@ten01nj ネオサイタマの都心部から遠く離れた工業地帯にて、タマ・リバーサイドに乱立するヨロシサンの第三プラントは、外部的干渉により自己防衛機能を失った。隙を狙い、侵入する三人のニンジャありけり。 01
2016-04-21 19:28:12@ten01nj 私欲に塗れた暗黒メガコーポが、自社の区画に侵入する害虫を見逃すはずがない。毒ガスと無数の火炎放射器によって、侵入者および第三プラントはほぼ壊滅状態となった。 02
2016-04-21 19:31:26@ten01nj 「ウェー…グッ、ゲホッ」 フロア全体に毒ガスの霧が立ち込めている。罠にかかったか、あるいは近くにドク・ジツの使い手が居るのだろうか。 「バイオ毒ガス弾じゃねぇか!イクサの美学に反するぜ、奴らニンジャの風上にも置けねぇ。やはりニンジャは速 グェッホ!!」 03
2016-04-21 19:35:25@ten01nj 仲間がイラつきながら瓦礫を退かす。毒の霧が濃い。俺もメンポを口に押し付けてからそれに倣う。 「ガレキなんか持ってないでジツ使えよ、置いてきちまったがアイツはどうなった!」 04
2016-04-21 19:39:33@ten01nj そうだ、俺に出来ることはひとつ。額の両端に指を当て、ニューロンを研ぎ澄ませる。 「ーー……うーん…、弱々しいけど、二階下の西あたりに居る…かもしれない」広大な砂漠の砂の中から、仲間の水滴めいて微弱なパルスを拾い出す。 05
2016-04-21 19:43:19@ten01nj 「こんな状況でもぼんやりか!…ゲホッ!」壁に手をついて、苦しそうにヤジを飛ばしてくる。 「なぁ、声張ると障るぜ」粗暴で騒がしいニンジャだが、悪い奴じゃない。 06
2016-04-21 19:46:48@ten01nj 顔を上げて壁を見やると、そいつの首は無く、胸から見知らぬ生物の手が生えていた。 「! エ…」 「サヨナラ!」 07
2016-04-21 19:50:03@ten01nj 死に際の爆発により、毒霧が晴れた。異形のニンジャとガスマスクが仲間の残骸を踏み越えて来る。ガスマスクが顎でしゃくると、異形が生首を俺の足元へ弾き飛ばす。 08
2016-04-21 20:01:55@ten01nj 重装備ガスマスク過剰ヘルメット男…モータルか?が口を開いた。 「ドーモ、貴方を治験します。最大手メガコーポによる、安心、安全な治験。貴方のジツにさらなる飛躍を約束します」 09
2016-04-21 20:03:57@ten01nj 二階下にいた弱々しいパルスは途絶えた。味方は全滅、寄ってくる異形、ニンジャを従えるモータル。悪夢のような光景だ。 「……従います、ち、治験します…、タスケテ」 飛躍なんてもうあるものか。生きる希望も見出せないまま、モータルに頭を下げた。 10
2016-04-21 20:09:01