作詞の教科書としての「正解はひとつ!じゃない!!」の、すばらしさと畑亜貴らしさについて(探偵オペラミルキィホームズOP)

「新しさ? 私たちらしさ」というフレーズが強烈に耳に残りました。その理由と作り方について考えてみました。詞の分析というよりも、作詞の方法論にちかい話です。
20
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「あたらしさ:わたしたちらしさ」すごい。これはすごいいい教科書になるな。

2011-02-04 05:01:52
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

http://j.mp/i5AA0L ←ここでsasahiraさんと言う方が”「正解はひとつ!じゃない!!」がすごすぎてめろめろだ”と仰っていたので、調べてみたのですが、探偵オペラミルキィホームズのテーマ曲で。

2011-02-04 05:06:36
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

一聴して僕がパンチをくらったのは「あたらしさ?私たちらしさ」というフレーズです。

2011-02-04 05:09:43
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「あたらしさ:わたしたちらしさ」というフレーズの「あたらしさ」と「わたしたちらしさ」の関係について。

2011-02-04 14:52:42
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「アタらしさ:ワタしたちらしさ」で、「アタ」と「ワタ」はほぼ頭韻を踏んでいると言えるでしょう。

2011-02-04 14:55:12
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「あたラシサ:わたしたちラシサ」で、「ラシサ:ラシサ」で完全に脚韻を踏んでいます。というか、「反復」といってもいいですが、文節のレベルでみると「新しさ:私たち+らしさ」→「1文節1語:1文節2語」でできているので完全な「反復」とはいえません。

2011-02-04 14:58:33
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

僕がここで「反復」といっているのは、たとえば「新しさ:新しさ」という、完全一致の同語反復のことだったり、「子供らしさ:私たちらしさ」→「子供+らしさ:私たち+らしさ」というふうに品詞のレベルでくりかえされることをさしています。

2011-02-04 15:01:16
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

とすると、「あたらしさ:わたしたちらしさ」→「アタラシサ:ワタしたちラシサ」のように、頭韻脚韻が行われていると言えます。つまりこのフレーズにおける押韻の基本構造は「アタラシサ:ワタ~ラシサ」となっています。

2011-02-04 15:05:10
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

ちなみに僕としては「アタラシサ」と「ワタラシサ」では母音が同じでも「ア」と「ワ」で実際は音が違うため、厳密は頭韻とは呼びたくないですが、便宜的にいって頭韻とよんでしまいます。

2011-02-04 15:07:54
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

さて、この先が僕にとっては面白い話です。

2011-02-04 15:09:04
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「あタらしさ:わタしタちらしさ」のタの音の位置に注目してみると、「2番目:2番目と4番目」に出現しています。この出現のしかたは、「あた:わた+した」のようにかなり明確な構造をとっており、押韻は全然隠蔽されていません。つまり、ユーザーにわかりやすくつくられています。

2011-02-04 15:12:54
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

僕の言葉で言えば、タ音の「位置移動」による押韻構造の隠蔽がなされていないので、一聴してわかりやすい。となります。

2011-02-04 15:15:00
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

つぎにシの音に注目してみると、「あたらシさ:わたシたちらシさ」→前からみた押韻は「4番目:3番目」、および後ろからみると「2番目:2番目」となります。

2011-02-04 15:19:24
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

後ろの「シさ:シさ」は完全に出現位置が一致しています。脚韻を踏んでるのだから当然ですね。そして歌を聴けばわかりますが、かなりパンチがあり元気のある押韻となってます。わかりやすいし、これがこの歌のかわいらしさや元気さなどを演出していると思います。

2011-02-04 15:22:04
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「あたらしさ:わたしたちらしさ」そして一方、「あたらシさ:わたシたちらしさ」ではシの音の位置移動が行われているため、押韻が隠蔽されます。

2011-02-04 15:24:23
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

押韻はくりかえすとウザくなってしまいますが、このように位置移動をすることでウザがられずに、快感や安定をユーザーに提供してくれます。

2011-02-04 15:29:23
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

方法論として示すとすれば、たとえば、まず頭韻でフレーズをつくり、「あたたかな:朝は:あきれるほど:明るい」。次にアの音をときどき位置移動し、「あたたかな:朝は:不安になるほど:明るい」のように適度に隠蔽しましょう。これは手軽でおすすめです。標語などつくるときに使えます。

2011-02-04 15:31:42
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

自分の凡人的テンプレ発想「暖かな朝は呆れるほど明るい」に、一度フィルターをかませてスパイスを加えることができるので、「暖かな朝は不安になるほど明るい」方法論としておすすめです。ね、後者のほうが文学的でしょ。

2011-02-04 15:34:04
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

めーるめるめるめるめるめるめっ

2011-02-04 15:35:02
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

ここまでで、タの音とシの音の押韻についての個別の指摘は終わりました。

2011-02-04 15:35:55
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

こんにちは。ほしくずうぃっちmeruru

2011-02-04 15:41:12
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

次が僕のやりたかった指摘、言葉のミックスについて。

2011-02-04 15:43:47
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「あたらしさ:わたしたちらしさ」における完全一致の音韻構造に注目すると、「タラシサ」→「タ-ラシサ」のように、「タラシサ」がより長い「タチラシサ」へ「展開」されています。「展開」とは僕の用語です。

2011-02-04 15:47:18
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

あ。すいません間違い。正確には「タラシサ」が「タシタチラシサ」へと展開されています。

2011-02-04 15:48:46