烏賀陽弘道さん「フクシマを５年間取材し続けていると、いろいろな変化がよくわかる。一番不快なのは、除染業者の傲慢さ。」

烏賀陽　弘道 @hirougaya

もう何度目から数えきれなくなったフクシマ取材から戻った。４月２２日、全村避難決定から５年目の福島県飯舘村を訪ねた。あの日と同じように、山桜が満開。田んぼの土手をスイセンの黄色い列が彩り、ヤマブキやミズバショウが咲き乱れ、村はかぐわしい香りに包まれていた。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

４月２２日、全村避難決定から５年目の福島県飯舘村は、あの日と同じように、山桜が満開。田んぼの土手をスイセンの黄色い列が彩り、ヤマブキやミズバショウが咲き乱れていた。山野を清める除染業者の群れ、ダンプの車列とパワーシャベルの凄まじい音が大きな違い。

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除染で下草や雑木、腐葉土を掻きとってしまった山肌が崩れているのをあちこちで見た。これは危険じゃないのか？　（２０１６年４月２１日、福島県川俣町で） pic.twitter.com/11rTF79vwT

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烏賀陽　弘道 @hirougaya

フクシマを５年間取材し続けていると、いろいろな変化がよくわかる。一番不快なのは、除染業者の傲慢さ。被災地の公民館や小中学校など公共の場所にプレハブを建てて事務所と工事車両の駐車場にして、取材者はおろか村人まで「立ち入りには許可を取れ」とか平気で言っている。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

除染業者の傲慢さの中でももっとも不快なのは、取材者への妨害や嫌がらせ。今回も、ひどかった。公道から除染作業を写真に撮っていても妨害や嫌がらせをされる。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

現場でたまたま会った同業の写真記者と話したら、彼は大成建設系の除染業者からさんざん嫌がらせされ、最後はストーカーのように後をつけられたそうだ。話を聞いたら、私が去年の夏に嫌がらせされた飯舘村比曽に事務所を置く大成建設JVの業者だった。本社に抗議しようと話している。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

そういった除染業者の傲慢さを見るにつけ、この人たちは「原発事故で我が家と故郷を理不尽に奪われた人々の苦しみのうえで仕事をしている」「国民の税金で仕事をしている」という自覚がないことに気づく。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

本当に嫌な気持ちになりますね。原発事故の放射能汚染で無人になった場所に立つのは、ただでさえ重苦しく、憂鬱な経験なのです。そこに自腹を切って現場に車を運転していき、行った先では除染業者に嫌がらせされるのですから、私の気持ちお察しください。　@nckrx970

烏賀陽　弘道 @hirougaya

被災地で「被災者」に空き巣と疑われて（でかいカメラを二台持っていたのですが）殴られたり言いがかりをつけられて集団で暴行を受けたこともありますよ。５年間で一度や二度じゃないです。殺気立っているというか苛立っているというか、とにかく攻撃対象がほしかったようです。　@nckrx970

烏賀陽　弘道 @hirougaya

そういう一部のおかしな「被災者」の間では取材記者は暴力を加えてもよい、嫌がらせをしてもよい、相手が悪い、という倒錯した思い込みがあるようです。被災地で傍若無人にふるまうマスコミもいましたから。しかし、そういう連中は５年も継続して取材したりしないんですがね。笑　@nckrx970

烏賀陽　弘道 @hirougaya

ありがとうございます。私は原発事故という人類史的な大事件を歴史に記録に残したいと願っているにすぎません。それで５年間自腹で現場に通いつめています。しかし、そうしたささやかな努力を「フクシマに汚名を着せている」と恨む、歪んだ人間も多数いるのです。　@nckrx970

烏賀陽　弘道 @hirougaya

今回のフクシマ取材で一番ショックを受けたのは、汚染で封鎖された地区に家があった住民（封鎖ゲートを通る許可証を持っている）が「中を案内してやるから１万円くれ」と金銭を要求してきたことです。２時間で１万円でした。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

除染事業はすべて国民の税金から環境省の予算として執行されています。取材記者にニコニコ愛想よくしろとは言いませんが、何も隠し事がないのなら「税金が公正に執行されていることをどうぞ知らせてください」と考えるでしょう。取材者を嫌がるのは、何かを隠したいからです。@cao58020

烏賀陽　弘道 @hirougaya

この写真でも、除染したあとの斜面が崩れているようなのです。民家との間に土止めらしいブロックまである。危険なのではないでしょうか。どうも解せません。（２０１６年４月２２日、福島県飯舘村で）　@Kami_ike pic.twitter.com/vG9yOdxDin

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烏賀陽　弘道 @hirougaya

もうひとつ危惧しているのは、原発事故から５年が経って、セシウムそのほか放射性物質が雨水と一緒に地表から６０センチ〜１ｍの深さまで潜り込んでいることです。除染で地面を深く掘ると逆に放射線量が上がる、とう話を福島県飯舘村で地元民から聞きました。　@Kami_ike

烏賀陽　弘道 @hirougaya

もう一度言いますが、除染事業はすべて国民の税金から環境省の予算として執行されています。もし何も隠し事がないのなら「税金が公正に執行されていることをどうぞご覧ください。そして納税者に伝えてください」と除染業者は考えるでしょう。取材者を嫌がるのは、何かバレると困ることがあるからです。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

川、池やダムの底にたまっている泥はまったく手つかずです。セシウムは水中の泥の粒子（珪藻成分）とくっついて沈みますから、底にたまっているセシウムの量はすさまじいと思われます。　@Kami_ike

烏賀陽　弘道 @hirougaya

山間部の汚染地帯では、住民が湧き水を飲料以外に使っていた家が多いのです。帰還に備えて井戸を掘り直している家を見かけます。しかし地下水は安全なのか、非常に心配です。@Kami_ike

烏賀陽　弘道 @hirougaya

除染事業は推定５兆円（政府は総費用の見通しを出さない）と、一年間の防衛予算に匹敵するビッグ・ビジネス、しかもすべて国費。営業の必要もなければ、顧客・広告・マーケット対策も不要という、実においしいビジネスです。ゼネコンが舞い上がって傲慢になるのも自然です。@tareuyaya

烏賀陽　弘道 @hirougaya

福島県飯舘村で私や同業の記者にいやがらせを繰り返している除染業者は、正確にいうと「大成・西武・本間・あおみJV」です。青いステッカーを車両や作業服に貼っています。@tareuyaya