- kotatakada2
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私の知人でドピュソというあだ名を持つ無職童貞の男がいる。先日、彼に「もういっそ死んだ方が楽なんじゃないか?」と提案したところ、「ふぎゅん……」と喉からやばい音を出した後、こんな話を聞かせてくれた。 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:25:49ある夏の日のことだった。 当時ドピュソは隣家で飼われている犬の肛門をペロベロ舐めることを朝の日課にしており、その日も舐めるために家を出た。 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:31:23「家を出てすぐ、あれ?なんかおかしいな、とは思ってたんです。なんてい……ふぎゅん……その……あ!DVD今日返さなきゃ!高田さんこの『新ゾンビ』って観ました?鼻くそ丸めるシーンあるんすよ!」 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:35:25ドピュソが感じた違和感は気温にあった。カンカンと陽が照っているのに、何故か空気が冷たい。黄ばんだランニングと茶ばんだふんどしのみ、という自身のいでたちを考慮に入れても、その突き刺すような外気の冷たさは夏に似つかわしいものではなかった。 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:41:19「でもほら、ぼくってミラクル起こすじゃないですか?先日も三日前に食ったうどんが結構な長さで鼻から一本出てきたし……だからその日も、おやおや?またミラクル起きちゃう?またぼく……ふぎゅん……そうそう高田さん。ギョウ虫って飼えるんすかねぇ?」 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:45:03寒気に身体を震わせながらもドピュソは隣家まで辿り着いた。彼は勝手知ったる顔で、許可もなく門から敷地に入り、犬小屋の前に立った。 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:48:35どういうわけか隣家の子供により、ヘルペス、と名づけられたその柴犬は、ドピュソの気配を感じると静かに犬小屋から姿を現した。ああ、こいつも肛門を舐められたいお年頃かな。わかる。わかるよぉ。ドピュソは尻を向けたヘルペスに顔を近づけた。 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:52:55「え? あっ!ギャー!ギャー!フシュルルルル-!スペ!スペぺぺぺぺ!ニシン!ニシン!モッチョモッチョチョッ!!」 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:55:22ドピュソが舌をヘルペスの尻に伸ばすと、ヘルペスの肛門の奥から、ズルッと男の顔面が飛び出してきた。男は丸坊主で、顔は完全に西田敏行そのものだった。 #創作クソ怪談
2016-04-18 22:59:32「ええ。そこで意識は飛んだんですけど、意識を失う直前にパッと頭に浮かんだイメージがあって……あー、ちんこ痒い……」 #創作クソ怪談
2016-04-18 23:05:22薄れゆく意識の中、ドピュソの抱いたイメージはこんなものだった。 やった!スーさん、やったよ! ハマちゃん、こりゃ大物だっ! これだから釣りは止められないね! あー、ほんとだ! ほんとに、釣りは最高だっ! #創作クソ怪談
2016-04-18 23:08:10「夢だったら良いんですけど、隣家のおばさんにたたき起こされて目を覚ましてからもヘルペスの肛門からまだ西田敏行の顔が飛び出てて。それを指摘したらおばさんも驚いてましたね。わっ、西田さん!って叫んでました」 #西田敏行
2016-04-18 23:11:28いったい何人が創作クソ怪談を最後まで追いかけ、そして読んで何を思ったか。そのことを考えると、後悔の念以外湧くものは何もない。
2016-04-18 23:21:42