枡野浩一、歌壇に向けて語る(斉藤真伸氏による『みぎわ』二月号「時評」を機に、田中槐氏に宛てて)※更新終了

歌人・枡野浩一、自らと歌壇との関係について語る。 枡野浩一さんと田中槐さんとのやりとりに呼応して、あの方や、この方まで! 【更新情報】2011-02-09 16:09:33 のツイートまで収録しました。ひとまずここで更新は終了とします。
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枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

短歌の結社誌で、珍しく枡野浩一のことを正面から書いてくださった歌人がいます。しかもその記事を親切な歌人が郵送してくださいました。有り難く拝読しましたが、自分は歌壇に向けて、まるで言葉を費やしてこなかったなーと痛感。短歌について少し長く書こうかとも思うけど、そんなの読みたい人いる?

2011-02-02 06:44:55
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

短歌の話は今回、歌壇にいる歌人に向けて語りたいような内容なので、田中槐さん @enjutanaka 宛にツイートさせてください。短歌に興味のない全国一万人のフォロワーが見なくて済むように。短歌に興味のある人は田中さんと枡野を両方フォローすると読めます。どうぞよろしくお願いします。

2011-02-02 10:07:33
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka 田中槐さん。「みぎわ」二月号の斉藤真伸さんによる「時評」を送ってくださってありがとうございます。斉藤真伸さんは笹公人さんの短歌投稿ブログによく寄稿されている方ですね。フェアな文章を有り難く拝読し、考えたことが色々あります。長くなりますがおつきあいください。

2011-02-02 10:17:43
田中槐 @enjutanaka

@toiimasunomo 急にフォロワーが増えたと思ったらこういうことだったのですね。枡野さん、ありがとうございます。一緒に考えたいと思います。ちょっときょうはこれから出かけてしまうので、対応遅くなるかもしれませんが、まずは拝聴しますね。

2011-02-02 10:30:18
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka 斉藤真伸さんは、枡野の短歌観は自分のそれとは相容れないがと断わった上で、《ここ十年ほどの口語短歌の隆盛の、すくなくとも数分の一は、枡野の功績》《しかし、口語短歌や若い世代について触れた評論などで、枡野の名が挙がることは少ない》という現状分析をしています。→

2011-02-02 10:37:13
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →確かに、ネットでは毎日のように感想が増えている『ショートソング』のことが、市販の短歌誌で語られているのを見たことがありません。一度だけ、加藤千恵さんが書いてくれたことはあり、そのページを責任編集したのは天野慶さんでした。二人とも私とは縁の深い歌人です。→

2011-02-02 10:45:08
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →以前「短歌ヴァーサス」誌に載った「愛について」という連作が、別の短歌誌で評されたことがありました。掲載時に荻原裕幸さんが監修してくださったため仮名遣いのまちがいはなかったのですが、なんと、批評で引用されていた枡野の一首は仮名遣いがまちがっておりました。→

2011-02-02 10:51:01
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →ミスしたのは引用者なのです。ご丁寧にも「ママ」とルビが振ってありました。原文のまちがいをそのまま載せました、と伝えるための記号です。編集部に抗議する気も起こりませんでした。枡野浩一なら当然まちがえるだろう、といった悪意の先入観を感じてしまったからです。→

2011-02-02 10:55:39
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →その前にも岡井隆さんのエッセイ集に引用された枡野浩一の短歌の、およそ八割に誤植があるという事件もありました。版元は朝日新聞社、編集担当者は著名な歌人でした。そのせつは直接は関係ない田中さんが各方面にフォローしてくださったようで、ありがとうございました。→

2011-02-02 10:59:31
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →そのようなことが続いて私は「歌壇」に期待しなくなりました。とはいえ歌壇を仮想敵として、挑発的な『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)などを書いたのは自分なのです。拙著を読んで、自分たちの仕事が否定されていると感じない歌人は少ないでしょう。お互いさまです。→

2011-02-02 11:02:50
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →角川短歌賞の「最高得票落選」を売りにして、「特殊歌人」なる肩書でデビューした私ですが、のちに岡井隆さんとも公開対談しましたし(「母校」の専修大学にて。司会は荻原裕幸さん)、歌壇に対する憎しみは薄れていきました。ネットで交流を深める歌人も増えてきました。→

2011-02-02 11:08:16
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →しかし……と、ここで「みぎわ」の時評に話がやっと戻ります。私は斉藤真伸さんが指摘してくれたように、《「技術論」》を歌壇に向けては語ってきませんでした。語る場が与えられなかったという事情もあります。しかし語りたいとも思っていなかった。それはなぜでしょう?→

2011-02-02 11:12:30
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →じつは、「語っていないように見えて、語っているのだ」という言い方もできると思っています。拙著『かんたん短歌の作り方』や『一人で始める短歌入門』(ちくま文庫)は、枡野浩一流の「技術論」を語った短歌入門書です。その本の存在は斉藤真伸さんも知っているらしい。→

2011-02-02 11:21:54
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →ただ斉藤真伸さんは、それを「技術論」とは認識しなかった。《「技術論」の部分が弱すぎる》と、まとめています。けれど私自身は弱いとは思っていないのです。ここに「歌壇」と「枡野派」(黒瀬珂瀾さん他のユースト放送で出た言葉)の、大きな断絶があると感じています。→

2011-02-02 11:27:38
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →広告界で活躍する高崎卓馬さんと公開対談したことがあります。高崎さんは『かんたん短歌〜』の要点をスクリーンに映し、広告コピー講座をやってくれました。それは広告を仕事にしたいと考える若者たちには大好評でした。つまり拙著の「技術論」は広告に応用できるのです。→

2011-02-02 11:33:11
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →「技術論」ではなく「精神論」に見える部分も多いかもしれません。が、私が短歌に必要と考える「技術」とはそういうものであり、それ以外は個々の作品に即してしか言えない、と考えてきました。この法則を利用すれば良い歌になる、みたいな作り方を皆は知りたがりますが。→

2011-02-02 11:36:22
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →そんな作り方をしたとたん作品は死ぬのだと思います。歌壇の歌人に理解されにくいことがあるとすれば、私が「人気」を参考にしていることでしょうか。むろん自分で納得できる完成度でなければいけませんが、「人に支持された」事実が私の場合は「完成」の指針になります。→

2011-02-02 11:41:08
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →「人に支持された」ことを参考にするのは、本当は歌壇の歌人も同じでしょう。岡井隆に支持されたからよし、と。私自身は「短歌を自分では詠まない人に届いた」ということを重視してきました。そういう意識のない歌人には、技術が弱い歌、に見えてしまうのかもしれません。→

2011-02-02 11:48:00
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →枡野浩一の短歌でも、「難しくてわからない」と言われることは度々あります。要は「読者をどこに持とうとしているか?」のちがいなのだと思います。通りすがりの気まぐれな読者を振り向かせる短歌の技術と、短歌を愛する歌人たちに云々される短歌の技術は当然ちがいます。→

2011-02-02 11:53:12
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →以上のような説明を、歌壇にいる歌人たちに向けて話しても、しょうがないと考えてきました。私の本は常に「歌人ではない人たちに宛てた短歌の本」です。まあ、短歌を読んで面白がった人は、往々にして短歌を詠む人にもなってしまうため、そこに矛盾は生じるんですが……。→

2011-02-02 11:57:39
@satosi83

枡野浩一さんの田中槐さんへのツイートを興味深く読んでいる。誰に向けて歌は詠まれるのか。

2011-02-02 12:07:45
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →私は音楽ライターから文筆仕事をスタートさせました。当時「カステラ」というバンドの詞に衝撃を受け、その周辺のバンドについて批評を書いて投稿したことで、編集部に拾われました。カステラの歌は当時バカにされていましたが、技術的に完璧な詞だと今でも思っています。→

2011-02-02 12:08:10
枡野浩一(歌人さん)▼8刷『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』 @toiimasunomo

@enjutanaka →けれど歌われている出来事や気持ち、歌声や諸々の音楽性が肌に合わない人には、その「技術の高さ」が価値に感じられないようでした。そんな経験から私は「完成度の高さはひとつではない」という考えを持つようになりました。これも歌壇の歌人には理解されにくい考えです。→

2011-02-02 12:16:24
田中槐 @enjutanaka

@toiimasunomo 枡野さんにお願いです。できれば過去の経緯について書かれるときに具体的な年数などを書き加えていただけるとありがたいです。たとえば角川短歌賞の落選は1995年ですね。

2011-02-02 18:09:07
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