ニンジャカタナ!Location#A.D2399 Chapter 1 『A.D2399』
こんばんはー! この後からニンジャカタナ!の新章#A.D2399の投稿を開始します。皆様忙しい時間帯となりますが、ラジオの流し聞き程度の認識で視界の片隅に置いて頂ければ幸いです。また、当アカウントで投稿するのは本日が最後になります。以後連載は@NJkatanaにて継続します。
2016-04-30 19:30:59もし継続してニンジャカタナ!をみてやってもいいぞ!という皆様方におかれましては、@NJkatanaアカウントをフォローして頂ければ幸いです。また、当アカウントでの連載は終わりますが、宣伝、まとめ報告などは以後も行います。今後とも、宜しく願いします!
2016-04-30 19:33:04ニンジャカタナ!新章開始前に、一度登場人物紹介で3ツイート。既存エピソード紹介で2ツイートにて、改めてご案内させていただきます。ではでは、宜しくお願い致します!
2016-04-30 19:37:04人物紹介:カタナ ミドリムシと呼ばれる純エネルギーと対話する力を持つ蒼髪の少年。 性格は粗野だが暴を嫌い、例え敵対者であっても倒した後に治療するほど。 かつてニンジャと呼ばれる集団の一員だったが、100年前、とあるコロニーで自分以外の全てのニンジャと戦い勝利――これを消滅させた。
2016-04-30 19:39:21人物紹介:リーゼ 自称天才発明家の赤髪少女。 一族の夢、宇宙到達を生涯の目標としており、そのために様々なコロニーを巡って未知の技術を集めていた。 自作の極所用ローダー『ヒンメル』を乗りこなし、その操縦技術は天才の域。 夜空を落下するカタナを彼女が拾ったことでこの物語は始まる。
2016-04-30 19:40:52人物紹介:カーヤ 切りそろえた金髪の髪に、上下ダークグレーのスーツを完璧に着こなす、見た目10歳前後の少年。 ビーンズと呼ばれる自己進化・自己改良・自己増殖可能な自律機械群を統率する権利を持つ。 カタナの相棒兼保護者を自称しており、振り回されつつもカタナを完璧にサポートする。
2016-04-30 19:42:40既存各話紹介 ◆Location#93 リーゼとカタナの出会い。 滅びたコロニーを舞台に、一人の少女を巡る戦いが繰り広げられる。 ◆Location#225 巨大商業圏オールセル。 そこで開催されるエアレースと、その裏で蠢くテロ組織との攻防。
2016-04-30 19:45:02以上になります。 今からTLで公開するニンジャカタナ! は、カクヨム上で公開している作品の最新話部分になります。全話URLはこちら! 今回から新章『がらくたの神様』スタートです。 kakuyomu.jp/works/11773540… pic.twitter.com/Cbi0EOUtLG
2016-04-30 19:46:46――ニンジャだって? ふざけてる。きっとこれは悪い夢だ。 そういえば昨日の夜はとても古い、空飛ぶサメが襲ってくる話を見たんだった。きっと、そのせいでこんな夢を見てるんだ。早く、早く目を覚まさないと――。
2016-04-30 19:49:09赤い閃光。 とっさに飛び退き、冷たい金属製の床の上を転がる。斜め上の非常灯がまるでカッターで斬られた厚紙みたいにまっぷたつになって割れる。 僕は額から流れる血にも構わず床に手を突いて起き上がると、非常階段へのドアを開け、投身自殺みたいにその隙間に体を滑り込ませる。
2016-04-30 19:50:56ドアが閉まりきるより速く、二度目の閃光がドアを吹き飛ばした。 「ビーンズ!」 いつもなら絶対に言わない台詞をがむしゃらに叫んだ。格好なんて気にしてられない。僕の言葉に反応して壊れた壁がねじれ、丸い自律機械に変形する。 「命令だ! 僕を守れ!」 僕は振り返りもせずに叫んだ。
2016-04-30 19:53:01僕の神経に『わかりました、神様』という声が響く。そうだ、神様だ。お前たちの神様だ。だからちゃんと守れ! 次の瞬間、僕を襲う振動と衝撃。上を見る。斜めに切り裂かれ、火花を散らすビーンズ。その上にニンジャの黒い足が見えた。 「ふざけるな!」 声が裏返ったのが自分でもわかる。
2016-04-30 19:55:15狂ったように叫ぶ僕の声が、壊されたビーンズや、まわりの壁からも丸い小さなロボットを生み出していく。 「守れ守れ守れ! 僕を守れッ!」 ニンジャめがけてビーンズが群がる。無理やり作ったギザギザの足や手を突き刺していく。 もしビーンズが壊れても、あいつらはその場で自爆する。
2016-04-30 19:57:17僕は階段を駆け下りながら、少しだけ安心して深い息をはいた。けど――。 「これが地上の技術の頂点か。ガラクタ、だ」 ニンジャの赤い光が影を作る。階段や手すりの影が目に飛び込んでくる。その影の中で、ビーンズが為す術もなくスポンジ状に崩れていくのが見えた。 爆発は――しない!?
2016-04-30 19:59:16「この、役立たず!」 『――ごめんなさい。神様』 ごめん? ふざけるな。なんて使えないゴミなんだ。謝る暇があるなら、くらいついてでも僕を守れよ! (このままじゃあ、僕が死――) 瞬間、非常階段を駆け足で降りる足がもつれ天地が逆さまに。目の前が真っ白になって即、黒に。
2016-04-30 20:01:29――見上げれば空がある。その空を横切る橋がある。それは、当たり前のこと。 真っ青な空。丸々とした白い雲。そして、その先の空にうっすらと浮かび上がる銀色の橋――。 あれが橋じゃないなんてことは知ってる。けど、僕には橋以外にあれをあらわす言葉が思いつかない。
2016-04-30 20:04:20正しくは橋じゃなくて大地らしいけど。 僕から言わせれば、銀色の大地なんて馬鹿げてる。でも、僕はすぐにそう考えたことを後悔した。 まるで、負け惜しみじゃないか――。
2016-04-30 20:06:21――僕たちが教科書でしか知らない時代。 21世紀初頭から拡大した、持つ者と持たざる者の格差はその後も増大を続け、22世紀の初めには富裕層に対する武力衝突が頻発。暴力という野蛮な手段でその豊かな生活の報復を受けた富裕層の人々は、持たざる人々に富と仕事を分配することを約束。
2016-04-30 20:08:26その結果が、あの空にかかる橋。 地上3万5千キロメートル。静止軌道上に建造され、この地球をぐるりと一周する巨大なリング――サードライン。 約束は守られた。条約は履行された。サードラインを新たな大地と定めた富裕層たちは、本当に二度と地上に降りてこなかった――。
2016-04-30 20:11:04(降りてくるわけない。僕たちは体よく捨てられたんだ――) 富裕層が去った地上では疫病が蔓延。各地の紛争は絶えず、それどころか、全世界規模の戦争すら起こった。貧富の格差はさらに広がり、飢えと貧しさが世界を覆った――。 結局、あの人たちは必要だったんだ。
2016-04-30 20:12:50そんなこと、子供の僕にだってわかる。当時の人たちだってわかってたはずだ。 でも、押し切られた。彼らが『上』に行くのを、99%を占めていたはずの人たちは止められなかった。 今では、サードラインには楽園のような暮らしが待っているとか、とっくに滅んでもぬけの殻になってるとか――。
2016-04-30 20:14:29