- tasobussharima1
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海賊船。一言で表現するならば、その船はそう呼ばれるべきだろう。 とはいえ、中世の海賊が好んだような小型帆船(ブリガンティン)ではない。滑らかな複合材料の船体を持った、複胴構造の中型船だ。 だが、甲板を覆っていた太陽電池パドルは撤去され、代わりに雑多な装備や武装が設置されている。
2016-04-29 22:04:06この船こそが、船団の誇る最大戦力たる改造武装船舶、『セミマルⅢ世』である。 徳エネルギー時代。人類は戦争を捨て去り、それと共に高度な兵器製造技術をも喪った。だからこそ、『セミマルⅢ世』の武装は、人類最盛期の技術を維持する得度兵器と比べれば数百年以上の開きが存在する。
2016-04-29 22:08:03しかし対人戦をする限りは兵器製造技術が失われているのはお互い様。あえて言うならマロ氏がその気になれば色々作れそうではあるけど #徳パンク
2016-04-29 22:09:59だが、そんなことは関係ない。兵器に使われる技術に何百年の開きがあろうと、銃は、砲は、爆薬は、野蛮な物理法則に従い機能し、相手を殺傷するのだから。 加えて……彼等の仮想敵だった得度兵器には、大きな足枷が存在する。『人間を殺さない』、という呪縛が。得度兵器は、人を救うために存在する。
2016-04-29 22:12:04ブッシャリオン! 武器のテクノロジがない…よく文献だけで再現したなぁ、「それ」 徳文明ともなれば、早い段階で工作作業が全自動化してそうでもあるけれど #徳パンク
2016-04-29 22:12:13得度兵器的にはマロ氏はどういう扱いになるのかなぁ。まぁまずは徳エネルギー兵器が効くかどうかが全てなんだろうけど #徳パンク
2016-04-29 22:15:57それは、この船を操る彼等にとっては、ただの戦術的優位の材料でしかない。 解脱という救いに少しでも縋るような人間は、何処かで脱落した。救いを求める心は、過酷な戦いには耐え続けられない。 「……つまり、戦闘は近いんだな」 「ええ、そうなりますねェ。なので一応、様子を見て来いと」
2016-04-29 22:16:02『セミマルⅢ世』の船長室。そこでは、『アタケ』と、白い髭をたくわえ、船員制服に身を包み、肩に四本の線の入った肩章を身に付けた男……即ちこの船の船長とが将棋板を挟んで向かい合っている。 「……勝てますかねェ?」 『アタケ』は船長に問う。 「10手先で、君の詰みだ」 船長は答える。
2016-04-29 22:20:02「いえ、戦闘の話ですよ」 『まいった』のジェスチャーをして、『アタケ』は将棋板を片付け始める。 「私の船は、過去最高の状態にある。言えることは、それだけだ」 船長はそう返す。だがその口調には、自信が溢れていた。 「それは何よりですねェ」 「『船団長』にも、そう伝えてくれたまえ」
2016-04-29 22:24:03尤も「私は 攻撃的な 船舶を 攻撃しています」と解釈出来るようにカメラ解像度が著しく低いモデルを投入とかやりようはありそうだけど #徳パンク
2016-04-29 22:26:18