富野流仕事術~自分の個性を信じる~その2

2016/4/17 富野由悠季氏講演 私的メモその2です。Gレコの話へ、Gレコのテーマについて
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カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

<Gレコ関係> (ジャケットを脱ぐ富野総監督!) Gレコ、正式には「ガンダムGのレコンギスタ」 「仕事術」の話に行くとは思ってない。そんな上手に話できない(笑) 角川Gエースで対談をやった。(2003年6月~2012年10月)仕事がなければウツになるのでこの企画をやった。

2016-04-19 01:17:06
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

演出は座っていてはだめ、アニメといえどコンテの上では身体が使えなくちゃいけない。身体を使って表現するから。机、モニターに向かってるだけにならないように対談した。もう一つの理由は、アニメの仕事をやっていると他ジャンルの人に会わないで暮らせちゃう。他人と会わないで済んじゃう。

2016-04-19 01:17:24
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

【direction】方向付けをする、ということ。ただ指示するのが演出ではない。そういう感覚を忘れちゃいけない。外に出ることをしたい。 1人でできることではなくて角川Gエースに掲載される条件で対談を受けてもらえる、という構造になった。

2016-04-19 01:17:42
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

初めの3年は対談相手をセッティングするのが難しかった。段々浸透して5、6年目はひと声で受けてもらえるようになった。色んなジャンルの方とお会いできた。一方で、簡単に受けてくれるとき、地獄になる。相手は先生、専門家である。

2016-04-19 01:18:12
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

「何にも知らないから教えてください」これはコンセプトではあるんだけど「センセイ、いま何やってらっしゃいますか?」からではアホでしょ?『テメェ…!』となる。当然、配慮や仕込が要る。そういったものがない対談も世の中には散見されるが。

2016-04-19 01:18:47
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

仕込み感を教えてくれたのが、グラビア雑誌PLAYBOYで、裸のお姉さんの写真だけでなくもう一つの柱だった‘PLAYBOY INTERVIEW’、 かなりのページ数を割いている。仕込がナマジではない。

2016-04-19 01:19:10
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

お金があるから事前に会わせて、テストインタビューをして本番もする、インタビュアーが1人じゃない。対談にこういうすり込みがあった。どんな付け焼刃でも2週間はかかる。仕込が要らない人が5回に1回くらい欲しかった(笑)

2016-04-19 01:19:29
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

本を2、3冊は読まなくちゃいけない。対談で良かったのは、ターンA以後に新しい企画、シナリオを考えてみたがどうにもだめ。そんな時に、対談をいいことに日大の青木先生から宇宙エレベーター協会を教えてもらった。8月にクライマーの実験をやってるんだよ、って。

2016-04-19 01:19:48
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

バルーン上げてロボットで上らせる。大学が技術協力したり、アメリカの大学からも来る。実験を見せてもらったんだけど、宇宙エレベーターって発想は大キライ、ロケットでないと!絵にならないから(笑)こんなののぼるわけないだろってとこに300m上って、バンザーイってやってる。僕も付き合った。

2016-04-19 01:20:33
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

飛行機だってライト兄弟の頃はそういうものだったのかも。40-50年したら、ひょっとしたら形になっていくのかもしれない。何といっても学生さん、研究者の卵が嬉しがってやっている、宇宙開発のモチベーションになっていくのかも。

2016-04-19 01:20:56
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

「あってもいいんじゃないのか」という言い方もある。一方で反対意見も具体的に言える。これは番組にできるのではないかと思い至りGレコのスタートになった。

2016-04-19 01:21:12
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

袋小路であるのが、ガンダムものというのは、年代、登場人物名、メカ名を変えて、それで主人公が勝つ、このパターンの繰り返し。このパターンをなんとかできないか、宇宙エレベーターがあることで見え方が違うものができるのではないか、と新しいものを作る気になった。

2016-04-19 23:29:34
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

また、ガンダム的なものを作る時の大問題と思ったのが「富野ガンダムの宿命」、傲慢かますとこういう言い方。そんな偉そうなものは突破したいと思った。どこにあるかというと、ガンダムを好きな人、ファンの頭の中の記憶にある。記憶の中にリアルに存在している。

2016-04-19 23:30:30
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

皆さんが、とは言わないがそういうファンがいるらしい。実際そういう人達が存在するということはリアリズムとして捉えなくてはいけない。年代、キャラ、メカを変えて、戦闘をやって終わってるだけ。フィクションの繰り返しでしかなく、許されない。

2016-04-19 23:31:04
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

内容的にもリアルに考えられるものがないと記憶として残るリアリズムに対抗できないのではないか。宇宙エレベーターはリアリズムで企業や学生がやっている。それに対する反論も言える。そういうものをロボットものに組み込めば富野ガンダムのリアリズムにも少しは継承できるものがあるのではないか。

2016-04-19 23:31:23
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

宇宙エレベーターを舞台に考えて、初めて、戦闘ものでは設定できなかったテーマを思いつけた。「現在の科学技術の進歩」と「金融・資本主義に汚染されている現在」の問題を定義できるのではないか、これがGレコの本当のテーマ。巨大ロボットものでそんなこと言うなよ、と。本当にごめんなさい(笑)

2016-04-19 23:31:48

現在の科学技術の進歩と金融・資本主義に汚染されている現在の問題を定義できるのではないか、これがG-レコの本当のテーマ

カギ括弧を変な風につけてしまって邪魔なので外して読んでください

カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

リアリズムに迫るとはこういうことです。テーマができて、宇宙エレベーターという舞台が出来ても、それでもガンダムからは抜けられなかった。なので、物語の時間を飛ばすことを覚悟した。旧来のガンダムは、使い古した宇宙世紀も、別のなんとか世紀も、概念的には大きく変わっていない。

2016-04-19 23:32:26
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

おそらく20-30年の誤差。結局旧来の戦闘物語を引き継いでしまう。それで1000年時間を飛ばすことにした。物語的に1000年かは知らない。精神論的に1000年。そのくらいないとガンダムを吹っ切れない。ようやく世紀末論や兵器ものから脱出できた。新しいものが作れるなと息が抜けた。

2016-04-19 23:33:26
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

もう一つ重要なことは子ども向けの作品にすること。これでホッとした。アニメはもともと子どもや幼児向けだったが、ヤングアダルト、大人のものになってしまった。特にガンダム系はそういう傾向。それはシン(真?)なのか、今のビジネスシーンだからというだけでないか?

2016-04-19 23:33:47
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

アニメは実写よりも劣化が少ない。アニメの性能、何度も見返すことができること。段々と時代物に見えてしまうところが絵だから何度も見られる。アニメは、面白ければ抵抗感なく見れてしまう。記憶に残るものを作る必要があるのでは。

2016-04-19 23:34:16
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

大人は流行感覚で時代性を追うだけになるが、子どもでは一生ものの記憶になる。子どもに見てもらうものを本気で作ることは、老化しないで済むことかも、自分の年齢を背負わないで作ることができる。息が抜けるって思った。

2016-04-19 23:34:37
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

脊椎なんとか症の痛み止めを飲んでいるが、痛みに引っ張られて平気でウツになれてしまう。重ったるいジジイに簡単になれる。そこから抜けないと作れない。明るい作品を目指す、子ども向けにしようすると、必然として未来を見上げるものになるから。

2016-04-19 23:35:00
カセレーリエ粘液ップ🚀 @hagetenai

大人を意識すると同時代・同世代の共感しか得られない。2,3年持てばいい方。閉塞とまでは言わない、内向して同調するだけで終わって、なあなあになる。「機動戦士ガンダム」の目指したのは、大人を感動させることができればきっと子ども見てくれるという考え方。興行の世界ではそうあるべき。

2016-04-19 23:36:00