戦力の重量化が求められる一因って多分こんな感じ

ざっくりまとめ。
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錆猫 @Nyar_Horten

運動エネルギーを相殺するには、単純にはエネルギーが失われる距離と時間を用意するか、エネルギーを相殺し得るエネルギーを用意するかになる。ざっくり軍隊に当てはめると、個々の戦力の特性的に、距離と時間は主に海空が、相殺するエネルギーは主に陸が其々担当する形になる。

2016-04-25 03:41:17
錆猫 @Nyar_Horten

しかし、海空は整備費用や策源地の問題から担当する戦域の全てをフォロー出来るだけの数を用意することは難しい(インテリジェンスの錯誤等もこれを助長する)。これは殊空については、湾岸に於いてイラク空軍を圧倒するも、地上の動きを止めるには至らなかったあたりからも窺えると思う。

2016-04-25 03:46:11
錆猫 @Nyar_Horten

となると、海空で縦深を前進させ極力敵戦力の漸減を図りつつ、揚がって来た戦力を陸海空の統合的な戦力で叩く≒相手のエネルギーを相殺するエネルギーの投入というのが戦略的守勢側の採り得る手段になる(エアランドバトルをイメージすれば概ねあってると思う)。

2016-04-25 03:51:50
錆猫 @Nyar_Horten

敵が領土に足を踏み入れて以降の対処はその地理的条件に左右される。面積が広ければ時間と距離を活かせばいいし(例えば中国の人民戦争)、そうでなければ敵の衝力を相殺し得る戦力を用意すればいい。

2016-04-25 03:55:49
錆猫 @Nyar_Horten

と考えると、例えば冷戦期の我が国の陸上兵力は高い残存性を備えた高火力で高機動(≠移動力)なユニットを主力とする形になるのはむべなるかないうのが何となく窺えると思うの。この辺は空も状況は同じ(常に導入可能な最良の機材を選んできたのはそういう理由だと憶測)。

2016-04-25 04:00:43
錆猫 @Nyar_Horten

ちなみに、この傾向は政治的には兎も角、軍事的には多分今も変わらない。守るべき土地の地理的条件や政治的緊要地の価値自体は冷戦期と何ら変わっていない訳だから。

2016-04-25 04:03:32
錆猫 @Nyar_Horten

但し、近年の戦争観的には多少事情は変わってくる。近年は平時と有事の境目が曖昧で、抑止の意図を明確にしないとなし崩し的に侵略を受けることになる(これはウクライナとか南シナ海の状況を見れば窺えると思う)。

2016-04-25 04:08:03
錆猫 @Nyar_Horten

なので、侵略意図を抱いていると思しき相手に対して常続的な警戒・監視と、相手の動きに即応する戦力を有する必要が生じており、それに対応する我が国の動きが統合機動防衛力構想という、行動することで事態のエスカレートの抑制を図れる体制の構築となるのだと思う。

2016-04-25 04:12:38
錆猫 @Nyar_Horten

意図と能力を明示し続けられる限り、恐らく相手は(有事における政治的損失を考慮して)大規模な侵略を行うことは無いだろうという前提の下、長期の消耗戦に対応できる戦力と体制整備の一環として海空は機材の更新と警戒能力の向上、陸は数的主力の軽量化が行われているのが現状なのだろうな、と。

2016-04-25 04:17:07
錆猫 @Nyar_Horten

ちょろっと追記。空は確かに距離と時間を稼ぐ手段(遠距離への攻撃手段)ではあるけど、我国の立地条件的にそれが許されない、エネルギー同士のぶつかり合いを強要される可能性の方が高いんじゃろうな、と。

2016-04-28 20:45:38
錆猫 @Nyar_Horten

戦略守勢下に於いて空がやるべきは自身や味方兵力の策源、政治的緊要地の防衛になる。我が国のそれ等は南北の方向で見るなら縦深があるけど、東西(というか側面)から見ると無きに等しい状態にある(例えるなら両シナ海を失えば経済的緊要地を直撃されかねない中国の様な状況)。

2016-04-28 20:50:17
錆猫 @Nyar_Horten

当然仮想敵も其れは視野に入れて行動するだろう(露軍機の日本一周なんかはそれの一環じゃろし)から、正面を拘束されつつ、薄い側面を突かれる(≒時間で相手のエネルギーを相殺できない為、相応のエネルギーを用意する必要がある)可能性が否定できない状況が想定されると思うのね。

2016-04-28 20:54:56
錆猫 @Nyar_Horten

空自が(高度な防空システムの手足としての)高性能な戦闘機を求め、更に旧式化した戦闘機(後にFS)や高練までも防空戦に駆出そうとした背景は、案外陸が重戦力に拘らざるを得なかった状況と同じなんじゃろうね、というお話。今も本質的なとこは変わってないんじゃろうけど。

2016-04-28 20:58:23
錆猫 @Nyar_Horten

昨晩の追加話でちょろっと中国を例にしたけど、それに対して彼らが採ったのが海方向への縦深の拡大と考えると両シナ海の行動は分らなくもないのよな、理解を寄せる気は無いけど

2016-04-29 06:04:07