発達障害のある人の就職に必要な条件その①「体力」

発達障害のある人が障害枠で就職する際に重要になる条件の一つである「体力」について、就労支援の実経験をもとにまとめました。
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松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

就労支援に関わった経験から、私は発達障害のある人の就労に大切な条件として「コミュニケーション能力」「障害への自己理解」「体力」の3つがあると考えています。問題は3つとも抽象的なことです。しかし、その中でも比較的具体的な話がしやすい「体力」の話を今日はしようと思います。

2016-04-14 22:40:28
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

体力と言ってもマラソンを走れるとか重いバーベルを挙げられる体力ではなく、「安定した勤怠」を実現する体力であります。どれくらいの体力があればよいか。障害者雇用については「週30時間以上働ける」というのが基準です。これ以下だと障害者雇用率が0.5人分しかカウントされないからです。

2016-04-14 22:43:56
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

週30時間以下の労働時間になるとほとんどアルバイトしかありません。逆に言えば、30時間を下回らない範囲、たとえば、週5日出勤の1日6時間勤務とか、週4日出勤の1日8時間勤務を許容してくれる企業は多く、残業も免除してもらえる場合が多い。

2016-04-14 22:53:13
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

そういう意味では、残業が続くと鬱感が出やすかったり朝起きられなくなるなど、体力面に不安がある人にとっては、一般社員に比べて短い労働時間が許容されやすい障害者雇用は検討する価値がある選択肢だと言えるでしょう。

2016-04-14 22:59:12
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

体力面の条件として、「週30時間以上働ける」ことと並んで重要なのが「体調の安定」です。障害者雇用で、履歴書に会社に求める配慮として「月に1~2回程度、体調不良で休むことがあるので認めてほしい」などと書く人がいますが、体調が安定しないとみなされ、書類選考で落ちる可能性が高いです。

2016-04-14 23:05:52
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

つまり、一般社員より少ない週30時間勤務でOKだけど、その代わり毎日ちゃんと出勤してね、不定期に休むのはダメよ、というのが企業側の望みです。これは組織で働くことを考えると当たり前で、いつ休むかわからない人に責任ある仕事は任せられないですね。

2016-04-14 23:10:55
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

では「体調が崩れる」というのは具体的にどういう状況を指すのかというと、朝起きられなくなる、お腹が痛くなる、肩とか腰に疼痛がでる、出社しようとしたら涙がポロポロ止まらない、とかまあ色々なわけですが、要は仕事上のストレスから精神的な緊張が非常に強くなり、それが身体症状として現れます。

2016-04-14 23:17:12
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

仕事上のストレスを減らすということは、業務内容のマッチングだとか配慮の見直しだとかいったことがまず必要になるわけですが、それはそれとして「体力」というテーマに絞った場合に、精神的ストレスから来る身体の緊張をどう和らげていくか、ということが大きなテーマになってきます。

2016-04-14 23:20:38
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

交感神経というのは体を活発に動かすための神経で、別名「闘争と逃走の神経」とも言われており、自分に危機が迫ったときの、一種の興奮状態を作り出します。反面副交換神経は食事中や睡眠中など体を休めているときに働く神経です。 kusuri-jouhou.com/domestic-medic…

2016-04-14 23:27:29
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

仕事でストレスがかかった状態では交感神経が活発になります。これが仕事場から家に帰っても切り替わらない。ベッドに入ると上司の怒った顔が浮かんで恐怖を感じたり、理不尽なことを言う同僚の顔が浮かんで怒りで眠れない状態は、交換神経から副交感神経への切り替えが上手く行っていないのです。

2016-04-14 23:30:10
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

交感神経が活発なままでは眠れませんし、胃腸が緊張したままなので腹痛にも繋がります。体もこわばったまま。これが「朝起きられない」「お腹がいたい」「体がいたい」の理由であることがほとんどではないかと思われます。

2016-04-14 23:33:46
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

怒る上司も嫌だし理不尽を言う同僚も嫌だけど、それはそれとして今自分の交感神経が極度に緊張していることを理解し、それを鎮めて副交換神経へと切り替えていこうとする理性を持つことが、体調の安定につながります。

2016-04-14 23:36:58
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

交換神経優位から副交換神経優位に切り替える方法は体操・食事・漢方・ある種のグッズまで様々ありますが、発達障害の文脈で紹介するとどうも「トンデモ」と言われそうなものが多いのでいちいち紹介しません。最近良かったものを一つだけ紹介します。

2016-04-14 23:39:01
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

肌に直接はれる小型のお灸「せんねん灸」。これは効果、手軽さ、コスト、3拍子そろっておりかなり良い。これを足の三里というツボにおいておくとかなり心身がラクになってくることが感じられると思います。 sennenq.co.jp/top.html

2016-04-14 23:43:45
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

「せんねん灸」はその日その日で使うものですけれども、この他に週単位の緊張をリセットできる休日の過ごし方知っておけるとなお良いです。どこかレジャーにでかけるとか、マッサージの上手な先生にかかるとか、趣味の時間をすごすとか、といったことですね。

2016-04-14 23:45:33
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

緊張をキャンセルするコツとしては、あまりメンタル的な要素はいれず、具体的な行動やグッズに頼ってしまったほうがよい。それを使うことで強制的に緊張をキャンセルできるという習慣が作れるとよいです。

2016-04-14 23:51:25
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

まとめると、その日の怖かったこと、嫌だったことを、2時間以内にキャンセルして落ち着いた気持ちでベッドに入れること。休日にはその一週間で怖かったこと、嫌だったことをキャンセルして新鮮な気持ちで月曜日を迎えられること。それができると体調の安定が実現することになります。

2016-04-14 23:56:19
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

今日のツイートは以上。残る二つの条件「コミュニケーション能力」「障害への自己理解」についても、またどこかの機会で言及できればと思います

2016-04-14 23:56:52