンタみたいな嬢ちゃんにおごられる程、俺ァ落ちぶれて居ないさ。居ないが……」 そう言われて、ふと考えを変えたのだろう。少しだけ、表情を緩めて言う。 「で、俺なんか捕まえてどうする気だったんだ？」

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@lord_phRP 「えええ、あ、えっと…な、なんというか、…心配？だったのです…」 なんとなく、一人にすると飲み過ぎるのではないかとか、そんな言い訳をゴニョゴニョと言い返す。本当は、貴方の背中が寒そうで、とは言えなかった。言ってはいけない事のような気がして言葉を濁したのだ。

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@mochiinu1107 「はは、そりゃァそうだ。なんせ、飲み過ぎなんて俺の辞書には無いらしいからな」 ふいに腰の辺りがからんからんとなる。かなりの量のラムの空瓶だろう。 「が、それこそ嬢ちゃんなんかに心配される筋合いは無いさ。もう夜も遅いぜ。それとも、人でも待ってンのか？」

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@mochiinu1107 「嬢ちゃんみたいな子がこんなトコにいたら、そうだな……狐につままれて食われちまうゾ」 最後の一言は、まるで嘲笑。そのままに彼は灯への視線を店へ戻し、カランと店の中に入っていこうとするが……

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@lord_phRP 「灯は独り立ちしました！狐が来たら…そう、追い込んでやりますよ！」 がおー。灯は精一杯怖い顔を作って両手を掲げて、貴方へ威嚇のものまねをする。家畜を追い込むのは得意なのだ。たくさんの空っぽの酒瓶が彼の心を表しているようで、できるなら、笑って欲しいと思う。

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@mochiinu1107 ……ぷっ。 その想いが届いたのか。その男の端が、どこか優しくつり上がった気がした。 「はは、嬢ちゃんにはどうも敵わねェらしいな。そんなら、一杯奢らせてもらおうかね」 彼が左手を押し出すと、見えるのは煌びやかな酒場の狂騒。 いらっしゃい、と声かける店主

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@mochiinu1107 小動物の様な小さな抵抗。だが、必死に噛みつき続けるそれに、狐だって根負けする事もある。狐は、物語に出てくるそれの様に気分屋だ。 「アンタ、灯って言うのか。珍しい名をしてやがる」 カウンターの、悪党が近づけなさそうな奥に灯を追いやると、彼はそう問うた。

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@lord_phRP 促されるままに奥へ行くと、ひっそりとした二人席がある。死角になっていて、ここならどんな話をしても大丈夫そうだ。 「灯、名前珍しいですか？」 確かに他では聞いたことの無い響きだと思う。それよりも、雰囲気も柔らかく話が出来るのがウレシかった。

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@mochiinu1107 「あまり他所じゃ聞かねェからな」 件の二人席に座ると、早速とロンリコはラムを注文する。 出てきたラムをぐいっと一呑みし、もう一杯を注文する間、ロンリコは怪訝そうな顔をする。 「アンタ、やる事があるんじゃネェのか？　俺に付き合っていいのかよ」

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@lord_phRP 灯は迷って首を捻ったあと、意を決して話し出した。 「あの、あの…！」 パンドラの謎の闇魔術師のこと、彼の情報を集めていること、他勢力の使者と情報交換すること。正直に話した。 もしかすれば、この人も何かしってるかもしれない、という期待を込めて。

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@mochiinu1107 「……ふぅん」 イヤに、冷酷な。そんな声だった。始めからぶっきらぼうな人ではあったが、それでも、これ程までに冷たい声が出せるものかと。 ぐい、最後に一口、ラムを煽ると、その男は続ける。 「どいつもこいつも、パンドラ、ねェ。全く何の因果があるんやら」

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@mochiinu1107 その表情はまるで、人間では無いような。 まるで、獰猛な、否、遠くから人里を眺める狐の様な、静かに、だが野生の表情だ その男は、最後にラムを一杯ぐいと飲み干すと、静かに、突き放す様に言う 「生憎だが、その使者なら来ねェよ。俺にも仕事ってのがあるんでね」

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@mochiinu1107 そこから先は早かった。ぱっと立ち上がり、コートを翻して店を出ようとする。振り返るなら、その隠れていた右腕が。ちらりとコートの隙間から覗くだろうか。 気のせいかもしれない。だが、微かに血を流すその腕は、人間のソレでは無かったような気がする。

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@lord_phRP 仕事、と小さく呟きその意図が知れた瞬間。ザワリと灯が毛並みを逆立てさせた。動物のように髪が膨らんで見えるほどに。 他勢力とはいえ協力者が殺されて黙ったままでいるほどお人好しでもない。 ただ、あんなに優しい目をした人と敵対しなくてはいけない現実が悲しかった。

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@lord_phRP そして、その瞳の奥の温度の低さに触れて震えそうなほどに凍えるのを耐えた。ここではダメだと理性が叫ぶ。被害が出るかもしれない場所で暴れるのはマズイ。 「本当は、一緒に笑いたいですけど、できないんですね」

灯＠大海戦、条約の邪紋 @mochiinu1107

@lord_phRP 強く警戒しながらも 期待した。無理と分かっても口にするのは愚か者のすることだ。でも。 「でも」 もしパンドラの全てが暴かれてこの人と自分が生きていたならその時は。 「それでも、貴方が優しい所を知ってしまったので」 きっと願わずにはいられない、と確信している。

灯＠大海戦、条約の邪紋 @mochiinu1107

@lord_phRP 「いつか、一緒に笑えるまで、それまでは敵同士ですよ」 いつかなんて日がいつ来るのかわからないけど、絶対に迎えようと思う。そのために頑張ろう。 去り行く背中を見ながら、一人で決めた。

灯＠大海戦、条約の邪紋 @mochiinu1107

@lord_phRP 長文失礼しました！ また、絡みましょう！«٩(*´∀`*)۶»