「萌え」についてのあーだこーだ

@30orz

@ichiro_sakaki お忙しいところ失礼します。ネットでラノベを書いている者なのですが、先生に一つ質問がございます。ラノベの賞で「萌えがない」が落選の理由になることって、多いんでしょうか？ ネットの物書き仲間で出た疑問なのですが、答えが分かるはずもなく……

榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@30orz 全てのラノベの新人賞の現場を知ってる訳ではないので、あくまで「私の知る限り」ですが。そもそも「萌え」をどう捉えるかの問題にも絡みます。一般的に「萌え」というのを「ちょっとエロい感じの、あるいはあざとい感じの女性キャラ人気」と捉えている人が多い様な気がしますが、

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@30orz そういう意味では「別に萌えが無くても面白ければ全く問題なし」です。そもそも「萌えるかどうか」は個人的な嗜好による所が大きいもので。ただ、「萌え」というのを「魅力的なヒロイン」と解釈するならば、「魅力的なヒロインの居る作品は当然に受賞率は上がる」という事です。

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@30orz ついでに言っておけば。「物凄く目新しくて魅力的なヒロイン」の存在は、多少の構成や世界観の不備をぶっ飛ばす位に読み手を愉しませますから、そういう意味では「類型に填っているか否かはさておき、読み手が『うおお、この子かわええ！』と興奮する」様なヒロインは強力な武器の一つ。

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@30orz しばしば私は小説書きを車に喩えますが、例えば「萌え」というのは車の装備の一つと考えて下さい。例えばカーステレオ。今は装備していて当たり前のものですが、じゃあ、カーステレオが無い車は車として販売されないのかと言われるとそうではなく（例えば三菱のジープとかね）。

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@30orz むしろそういうストイックな車を求める人は居ますし。知り合いに車好きが居ますが、彼なんかは、車体の軽量化の為に、内装のクッションまで外してましたが、そういう嗜好もあって。ただ、そういう極北な感じの代物は、極北だから――徹底している上に、他の追随を許さない程に

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@30orz 突出しているから需要がある。つまり、「今のラノベじゃ装備しているのが殆ど当然と化している萌え」について、「無くてもいいけど、無いと売りにくいよね」という編集判断が当然に生じますし、その上で「でもこの人はそんなの無くても凄く面白いからいいぜ！」となると受賞、あるいは

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@30orz 「この人、萌えは装備してないけど、作風からして器用そうだし、受賞作を手直ししたり、２作目の時に萌えキャラを要望したら入れてくれそう」と判断したら、それも当然受賞しますが、逆に「ああ、この人、萌えとか毛嫌いしてそうだなあ」「それが無くても面白いんならいいけどこれでは」

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@30orz あ、ついでに。「萌えばっかり書いてて恥ずかしくないんスか」だと！？　「媚びまくり乙」だと！？　人気商売の作家が読者に媚びなくてどうするよ！　つか「萌え」って純然と技術的に見ると学ぶべき所多いんだぜ！！　萌えを馬鹿にするな、うわーん！　――とお伝え下さい（笑）

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というか、ちと「萌え」の話。

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面白い事に、萌えってのは意外と人によってとらえ方が違う（ああ、属性の違いがどうのとかそういうのではなくて）ので、その解釈によって、作家性が出たりする。

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突き詰めていくとかなりややこしくてヤバイネタに行き着いたりするので、ツイッターで細かくは言えませんが（誤解されかねん）。あるラノベ作家さんが、「萌えとはつまり、『あれは可愛いと僕は想う』という自己表現である」と言っていて、これは私の持論とは違うけど、面白い解釈と思った。

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つまり、「あれは可愛い」ではなく「あれは可愛いと思う」という「思う」の部分が重要。可愛いかどうかが真実である必要は無くて、あくまで「僕はあれを可愛いと思う嗜好を持っています」という、カミングアウト装置（オタク同士のコミュツール）として「萌え」という言葉は機能している、と。

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更に言えば「僕はそう思う」だけであって、他人が「あれはかわいいと思わない」という意見と、軋轢が生じない（相手を否定しない）。本当に可愛いかどうかが問題なのではなく、「僕はそう思う」という意思表示が問題だから。コミュツールというのはそういう意味ね。

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「つまり観測者理論ですよ！　観測者の存在があってこそ萌えは成り立つのです！」って事らしいが（萌えの本質はだから、そのキャラそのものにはない、という見解。あくまでそのキャラを見た人間の心の作用がその本質）。萌えに量子論とか持ち出すとは流石、理系。

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@30orz @KFusho いやまあ、真面目な話、萌え云々は「飛び道具」だったりするので、「真の強さを目指そう」って人が「あれはちょっと」と嫌がるのは当然なんですがねｗ　格闘技を究めても銃を持った敵に勝てない場合、じゃあ銃なんか無い領域で戦うか、銃も手にするかの違いかと。

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ともあれ、萌えも私がよく言う「レッテル貼って分かった気になっちゃう」モノの一つで。消費者側（読者・視聴者側）だと別にそれで何の問題も無いんですが、逆手にとるとか、乗っかるとかして「仕事にしよう」って側は、「何となく分かった気になってる」だけじゃまずいわな、と。

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正しいかどうかはさておき（諸説あるだろうし）、自分が安定してそれを武器として使う為には、それを自分なりに理解して整理しておかないといけない。その意味で「萌えっていうけどつまり何よ？」っていうのを、自分の言葉で説明出来るかどうかってのは重要で。

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それなりに現役で頑張ってる物書きは、割と、尋ねると即座に自分なりの解釈が返ってくる事が多いんですよね。普段から理屈づけてなくても、何となく自分の中にある理解を、即座に言葉にして出してこれる。

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逆に、萌えが苦手である場合でも、では「苦手である」という事実を突き詰めていくと、逆に萌えが分かって来たりする場合も（つまり外側から埋めると、輪郭が見える、みたいな）。

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例えばですが、「萌え」が苦手である作家自身の感覚を、そのままダイレクトに主人公に導入。「いまいちあの萌えってのが分からなくてよ」とか言ってる主人公が、何故か、ゲームか何かから出てきた萌えキャラに囲まれて困惑する話とか。主人公が萌えを自分なりに理解していく過程を

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そのまんま、ドラマとして描く（萌えキャラヒロインを一人の少女として受け入れる）と、それはそれで一本の話に――ってここまで書いて気付いたけど、あわむらさんの「あるいは現在進行形の黒歴史」がまんまコレか？

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まあ、本質は違うのかもしれんけど＜黒歴史　　いずれにせよ、「逆手にとる」方法もあるでよ、という話＜萌えが不得意

小林不詳 @KFusho

@ichiro_sakaki 適当な言い方が思いつかないのですが「いわゆる萌えキャラ」のイメージとして、他キャラとの関係性に頼るまでもなく読者をひきつけて離さないようなイメージがあります。自分の場合（だからどうしたって話ですが）

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@KFusho ああ、そういう理解も在り得ますね。でも逆に言うと、それは多分、「ハンバーグってなに？」と問われて、そのハンバーグ本体を思い浮かべる様なもんで。でも料理として見た場合は、付け合わせのニンジンとかソースとか、そういうのも全部噛み合わさってのものでしょうから、