- hiyomaru225
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81 突然、高岡大仏の化身と名乗る不思議な生物が現れただけでも大事件なのに、街を守って欲しいと言われても、理解しろという方が無理だ。 「ん〜、ただ話しとってもわからんか〜。そんじゃあ、ちょっとやってみるけ〜?」 #あみたん娘二次創作
2016-03-26 18:31:5182 話に付いてこれないふたりを置き去りにして、あみたんはどんどん先に進めていく。 あみたんは空中に浮かんだまま座禅を組み、目をつむって精神を集中させた。 すると、あみたんの背中の輪っかがうっすらと光り始めた。 #あみたん娘二次創作
2016-03-26 18:32:0583 光は次第に強くなり、勢いよく輪っかから飛び出し、かのんとせしるの足元に滑り込んだ。そして光の輪はそのまま空に向かって伸び、光の柱となってふたりを包んだ。 「うわぁっ!」 「きゃっ!」 小さな悲鳴とともに、ふたりの身体は完全に見えなくなった。 #あみたん娘二次創作
2016-03-27 18:07:2584 強い光だが、熱さは感じない。 ふたりは光の中で、身体に強い力が湧いてくるのを感じていた。 しばらくすると、サアッと霧が晴れるように光が消えた。 周りの景色が目に飛び込んでくる。 まず最初に見えたのは、見たことのない美しい女の子だった。 #あみたん娘二次創作
2016-03-27 18:07:3185 年齢は17歳くらいだろうか? 和服のような出で立ちの少女は、どこか見覚えがあるようにも思えた。 「もしかして…せしる?」 「…かのんちゃん、やよね?」 そう言うとふたりは、自分の顔を触ったり、身体を見回したりして、自分たちの変化を確認した。 #あみたん娘二次創作
2016-03-28 18:45:1286 「なんか、大きくなっちゃった…」 「ね、かのんちゃん!これって、魔法で変身!みたいなヤツかなっ?」 「まさかー!そんなアニメみたいな?」 元々アニメが好きなせしるは、この身体の変化に興奮気味だが、かのんは動揺を隠せない。 #あみたん娘二次創作
2016-03-28 18:45:2187 自分の身体だけでなく、せしるの髪や身体もベタベタと触って、なにか仕掛けがないか確認していた。 そして、あみたんはというと、変身したふたりの姿を満足そうに見つめ、うん、うんと頷いていた。 「そうか〜、変身したら大きなるんやねぇ。これなら大丈夫やわぁ〜」 #あみたん娘二次創作
2016-03-29 18:40:2488 「これ、あみたんの魔法なん?すごいね!」 「いや、魔法っていうより、法力っていうか〜」 「法力!これがあみたんの力なんやね!」 せしるはあみたんの力に興味が尽きないようで、あれこれ質問していた。 あみたんも得意満面で、ふたりはかなり盛り上がっていた。 #あみたん娘二次創作
2016-03-29 18:40:3089 そんな中、かのんは完全に取り残されていた。 「大丈夫じゃなぁい!」 浮かれるふたりを一喝するように、かのんが叫んだ。 「いや、大丈夫やって!その姿に変身したら、法力が使えるようになるから。その力で、ボクと一緒に高岡を守って、街の活気を取り戻そう〜!」 #あみたん娘二次創作
2016-03-30 16:53:2990 「おーーー♪」 いつもは慎重なせしるが、今回は妙に積極的である。これではかのんも同意せざるを得ない。 「はぁー、わかったよ。せしるひとりにやらせるわけには行かんからね」 「じゃあ、コンビ名決めんなんね!」 「コンビって、漫才師か!」 #あみたん娘二次創作
2016-03-30 16:53:3891 かのんがすかさずツッコミを入れたところで、あみたんも口を挟んだ。 「コンビちゃ2人組やろ?ボクも入れてよ〜」 「そっか、そうやね!私らとあみたんやから…『あみたん娘』言うがはどう?」 「『あみたん娘』ぇぇ?」 かのんとあみたんが同時に言った。 #あみたん娘二次創作
2016-03-31 19:32:2492 「そう!この棒も『あみたんステッキ』ね♪」 「はーい、わかりましたぁー」 せしるが付けた名前は、妙にしっくりくる感じがした。 「はーい、わかりました!でも、活気を取り戻すって、何をしたらいいが?」 かのんは手を挙げて質問した。 #あみたん娘二次創作
2016-03-31 19:32:3293 「うーん、そうやね〜」 あみたんは辺りを見回し、何かを見つけてから言った。 「あそこの隅っこの黒いもん、見えるけ?」 そう言って指差した先には、黒い影のようなものがユラユラと揺れているのが見えた。 「あの煙見たいな?」 #あみたん娘二次創作
2016-04-01 20:54:4394 「そうそう。ちょっこステッキに力を込めて、あの黒い煙にぶつけるがをイメージしてみて〜」 「んーと、こんな感じ?」 かのんはステッキを頭の上にかざし、目をつむって精神を集中させた。 するとステッキの先についている半円形の輪がぼんやりと光り始めた。 #あみたん娘二次創作
2016-04-01 20:54:4895 「あみたん、ステッキが光っとるよ!力が溜まっとるってこと?」 せしるは思わず、頭上にいるあみたんの服をつかんで引き寄せたので、あみたんは体勢を崩しながら次の指示を出した。 「わわっ、よ、よし!そしたら、黒い煙に向かって力を飛ばして!」 #あみたん娘二次創作
2016-04-02 15:32:5196 あみたんの声を聞くと、かのんはカッと目を見開いて黒い煙を見定めた。 そして胸の前で腕を伸ばし、ステッキを両手に持って構えた。 「はぁぁぁぁぁーーー!」 ステッキの光は球状になり、かのんの気合いとともに勢いよく飛び出した。 #あみたん娘二次創作
2016-04-02 15:36:4697 光の球はかのんのイメージどおり、黒い煙に命中した。 「やった!」 3人はほぼ同時に声を上げた。 黒い煙はまだ少し気配はあるものの、光の一撃によって、あらかた消えてしまった。 「すごい、すごい、かのんちゃん!ほんまにアニメみたい!」 #あみたん娘二次創作
2016-04-03 17:58:5298 せしるは興奮してかのんに駆け寄り、抱きついたが、かのんは不思議な力を使って気が抜けてしまい、ただ立っているだけだった。 しかしあみたんは、緊張のほぐれたふたりとは反対に、まだ険しい表情で黒い煙の残像を注意深く見つめていた。 #あみたん娘二次創作
2016-04-03 17:59:0199 すると、散り散りになったはずの黒い煙がまたザワザワと集まり始めた。 「ちょっと、せしる!あれ見て!」 黒い煙の異変に気付いたかのんが、せしるを促して身構えると、あみたんは落ち着いた声でふたりを制した。 「大丈夫、見とって」 #あみたん娘二次創作
2016-04-04 16:43:15100 黒い煙はユラユラと形を変えながら動き、やがて低い地鳴りのような音を立てると、スーッとあみたんの背中の輪の中に吸い込まれていった。 かのんとせしるはその様子をじっと見ていた。 意志を持った黒い煙が、悲鳴を上げて消えていったように思えて少し怖くなった。 #あみたん娘二次創作
2016-04-04 16:43:21101 あみたんは少しうつむいていて、その表情はわからない。 少しの沈黙のあと、ふたりは小声で話し始めた。 「あの黒いやつ、何なんやろうね?」 「黒い煙を退治するがと街の活気ちゃ、なんか関係あるがかな?」 #あみたん娘二次創作
2016-04-05 17:55:43102 ふたりがあみたんにたずねると、あみたんの身体は光に包まれ、姿が見えなくなっていた。 「あみたん?」 かのんとせしるが見つめる中、あみたんを包んでいた光がだんだん弱まってきた。 「かのん、せしる…」 光の中からは、聞いたことのない男性の声がする。 #あみたん娘二次創作
2016-04-05 17:55:49103 そして光が消えると、その中から姿を現したのは、さっきまでの赤ん坊のような小さいあみたんではなかった。 スラリと背が高く、美しい姿をした若い男性が目の前に立っていた。 「あああああ?あみたん?」 「え?なに?どうなっとんが?」 #あみたん娘二次創作
2016-04-06 18:42:55