「ハレ晴レユカイ」の歌詞を音韻的に考察する-なぜ「限りなく降り注ぐ」から「不可能じゃないわ」へとつながるのか

畑亜貴さんの歌詞を分析して、作詞の方法論、教科書、模範として見てみたい。「ハレ晴レユカイ」のサビ「限りなく降り注ぐ不可能じゃないわ」をどうやって天才じゃない常人に書かせることができるのか。それを考えてみました。
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料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「魔法以上のユカイが 限りなく 降り注ぐ 不可能じゃないわ」ここも好き。

2011-02-02 01:07:40
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

あと問題はなぜ「限りなく降り注ぐ」のか、ということ。

2011-02-02 01:11:42
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

そしてなぜ「不可能じゃないわ」と言うのか。

2011-02-02 01:12:30
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

カぎりなく フりそそぐ→カ~フ~ を反転して圧縮して「フカのう」これかな。

2011-02-02 01:14:29
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「かぎリなく:ふリそそぐ」ここはリの押韻でつないでる。音数は「かぎリなく:ふリそそぐ」→「5音:5音」で同じ。押韻位置は「3番目:2番目」とリの音が移動されている。

2011-02-02 01:17:41
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

語数は同じでリの音で押韻してるから、これはかなり説得力のある押韻。だから押韻=魔法はこれで完成してる。「かぎりなく:ふりそそぐ」は関係がある。

2011-02-02 01:19:32
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

で、畑亜貴さんは「限りなく降り注ぐ」と言うフレーズにどんな音が後続すべきか考えたときに、それぞれの文節の頭の音をもってきた。すなわち「カフ」。「カぎりなく+フりそそぐ」からの「カフXXXXX」でもこれだと「カ~カ~」っていうすごく単純な頭韻に聞こえちゃう。魔法にならない。

2011-02-02 01:24:33
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

そこで音韻を「反転」させる。「倒置」といったほうがいいかな。「カフ」を「フカ」にした。それからイメージを足す。涼宮ハルヒなら「フカのうじゃない」と言うはず。

2011-02-02 01:26:48
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

今の論理を整理すると、「限りなく降り注ぐ不可能じゃないわ」というフレーズは、「かぎリなく」「ふリそそぐ」という対句的な押韻からスタートしている。押韻はリの音の位置を変えることによって隠蔽されているが、音数が同じだから、形式的ではある。

2011-02-02 01:29:38
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

それから次に「カぎりなくフりそそぐ」というフレーズの音韻的なエッセンスをとりだして「カフ」という音に圧縮する。つまり、「カフ」という音は「限りなく降り注ぐ」という音たちを意味している。最後に、「カフ」を倒置して「フカ」にいいなおし、押韻構造を隠蔽している。そして「フカのうじゃない

2011-02-02 01:33:29
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

かわゆい。やっぱりリンゴさんの絵はいやされる RT @rin5_ringo: 下書きなう。ポンチョ唯ちゃん。 http://twitpic.com/3vi0g9

2011-02-02 01:35:06
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料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「限りなく降り注ぐ不可能じゃないわ」はたぶんこんな感じでできてる。ちなみに最後のワの音はなんか怪しい。なんかの魔法がかかってる気がする。

2011-02-02 01:38:20
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

畑亜貴さんが禁酒なさるらしい。

2011-02-02 01:38:54
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

いちおう最後に指摘しておくと、「かぎりナく:ふりそそぐ:ふかのうじゃナいわ」のナの押韻にも注目。ここは複雑なので説明して共感してくれる方がいるかわかりませんが、いちおうこれから指摘しておきます。

2011-02-02 01:41:46
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「かぎりナく:ふリそそぐ:ふかのうじゃナいわ」ですが、これは今「文節」で区切っています。語学の話になりますが、「かぎりナく」は「かぎりない」という言葉の連用形活用なので語の単位としては1語となります。

2011-02-02 01:49:46
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「かぎりナく:ふりそそぐ:ふかのうじゃナいわ」中の「ふりそそぐ」とは「ふりそそぐ」という動詞の終止形です。これは単位としては1語と見なしてよいと思います。

2011-02-02 01:56:18
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「かぎりナく:ふりそそぐ:ふかのうじゃナいわ」の「ふかのうじゃナいわ」。これは「ふかのう(だ)」を否定「ない」して最後に語りかける乃至ハルヒの記号としての終助詞「わ」。の3語でできていると見なしていいでしょう。

2011-02-02 01:59:25
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

終助詞とは、まあ、なんでもかんでも最後につけると便利な記号で「わ」「じゃん」「よ」「ね」「よね」などがあります。これを使っている作詞者はふつう音韻的な詞の構成に自覚的であることが多いです。これは技法なのです。

2011-02-02 02:01:39
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

これは終助詞という技法。「みんなでどこまでもいけるネ」のネ。「願いながらすごしてたヨ」のヨ。「叶えてくれたのは誰なノ」のノ。ノは疑問を表しますネ?

2011-02-02 02:04:04
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「かぎりナく:ふりそそぐ:ふかのうじゃナいわ」話を戻すと、「ふかのうじゃナいわ」という文節には、否定の助詞「ない」とか終助詞「わ」というパーツをくっつけて文節を長めに引き延ばすというテクニックが使われています。

2011-02-02 02:07:07
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

1文節あたりの音数を水増しすることができます。「かぎりナく:ふりそそぐ:ふかのうじゃナいわ」→「5音:5音:8音」これが終助詞をつかうことの効果です。念のため言いますが、1音の増減があるだけでも押韻的な効果はあれわれるので、終助詞は重要です。水増しのテクニックとして。

2011-02-02 02:10:25
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「かぎりナく:ふりそそぐ:ふかのうじゃナいわ」ここで、それぞれの文節でナの音の出現する位置に注目すると、「かぎりナく:ふかのうじゃナいわ」→「4番目:6番目」となっています。

2011-02-02 02:12:56