小学校の国語で〈日本語〉はどのくらい教えられているかⅥ

小6の国語教科書分析はこちらでも一度やってるので参考までに http://togetter.com/li/959449
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It happens sometimes @ElementaryGard

小学校の国語で〈日本語〉はどのくらい教えられているかⅤ - Togetterまとめ togetter.com/li/962408 @togetter_jpさんから

2016-04-15 11:11:39
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3)小5ではこんな風に説明されていた。 pic.twitter.com/fiGsuRUxTK

2016-04-15 12:05:06
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5)敬語が日本史のなかでどう形成されていったのかを論じたものはいくつもあるのに、国家によってどう制度化されたか、つまり誤用であるか正用であるかの判断がどういう体系によって判断されるようになったのか、その体系はいつどうやって開発されたのかを知りたいし、子どもに教えて損はないのでは。

2016-04-15 12:21:52
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6)日本語史の視点がどうして国語には薄いのだろう。これがないと〈国語〉から〈日本語〉へのパラダイムシフトが効かず、外国語学習にあたってずっと天動説に縛られ続けることになるのに。

2016-04-15 12:24:54
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7)いやそもそも「史」なるものも近代の行為。例えば日本美術史なるものは、実は明治期に欧米列強の万国博覧会に日本の物品を送り込むにあたって日本おたくのフェノロサ&岡倉天心が短期間で書き上げた展示用カタログがもとになっている。

2016-04-15 12:28:00
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8)そのカタログから漏れた(というか外された)ものは美術とはされなかったのです。

2016-04-15 12:28:56
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9)後進国・日本がなんとか欧米列強に一目置かれる(=断じて植民地にされてたまるか根性)ためになりふりかまわずアピールするために。

2016-04-15 12:30:28
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10)〈国語〉の整備も同じような近代の要請による。薩摩モンも会津モンも、同じ〈日本人〉という同朋意識を抱くよう、そして国家を支える〈国民〉となるよう、〈国語〉と〈歴史〉が刷り込まれた。明治に始まった国家事業。

2016-04-15 12:34:23
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11)沖縄がことあるごとに日本政府に盾突きながらも日本からの独立は望まず、〈日本人〉を捨てて〈琉球人〉をアイデンティティにしようとはしないのも、明治に始まったこの刷り込み事業の成果といえますね。

2016-04-15 12:36:22
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12)国語の授業は、どうしてもこういう国家の欺瞞が混じるのです。実は明治になって国家によって強引に正統/傍流の判断がなされ人工的に整備されたものを、まるで古から自然に進化し洗練されたものであるかのように教えこむのだから。

2016-04-15 12:46:55
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13)「-を見ると」「ーに目を向けると」 この「と」は接続助詞といいます。日本語には接続詞なんてものは実質的にはなくて、この接続助詞こそが論理関係を表しています。 pic.twitter.com/L06zDKPbjK

2016-04-15 12:51:18
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14)接続詞については小四の後半で習う。もっともらしく書かれてますが、日本語の接続詞は実のところ論理関係を司るほど厳格には働いていない。 pic.twitter.com/guZ0jB88yW

2016-04-15 12:54:15
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15)英語などのヨーロッパ系言語なら、接続詞がそのまま記号論理学の論理記号に置き換え可能なのですが(そうならないケースもけっこうあるとして)、日本語では接続詞がそこまで論理的には使われない。試験問題で接続詞の穴埋め問題用に使われる文はむしろ例外。

2016-04-15 12:56:52
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16)「-を見ると」の「と」は接続助詞。しつこく念を押しておきます。で助詞が接続詞も兼ねてしまうためか、論理関係がどうしても緩くなりがちです。 pic.twitter.com/rduFiWjEW4

2016-04-15 12:58:42
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17)日本語では述語が文の末尾に来るのが鉄則→そして述語を幹に目的語や主語や補語などが加わる構造→この構造を支えるために助詞が機能している→そして助詞が接続詞も兼任する→その結果論理を語るのが不得手な言語になる 以上の因果関係を小学生にわからせるのはハードルが高いか。

2016-04-15 13:02:24
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18)「せんせー述語が日本語では王様なのに、文の頭に来ないのはおかしいんちゃいますかー」「うーんいい質問ね大阪さん。トリはもっと後にでるんやよーと客席にサインを送る機能が助詞にはあるのよ[続く]」

2016-04-15 13:09:21
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19)「[続き]例えば『歯を』と切り出すでしょ。ここには『を』という助詞があるから、聞き手は『ああ述語はもっと後に出てくるんやな』を先を予想するわけ。で次に『きれいに』と続くと、『に』という助詞があるから聞き手はまた『ああ述語はもっと後やな』と思うわけ。[続く]」

2016-04-15 13:11:36
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20)「[続き]そしてようやく『磨きましょう』が出てきて、『しょう』は助詞ではなくて助動詞だから、聞き手は『ああやっと述語が出てきた。これで文が締めくくられるんやな』と判断できるわけよ」

2016-04-15 13:15:14

「つまりこうやって助詞を使うことで、王様であるはずの述語が一番後ろに回っても問題ないようにできてるわけよ。というか一番後ろに回ったほうが合理的なのね」

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21)「わかった?」「頭悪くてわかんないです」 pic.twitter.com/sMAbREhX7i

2016-04-15 13:16:12
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22)小学生相手にここまで高度な授業はさすがに無理かな。それでも教える側はこのくらい理解していてほしいし、そういう理解を前提にした国語の教科書であってほしい。後々外国語学習の礎になるのだから。

2016-04-15 13:18:20
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23)というか外国語を習いだしてはじめて自分たちのことば(母語)の構造にいかに今まで無関心だったか思い知らされて、そこから学びなおす気になるよう誘導できるようなカリキュラムを中学の英語と国語でできないかなーと考え中。

2016-04-15 13:19:35
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24)また話が大きくなってしまったので小6国語教科書に戻ります。さてこのページでようやく外国人がデビュー。日本語を母語としない〈他者〉の目に、私たちにとって体の一部となっている〈ことば〉がいかに異様なものなのかを思い知らせてくれる。 pic.twitter.com/EQMt8wR1dL

2016-04-15 13:23:34
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