4月13日　三笠の昔話

戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

朝から、ですが。 この前の続き、「第二次ナルヴィク海戦」（1940）のご紹介。

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（前回までの復習） 独のノルウェー侵攻作戦の一環として独駆逐艦10隻がナルヴィク方面に進出。ノルウェー海防戦艦2隻を撃沈、ナルヴィク市を制圧（4/8）。英艦隊は停泊中の独艦隊を奇襲、海戦は痛み分けに終わる(4/10第一次ナルヴィク海戦が、独艦隊は詰みの状態に。 #三笠の昔話

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どう「詰み」かというと。 フィヨルド外洋には戦艦レナウンを基幹とする英艦隊。そして残存駆逐艦8隻のうち5隻は損傷、うち3隻は大破。弾薬・燃料ともに尽きかけ、制圧直後の外地では補給があるわけもない。 ナ　ム　サ　ン #三笠の昔話

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対する英艦隊は空母フューリアスを呼び寄せてソードフィッシュで襲撃（戦果なし）、さらに湾内の様子をくまなく偵察し、旗艦を交替したウォースパイトちゃんを中心に、トライバル級・Ｆ級駆逐艦9隻での殲滅作戦を早朝から発動。 ゴ　ウ　ラ　ン　ガ #三笠の昔話

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「詰み」の状態から、しかも相手が戦艦持ちでは、いくら後年猛将で名を馳せたバイ提督でも抗うすべも無く。 独駆逐艦は次々と湾内で撃破または自沈に追い込まれ、ここにナルヴィク方面駆逐艦隊10隻は全滅しました・・・ナムアミダブツ #三笠の昔話

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まあ、そこはさすがのバイ提督。 こんな中でも、英駆逐隊のコサック、エスキモー、バンジャビを大破させる戦果を挙げ、一連の海戦全体としては大敗ではあったものの、第一次海戦で戦死したボンデ提督の後任として駆逐艦隊総司令に昇格。以降激烈な戦いを展開していくのでした。 #三笠の昔話

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この戦いで沈んだ独駆逐艦です。 ＜第一次ナルヴィク海戦＞ Ｚ２１　ヴィルヘルム・ハイドカンプ Ｚ２２　アントン・シュミット ＜第二次ナルヴィク海戦＞ Ｚ１７　ディーター・フォン・レーダー Ｚ１８　ハンス・リューデマン Ｚ１９　ヘルマン・キュンネ （続く）

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（続き） Ｚ２　ゲオルグ・ティーレ Ｚ９　ヴォルフガング・ツェンカー Ｚ１１　ベルント・フォン・アルニム Ｚ１２　エーリッヒ・ギーゼ Ｚ１３　エーリッヒ・ケルナー

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さて、このうちどの娘が実装されますかねえ。 まー、その前にやっぱりシャルンホルスト・グナイゼナウ姉妹が来ますかねえ。どうですかねえ。

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過去のメモをぼんやり見返しておりましたら。 4/13「戦艦ペトロパブロフスク撃沈」を呟きわすれておりましたので、遅ればせながら寝物語にお話を・・・

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失敗に終わった旅順口閉塞作戦の後も、旅順口付近では日露両国の小艦艇による小競り合いが続き、お互いに機雷源を敷設しあって牽制しあう状態が続いていました。 そんな1904年4月13日、露駆逐艦と機雷敷設中の日本駆逐艦が交戦。露駆逐艦が撃沈されました。 #三笠の昔話

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すぐさま露・太平洋艦隊司令長官ステパン・マカロフ提督は戦艦を率いて日本艦隊撃滅を支持。自らも旗艦・ペトロパブロフスクに座乗して現場へ向かいました。 そこで悲劇が起こりました。 #三笠の昔話

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敷設された機雷に、戦艦ペトロパブロフスクさんが被雷。その最期は凄まじく、「これぞ轟沈」といわれるほど一瞬で海中に没しました。 マカロフ提督も脱出を試みるも間に合わず、部下とともに戦死。 #三笠の昔話

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こちらが轟沈時の写真。 upload.wikimedia.org/wikipedia/comm…

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露・太平洋艦隊は司令長官の死に衝撃を受け、以降さらにひきこもりと化していきました。 一方、相手主力戦艦を撃沈しあまつさえ敵将すら討ち取った日本ですが・・・ #三笠の昔話

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日本海軍では歓喜の声より、マカロフ提督の死を悼む声すら聞かれたそうです。 そして、かの石川啄木は「マカロフ提督追悼の詩」をつくり、翌年雑誌に公開。 #三笠の昔話

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なぜ敵国にすらここまで死が悼まれたか、というと、マカロフ提督のそれまでの経歴によるところが大です。 というわけで今日の本題は、マカロフ提督。 #三笠の昔話

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マカロフ提督はウクライナに生まれ、19歳のとき露海軍に入隊。以後バルチック艦隊、黒海艦隊、太平洋艦隊の全てを経験。また水雷研究にいそしみ、トルコ軍艦に対して世界初の対艦水雷攻撃を実施しています。 #三笠の昔話

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戦間期は、軍艦を利用した海洋探検に従事。コルベット艦「ヴィチャーシ」を駆り二度の世界一周を達成、海洋探検の成果を出版。また、近代軍艦による海戦戦術考察もすすめ、その教本は東郷元帥や秋山参謀も愛読書とするほどであったということです。 #三笠の昔話

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さらに、世界初の砕氷船「イェルマーク」導入にも関わるなど、当時の海洋業界では知らぬ人が居ないほどの巨星でありました。 #三笠の昔話

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そして日露開戦。 一旦は太平洋艦隊から離れていたマカロフ提督ですが、旅順口奇襲で戦艦2隻を実質失ったスタルク司令長官の後釜として着任。 それまで軍紀もゆるみ士気も低かった太平洋艦隊に気合を入れなおし、日本艦隊への反撃の機を窺っていたのです。 #三笠の昔話

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この日のように、マカロフ提督は常に陣頭にあり、士官・船員に分け隔てなく接した（当時の露海軍は身分差別が激しかった）ことで兵員の支持は絶大なものがあり、その優れた戦術眼・戦略眼ともあいまって、日本艦隊に無言の圧力をかけ続けていました。 #三笠の昔話

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しかしその陣頭に立つ積極さが仇となり、先述のように戦死。 ここで、石川啄木が詠んだ追悼の詩を見てみましょう。 #三笠の昔話

戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

君を憶へば身はこれ敵国の 東海遠き日本の一詩人 敵乍らに苦しき声あげて高く叫ぶよ （鬼神も跪づけ、 敵も味方も汝が矛地に伏せて、マカロフが名に暫しは鎮まれよ。） ああ偉いなる敗将、 軍神の 選びに入れる露西亜の孤英雄、 無情の風はまことに君が身に まこと無情の翼をひろげき、と。

戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

はい。何言ってるかよくわかりませんね。 とりあえず要約しますと、 「極東の一詩人でも知ってる偉大なマカロフ提督。軍神と呼んで憚りなきあなたに、運命は無情の肩たたき。嗚呼無情なり」 という感じです。 #三笠の昔話