施設での看取りは「体裁を整えた現代の姥捨て山」

先日来、高齢者での胃瘻造設や、延命について議論されていたので、自分のtw中心にまとめてみました。 高齢者への経管栄養やリハビリ、誤嚥性肺炎の治療などに現状で多くの問題があるのは間違いありません。胃瘻造設の是非だけを考えるのではなく、どの様に老いて、どの様に死んでいくかを考えることが、よりよく生きることに繋がるのでは?
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田舎の元外科医 @inakashoge

胃瘻や経鼻経管での経腸栄養を諦めるといういことは、栄養療法だけでなくST含むリハも諦めるということ。ただ、食べられなくなった老人全てにSTを行うリソースは世界中のどこにもないし、現在でもリハするのかしないのか何らかの選択、つまり線引きは行われている。

2016-05-01 15:24:24
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 日本が世界と大きく異なることは、経管栄養は行うが、リハは行わないという選択肢が大きくなっていること。回復を期待して経腸栄養、リハを行っても食べられない人では、リハは中止されるが、経管栄養はそのまま継続される。経管栄養の中止は消極的安楽死と評価されるから。

2016-05-01 15:29:40
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 「消極的安楽死と評価される」の部分を補足すると、これは法的な問題だけでは無い。家族も医療者も経腸栄養を中止して本人を餓死させるという決断は日本では取り辛い。将来尊厳死法案が可決されたとしても、本人の意思が尊重されるとは限らないと思う。

2016-05-02 21:30:59
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 姥捨て山論に拒否反応を示される方も多いが、現状で進められている施設での看取りは、「体裁を整えた現代の姥捨て山」だと考えている。誰もが急性期病院で亡くなることが出来る時代は過ぎ去った。結果的に低コストで、家族も納得できる病院外での看取りが必要とされている。

2016-05-02 21:37:58
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge また、本人の意思に拠る終末期の在宅ケアと放置による虐待の境界線は常に曖昧なもの。家族を犯罪者にしないためにも、終末期に最低限のケアを入れるよう対象者を拾い上げ、在宅で看取るか救急搬送時には蘇生しないという仕組みは作る必要があるだろう。

2016-05-02 21:50:25
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 急性期医療の現場では、積極的医療介入自体が患者本人への虐待ではないかと思えることは珍しくないし、虐待と治療の境界線は個々の医療者によってかなり異なる。SNSが普及した今、団塊世代には後期高齢者が病院に行くとどうなるのか現状を知らすことは出来るのではないか。

2016-05-02 21:54:32
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 先日外来で胃瘻チューブ交換をした患者さんが、退院時よりかなり滑舌よく発声されるので、経口摂取トライしてみましょうかと家族と相談し、外来でVF(嚥下造影)を行った。誤嚥性肺炎で少し早く亡くなるかもしれないけど、死ぬまで絶食も可哀想でないですか?とお話しして。

2016-05-02 22:07:41
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 外来でVFの結果、ゼリー少量なら大丈夫かなとSTと評価。その旨伝え、家族は肺炎のリスク増加は覚悟の上自ら介助で食べさせたいと話していたが、付き添いの施設のNsは露骨に施設としては食べさせたくないとおっしゃっていた。確かに施設の負担が増えるのは間違いない。

2016-05-02 22:11:33
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge そこで一歩進んで、誤嚥性肺炎になっても病院に搬送せずに、経管から抗生剤投与を行う位で、施設で看取るということが確立すれば、胃瘻して少し元気になっても全く口から食べられないという方が減るのではないかと思う。施設入所時に、家族も施設も腹を決めれば出来る。

2016-05-02 22:16:16
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 私がNSTで胃瘻を造設し初めて15年たちますが、胃瘻造設後に食べられる方が一人でも増えると自分は嬉しい。死ぬまでずっと絶食が続くのと、最小限でも良いから口から食べて結果的に早く亡くなるのと(家族にとってではなく)本人にとってどちらが幸せだと思いますか?

2016-05-02 22:19:42
田舎の元外科医 @inakashoge

@akubichandobin こんばんわ。自分なら濃い目のワインゼリーや、スープをゼリーで固めたものが良いですね。自分たちは夫婦でお互いに胃瘻は造設しないと今のところ話しています。

2016-05-02 22:25:48
田舎の元外科医 @inakashoge

@mimie_ing 急性期のリハで見込みがないなら、回復期に転院でなく、リハの無い施設に直接入所とかですね。病院では医療保険の制約からリハビリのみ実費は不可能。全額自費になります。またリハビリの日数制限もありますから永遠には続けられません。

2016-05-02 22:37:28
田舎の元外科医 @inakashoge

@tamakiti161 何を重視するのかでアプローチは異なります。私は高齢者の医療では、現状目的が延命に偏りすぎていると感じていますが様々な意見があるでしょう。ただ延命よりもQOLを重視すると、家族とリスク評価を行うことが必要となり、家族内でも意見がまとまらない場合も多いです。

2016-05-02 22:42:36
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 2年前のまとめ。「胃瘻造設後の、施設、在宅での嚥下リハ。」 togetter.com/li/648812

2016-05-02 23:31:44
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge これは2年半前のまとめ。「尊厳死法案と高齢者の看取り」 togetter.com/li/609560

2016-05-02 23:33:25
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge これは1年半前のまとめ。「【2025年問題】激増する高齢者の看取りと地域包括ケアシステム」 togetter.com/li/764043

2016-05-02 23:34:40
田舎の元外科医 @inakashoge

@Dr_kumicho @azuki_pooh リハビリ目的の栄養療法の手段としてのPEGを否定する人はいないと思います。例えばPEG造設後1年で、栄養剤や関連費用を医療保険から外す等が次の段階では?

2016-05-01 19:54:28