子ども時代に「対等な関係」を学んでおくことの意義

社会でやっていくためには、子どもの時に、親と子、先生と生徒という上下関係だけでなく、友人同士の横の関係を経験することが大切であることを書きました。
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松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

ゲーム中のお子さんの問題行動について、先日このTogetterのなかで「論理的帰結を演出」するというテクニックを紹介しましたが、この他にもう一つ、「他の子を動かす」という方法があります。togetter.com/li/958951

2016-04-10 14:21:07
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

たとえば、ある子がゲーム中、「う◯こ~」とか「ち◯ぽ~」とか汚いことを言って場を壊そうとする。子どもたちをよく観察しているとそういう時に苦虫を噛み潰したような顔をしている子がいます。そういう子におもむろに「なんか嫌な顔してるけど、どうしたの?」と聞いてみる。

2016-04-10 14:23:41
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

すると「◯◯君が汚いこと言うからヤなの」といったような答えがあるので「嫌だったらちゃんと言ったほうが良いよ」と伝える。その子が「◯◯君、汚いこと言うの、やめて」と言う。言われた子はハッとします。先生が直接注意するより何倍も説得力があります。

2016-04-10 14:26:28
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

このやりとりは、注意された子にとっては、汚い言葉を使って他人の注目を集めようとしたのが実は不愉快にさせていたことに気づくきっかけになりますし、注意した子にはとっては、不愉快なことをきちんと言ったら相手に伝わったという経験になります。

2016-04-10 14:29:23
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

注意される側の子にとって、権威も力もある先生から注意されるより、対等の立場の友達から注意されるほうが実はキツイ。なぜなら、先生からの注意をいくら突っぱねても先生は先生のままでいてくれますが、友人からの注意を突っぱねたら、突っぱねた相手が友人でなくなる可能性があるからです。

2016-04-10 14:38:13
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

親と子、先生と生徒といった上下関係は、当事者の意志で解消できないので、お互いに無理を言っても大丈夫という一種の安心感がある。ところがどちらか一方が望めば関係解消ができてしまう対等な友人関係では、無理を言ったら自分との関係を解消されるかもしれないという恐れがつきまとう。

2016-04-10 14:51:36
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

一方が望めばいつでも解消できるような対等な関係性において、破綻を避けつつ自分の言い分をできるだけ通すためには、自分と相手の状況に正確に観察する必要があります。つまり、お借りしたRT先で羽生さんが言う「メタ認知」と「思いやり」です。 twitter.com/ikedaosamu/sta…

2016-04-10 15:07:01
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

目線を実社会に転じてみます。仕事・恋愛・結婚。こうした場で結ぶ人間関係は、解消できない親子のような上下関係か、解消可能な友人のような対等な関係か。これは明らかに後者の要素が強い。というか、時代の流れとして、前者から後者へと代わってきていることがわかるでしょう。

2016-04-10 15:11:39
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

会社と社員、男と女、夫と妻。かつて容易には解消しがたい上下関係だったものが、いつでも解消可能な対等な関係にシフトしてきた。言い換えればほとんどの対人関係が「合意形成」の産物になってきた。結果、対等な関係構築に欠かせない「メタ認知」「思いやり」が常に必要になってきてしまったのです。

2016-04-10 15:22:23
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

例えば大学生の就職について、この辺りの消息が上手に記述されているのが宮台真司著「就活原論」です。宮台さんはこの本の中で、就職できない学生の特徴として、以下をようなことを挙げておられます。

2016-04-10 15:35:08
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

①限界を試したことがないのでビビりがちだったり、②同じ理由でお門違いの自己実現欲求を抱いていたり、③どんなボタンを押すとどんな社会過程が動くのか知らなかったり、④他者の構えに鈍感な学生

2016-04-10 15:35:22
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

参考までに望ましい学生像としては下記の要素が上げられています。①ビビらずに限界ぎりぎりまで挑戦でき、②限界を知るがゆえに高望みせず、③様々な社会的手順に通暁し、④コミュニケーションにおいて相手が何を求めているのかを的確に把握してうごける

2016-04-10 15:36:43
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

「限界を試したことがないのでビビりがち」というのは発達障害のある人にも当てはまることだと思うのですが、ここでいう限界というのはコミュニケーション経験の限界を指すわけです。「相手は怒るかもしれないけど、必要なことだから言った」「嫌われるかもしれないけど自分をさらけだしてみた」とか。

2016-04-10 15:46:58
松本太一@放課後等デイサービスコンサルタント @gameryouiku

こういう「コミュニケーションの限界を体験」というのは、親とか先生相手じゃ決してできません。友達同士の対等の関係で「失敗したら相手との関係が壊れるかも」という危険があって初めて体験できるものなのです。

2016-04-10 15:50:51