若者文学における「居場所」の話 ――学内と空き地とその中間、部活ものとアイドルもの

TLに流れてきた言説から始まったトーク群を採録。「今の若者向け小説は学校という空間内で展開が完結している場合が多い」という発話が流れてきたので、そうだとしてそれを構成する環境条件の変化とは――というような話をし出したというログです。 なおtwilogに保存されていた、つまり自分が少なくとも自分がRTしたツイートまでしか載せてません。また最後の方のは本まとめ作成のきっかけになったログで、時間が離れている。
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山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

芦辺拓さんのところで盛り上がってる話題。昔の児童小説では主人公たちの学校生活がほとんど描かれなかったのに、何で今のライトノベルなどでは事件の大半が学園内で起きるのか。  これ、僕も以前から気になってた問題なんだよね。 twitter.com/ashibetaku/sta…

2015-10-21 12:56:02
芦辺 拓 @ashibetaku

そういえば小林芳雄と少年探偵団はもとより西條八十の白ばと組も、高木彬光の古沢姉弟も学園生活が描かれたことはない。森下雨村の池上富士夫は探偵事務所の社員だし、横溝正史の御子柴進は新聞社の給仕だし。いつから、そしてなぜ少年少女が物語の中ですら学園に呪縛されるようになったのか。

2015-10-21 10:57:25
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

@hirorin0015 僕の場合、たとえば『妖魔夜行』の摩耶なんかは、高校生だけど学校生活をまったく描いていない。それどころか、彼女は途中で学校をドロップアウトし、家も飛び出して、自活するようになる。

2015-10-21 12:59:28
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

@hirorin0015 『私は十代の蜘蛛女だった』の場合は、湧ちゃんの高校生活はちらっと出てくるけど、事件のほとんどは学校の外で起きている。  何で学校内を舞台にしなかったかというと、理由は簡単で、「学校の中に舞台を限定すると制約が多すぎる」からだ。

2015-10-21 13:01:21
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

@hirorin0015 たとえば学校内で殺人事件とかが起きたら、話題になってマスコミも殺到するだろうし、登場人物が身動きとれなくなる。  事件をもみ消すにしても、放課後の校舎内でもけっこう生徒は残ってるわけで、どうやって人目にふれないようにするか、考えなくちゃいけない。

2015-10-21 13:05:29
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

@hirorin0015 ところが現代のライトノベルだと、現代日本だけでなく異世界の話でさえ、主人公が学園に通ってるという設定が多い。しかもたいてい寄宿学校で、外に出るのは侵略者と戦う時ぐらい。ほとんど学園の中だけで話が進む。

2015-10-21 13:09:28
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

@hirorin0015 前に自分のブログで取り上げた『僕の妹は漢字が読める』の場合、23世紀からタイムスリップしてきた主人公が、なぜか(漢字も読めないのに)高校に入学する。何の必然性があるのか分からないし、話が面倒になるだけだと思うんだけど。

2015-10-21 13:12:08
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

@hirorin0015 で、ふと思ったのは、今のライトノベル作家の人たちの意識は僕らとは逆で、学園内の外を舞台にした方が「制約が多い」と感じるのかな、ということ。学園内に話を限定した方が、彼らにとっては「自由」に思えるんだろうか。

2015-10-21 13:15:35
山本弘 『BIS ビブリオバトル部』 @hirorin0015

@hirorin0015 なお、今の小説の子供たちがみんな学校に呪縛されてるわけじゃない。小路幸也『怪獣の夏 はるかな星へ』は、1970年の日本を舞台にした『少年探偵団』テイストの怪獣もので、「こんな手があったか!」と感心した。 amazon.co.jp/dp/4480804587

2015-10-21 13:21:18
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

ラノベ内部における内的な発展という観点をとりあえずさておいて現実のモデルの方を考えると、「当時」と「今」で明らかに異なりそうなのは、少なくとも都市部では今世紀頭辺りから、学校なるものがゲーティッドなコミュニティとされていっているということが挙げられそうではありますね。

2015-10-21 21:06:27
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

部外者は(物理的に)入れないし、直接の関係を持たない大人が生徒に話しかけるとスムーズに治安機構(PTAか警察かその他の)の警戒が発動するようになっている。

2015-10-21 21:09:05
スドー🍞 @stdaux

「学園生活が共通体験ではなかった時代」から、「学園生活が唯一の共通体験となる時代」への移り変わりというのはどうだろう。高校進学率がようやく9割を超えたのは1970年代のことで、高校内を舞台にするだけで切り落とされる読者層がいた

2015-10-21 21:13:24
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

ジュブナイルとかヤングアダルトとかそういうジャンルの時代には言えそうですが、ラノベというジャンルの時代にはどうですかね。端的に言えば90年代以降ということになるんでしょうが。書き手の側の意識というのもギリギリ合わなそうな気がする(9割を超えて以降の世代っぽいし)。

2015-10-21 21:16:10
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

でも大学観はかなり変わりそうですね。>90年代から10年代にかけて

2015-10-21 21:16:47
八索 @pa_so

単純に、子供が特に目的を持たずにたむろ出来る、ドラえもんにおける空き地的なスペースが年々消滅しているのがでかいんじゃないかなぁ。

2015-10-21 21:19:56
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

いわゆる補導を受けるようなアクションを取った時の被捕捉率とかも上がってるのかしら

2015-10-21 21:21:22
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

中学生や高校生の場合どうかっていう論点

2015-10-21 21:23:01
スドー🍞 @stdaux

就労年齢という点で見ても、かつては10代の少年が学校という制度の外で大人相手に丁々発止の冒険をするということに一定のリアリティがあったのでは

2015-10-21 21:22:38
八索 @pa_so

今や学校外で大人や他校の子供と接触するというシチュエーションを描こうとすると、いちいち理由付けをしないといけない

2015-10-21 21:22:19
--- @vanaheimr

〔↓以下の内容のツイートをRT〕 少年少女と学校の話だけど、アイマスの「事務所」ってシステム、いろんな人間を突っ込めるから割合に便利だ。

2016-04-12 22:16:04
八索 @pa_so

実際ラノベで無難な舞台を選ぼうとしたら、学校かネットか異世界かみたいなところはある。そちらの方がコストが低いのだ

2015-10-21 21:25:30
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

「空き地」という具体的なものはあくまで象徴として、少年少女がいられる「空」間が減っている、という総論はしておいて問題なさそうとは思う

2015-10-21 21:26:41