あなたは悪女に捕まりました

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加賀山かがり @kagayamakagari

「はぁい、こんにちは。あたしは――、うら若き乙女よ?」 「えぇ? その外見で乙女は無理があるって? いい度胸ね。ぶっ殺してあげようかしら?」 「まぁまぁそんなにびくびくしなさんなって。別にジョークよジョーク」

2016-03-26 22:53:24
加賀山かがり @kagayamakagari

「んもう、あたしは別に年のことを指摘されたくらいで怒ったりしないわよ。生娘じゃあるまいし」 「なんなのあんた、人のこと乙女は無理があるとか言っといてあたしが処女じゃないと幻滅するとか」 「悪いかよ、ですって? 最低よ、最低も最低よ。まぁそういう身勝手な最低さは嫌いじゃないけどね」

2016-03-26 22:54:29
加賀山かがり @kagayamakagari

「きらいじゃないからと言って、許すとは言わないけどね」 「なぁに、そんな態度で誤ってもらってもあたしには響かないわよ」 「どうしろって? そんなの決まってるじゃない。まぁ取りあえず土下座は確定として、」 「後はそうね、足でも舐めてもらおうかしら」

2016-03-26 22:55:02
加賀山かがり @kagayamakagari

「えぇ、その表情はありきたりだな、とか思っているのかしら」 「そんなことない、なんて焦っちゃって面白いわねぇ。いいわよ、足舐めは勘弁してあげる」 「その代わり、こう、させてもらうわね」  瞬間、ぐずりと――、の指先が男の白く、酷く柔らかく湿った眼球へと突き立てられる。

2016-03-26 22:55:32
加賀山かがり @kagayamakagari

「あはははっ、悲鳴なんかあげちゃって、面白いわ」 「あらぁ、どうしたのぉ?」 「えぇ何するんだって? そりゃぁ決まってるでしょお仕置きよぉ」 「あたしを馬鹿にしたんだからそれくらいは覚悟していたのでしょう?」

2016-03-26 22:56:15
加賀山かがり @kagayamakagari

「ふざけんな? ふざけんなですって? はぁ、聞いてあきれるわ」 「おかしいに決まってるじゃない、処女厨で身勝手で空気も読めない最低野郎は身の程も弁えていないんだもの」 「あらあら、怒鳴り散らして怖いわねぇ。でもダメよぉ? あんまり大声出すとあなたのこの眼潰すから」

2016-03-26 22:56:52
加賀山かがり @kagayamakagari

「あら、引いた? ドン引きした? ウフフ、ほんとに器の小さい男」 「返せですって? この眼球を?」 「別に返してあげてもいいけど、痛いわよ?」 「何を言っているのって、それりゃ嵌め直してあげるって言ってるのだけど?」

2016-03-26 22:57:20
加賀山かがり @kagayamakagari

「あらあら、嫌な態度ね。まぁこの眼球はあとで剥製液につけるとして――」 「そのキャンキャン吠えるうるさい喉も切り取ってしまおうかしら」 「あら、怯えちゃってかわいい。でも許してあげませーん」

2016-03-26 22:58:03
加賀山かがり @kagayamakagari

「さてさて、大丈夫よ。あたしはちゃんと魔法が使えるからね。さっきみたいな痛いことはしないであげる」  そういって、――は這いつくばって呻き声をまき散らしている男の喉元へと手を伸ばして、小さく唱える。  短い言葉に反応して――の指先が光り、ぐずりと男の喉へと突き刺さった。

2016-03-26 22:58:44
加賀山かがり @kagayamakagari

「あらあら、どうしたの、必死に逃げようとして。大丈夫よ、痛くないでしょ? だからすぐに終わるわ」  何かを捕まえた――は手をずるりと引き抜く。  その指先はデロリとした声帯をつまみ上げていた。

2016-03-26 22:59:32
加賀山かがり @kagayamakagari

「喉を丸ごと取っちゃうと見栄えが悪くなっちゃうからね、取りあえず声をもらったわ。さて次はどうしようかしら?」

2016-03-26 23:00:17