ふぁぼしてくれた方に小説の書き出し一文プレゼント

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お米 @mogmog_nerune

🖋 @b92tsikm その細胞は、彼のカラダ全体に行き渡り、支配するように蝕み始めた。腕や脚も細くなり、声に覇気がなくなった。しかし、日が経つにつれ彼の目は、うっとりするような紅緋色にいつしか染まっていく -… pic.twitter.com/VmUo8v5xeH

2016-04-13 17:46:12
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @sehunaaa412 追い詰められた君と、怒りを抑えきれない私の間に、春の冷たい風を忘れさせるほどの緊張感が漂った。「…怒ってる?」じんわりとした首筋に弱々しく響いた彼の声に、不思議と落ち着いた自分がいた ー… pic.twitter.com/mcRTXr9gm2

2016-04-13 17:52:03
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @wavixo 大きな扉が開かれると同時に、激しい雨音と黒い衣装に身を包んだ団体がうわっと流れ込む。後ろを振り返ると、満面の笑みを浮かべた一枚の写真が飾られていた。「やっと親父が死んだ」耳元で小さく雨音が鳴り響き続ける ー… pic.twitter.com/ASh3s8CRzl

2016-04-13 23:04:30
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @Ohunl__94 「最低」それしか出てこなかった。握る拳は雨で冷え、指先だけにほんのり熱を感じた。なんか言ったら?投げかけたい言葉をいくつも並べながらゆっくり顔を見ると、私に向けた初めての顔に、喉が熱くなった ー… pic.twitter.com/idKFhmZRDG

2016-04-15 22:41:44
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @o94412o ため息が広い部屋に響き渡った。朝がくれば今日も奴隷として生かされる。自分の意思を出そうものなら、息が浅くなるほど全身にアザを作られた。「側にきて」愛おしそうに呼ぶ彼の声は、私の体の痛みを忘れさせてくれる ー… pic.twitter.com/DZm6jpOAyg

2016-04-15 23:01:26
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @15_354I 「夢は夢のまま」誰かがそう言った。そうかもしれない。目を閉じたら、たくさんの光があった。笑顔が見えた。夢は、夢のままでいいのかもしれない ー… pic.twitter.com/1UGRd5vHp5

2016-04-17 21:20:29
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @3030xe 「楽しくて楽しくてしょうがなかった」奴の放った一言で、どれだけの人間が身を震わせただろう。20XX年・都市連続殺人事件。そのとき、私と彼の距離は、不思議とそれほど離れてはいなかった ー… pic.twitter.com/FZB4XHPq8f

2016-04-17 21:49:57
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @m_xo15 走り出した足がゆっくりと止まり、胸の高鳴りは頭の中で静かに消えた。新調したスーツが今更堅苦しく感じる。「さあ、おいで」この道の先に待ち構えている未来を、僕は少し焦らした ー… pic.twitter.com/qv3sgovwsx

2016-04-24 00:04:36
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @b_xsm4 彼を知る者はいない。名も無き光が夜の街を彷徨いながら、道を照らした。風は止み、早足だった雲の動きがゆっくりと目で追えるように流れ始めた。耳をすませば彼らの声が、こだまする ー… pic.twitter.com/5BH5WVfPS1

2016-04-24 00:25:26
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @__xo92361 僕には兄がいた。血は繋がっていなかったが、たいして気にはしていない。彼はキキョウという珍しい花を大切に育てていた。その花のように、清楚で、弱々しくも前向きに生きた彼の話を、少し話そう ー… pic.twitter.com/IsI4jpuTKC

2016-04-24 00:30:25
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @921228_ 脳内が揺れ動く。人も街並みも、何もかも変わってしまったこの場所にはもう、思い出は皆無であった。夜になれば朝が来る。朝が来ればまた、”思い出”を思い出す瞬間がくるだろう。私の記憶は、行き場を見失ったままである pic.twitter.com/sm29tTEpAK

2016-04-27 15:22:46
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @xolz7xo 見てはイケナイ、彼の秘密を見た。”見た”というより、”見せられた”に近いだろうか。それにどこか安心した自分と、圧迫感を負う自分がいた。共存してはいけない感情を浴びせられ、呼吸をも忘れてしまっていた ー… pic.twitter.com/Iqihmmfvuh

2016-04-27 15:33:39
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お米 @mogmog_nerune

🖋 @045692_b 三年前の自分に後悔していた。「何にもいらない」なんてよく言えたものね。三年後の今その言葉の通り、私には何もかも無かった。捨てられたんじゃなくて捨てたの。そう言い聞かせるしかないでしょ?彼の写真に愚痴をこぼす pic.twitter.com/RV6PXlGNZf

2016-04-27 15:45:46
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お米 @mogmog_nerune

✒️ @suu__9192 彼を悪く言う人間は、誰一人としていなかった。私の同期である、が、まだ一度も話したことはない。そんな或る日のこと ー 「一緒に昼食でも、いかがですか」口に含んだコーヒーを急いで流し込んだ pic.twitter.com/H0LztzYd0g

2016-05-04 20:38:38
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お米 @mogmog_nerune

✒️ @ashinoshibire 一〇年ぶりの帰省だった。まだ夏になりきれない、そんな暑さを感じさせられながらゆっくりと家路に着いた。ふと、部屋の押し入れを整理した際に出てきた一枚の写真。名前らしき部分は黒く、塗りつぶされていた pic.twitter.com/Lfxo4uFj64

2016-05-04 23:28:01
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お米 @mogmog_nerune

✒️ @wktofu5 激しい息切れと足の震えと同時に、心細さが胸の底から湧き出した。目を閉じ、頭の中の彼に問いかけるように、息を整える。黙って口を重ねても、彼は何も言わなかった。言えなかったんじゃなくて、きっと言わなかった pic.twitter.com/tkUTCTKLKQ

2016-05-04 23:56:29
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