#孤独のグルメごっこ　【大阪市中央区「SENBAかつら亭」の「山かけそば定食」】

想 詩拓@文芸サークル『文机』 @sou_sitaku

#孤独のグルメごっこ　語らねばなるまい……(=_=)

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#孤独のグルメごっこ　【大阪市中央区「SENBAかつら亭」の「山かけそば定食」】

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#孤独のグルメごっこ　職場が変わって、昼食を食べる店の選択肢も変わった。御堂筋沿いとなればより取り見取りだ。選択肢が多すぎて、初日には地理に明るくないのも手伝って、３０分も店探しに費やしてしまいコンビニ弁当に落ち着いてしまった。

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#孤独のグルメごっこ　大阪市街の中の地下鉄駅は出口が様々な企業につながっており、地下鉄改札から出口までの通路にはサラリーマンの腹を狙って定食屋が軒を連ねている。定食のサンプルを並べているのは地下街の飯屋ならではだ。

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#孤独のグルメごっこ　なんとなく蕎麦が食べたかった。暖かいものではなく冷たいもの。つゆにつけて食べるものだ。そこに日替わり定食としてだされていた「山かけそば定食（700円）」を見かけて、「ああ、ここだ」といつになくスムーズに店が決まった。

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#孤独のグルメごっこ　冷たい蕎麦は案外時間がかかるが、日替わり定食なのでさっさと出てくる。ありがたい。定食の中身はとろろのかかった冷たい蕎麦が入ったどんぶりに生卵が落とされ、蕎麦つゆがそえられている。定食として小鉢、漬けもの、炊き込みご飯。小鉢がうれしい。

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#孤独のグルメごっこ　ところが、この山かけそばがわりと難物だった。割り箸でなく、洗っておいてあるタイプの箸のせいでもあるのだが、とにかく滑る。とろろで滑る。持ち上げられず、蕎麦つゆに蕎麦を移動させようとすると皿の周りにぼたぼた落ちる。

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#孤独のグルメごっこ　それに生卵。つゆと一緒に絡めて食べようとすると、黄身が絡んだ状態にしてつゆにつけ、食べなければならない。このただでさえぬるぬるつかみづらい蕎麦でそれをするのは、難易度が高い。黄身をシャツにこぼすリスクはあまり犯したくない。

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#孤独のグルメごっこ　ふと、気が付いたが、カウンター席の隣の女性も同じ「山かけそば定食」を食べている。しかもスマホを見ながら、全く食べづらい様子もなく蕎麦を啜っている。このぬるぬるつかみづらい蕎麦で片手を使わずに食べるとはなんという箸使いか。

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#孤独のグルメごっこ　どのように食べているのか気になって視線をそちらにやった。そして全てを悟った。

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#孤独のグルメごっこ　俺は蕎麦をつゆにつけて食べていた。女性はつゆを蕎麦にぶっかけて食べていた。

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#孤独のグルメごっこ　俺は食べ方を間違っていた。つゆの入った容器はどうもつゆをつけるものにしては大きかった気がするし、ねぎ、わさびの薬味も最初から蕎麦のどんぶりの中に入っていた。そもそもそばがどんぶりに入っている時点で気づけよ、と自分にツッコミたい。

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#孤独のグルメごっこ　かくして俺は残ったつゆを蕎麦にぶっかけ、どんぶりから直接蕎麦を啜ることでぬるぬるつかみづらい蕎麦を攻略したのだった。

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#孤独のグルメごっこ　【大阪市中央区「SENBAかつら亭」の「山かけそば定食」　完】

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#孤独のグルメごっこ　追伸。池波正太郎の小説（正確にはそれを原作とするさいとうたかをの漫画）では、蕎麦を食べることを「蕎麦を手繰る」と表記するところがあった。大変粋を感じていて使いたいと思っているのだが、使っても違和感しか残らない。大変残念である。