Appleの自閉症の動画はニセ科学なのか?
そもそもの発端は4月3日
ツイッターであれこれ検索しているときに見つけた。
"We are capable of so much, if we just open our minds." We can all learn from Dillan about #AutismAcceptance apple.com/autism-accepta…
2016-04-03 02:40:54ということで、とりあえず以前のツイートを引っ張り出した。
(※1 RPM=Rapid Prompting Method)(※2 FC=Facilitated communication)
(※3 FCは日本では 『NHKの奇跡の詩人』 と言うと通りが良い)
RPMについて前に書いたこと。 twitter.com/berutei/status…
2016-04-05 06:29:18とあるRapid Prompting Method (RPM) の動画を見て、非常にdangerousと感じるのは、他者の手がデバイスを保持しているところ…。その他者が無意識に力を込めることで Clever Hans phenomenon の生じる危険があると思う…。#RPM
2016-03-04 21:16:43RPMについて前に書いたこと。 twitter.com/berutei/status…
2016-04-05 06:29:35また、疑問に感じる点としては、なぜ取材者は子供たちがタイプする様子だけ映して満足してしまうのか?ということ。それを使って友達と遊ぶ様子とか、買い物する様子とか、言葉が日常生活で役に立っている場面をなぜ取材しないの?と不審に感じてしまう。#RPM
2016-03-04 21:24:44ずいぶん遅くなってしまったが以下補足。
@berutei これらの指摘だけでは言葉足らずだと思うので、もう少しだけRPMについて書いておくことにします。 ※ まず念のため述べますと、私はこの件について自閉症スペクトラム者の知性や感情や能力のことを問題にしたいのではありません。(→続く)
2016-05-04 22:11:16@berutei →※ 単純に「間違った手法によって本人の意思でないものが本人の言葉であると誤解されたら、それは当人や周囲の人の不利益に繋がるのではないか」と不安に思い、注意を促したいという理由からこれを書きます。(→続く)
2016-05-04 22:12:07@berutei →※ このような誤解は全ての人間に起こり得るものです。先だってのエイプリルフールには、Gmailの『Mic Drop』騒ぎ、などという事もあったわけです……。(→続く)
2016-05-04 22:12:52@berutei →私がRPMについて何を懸念しているかと言うと『クレバーハンス効果(クレバーハンス現象)』である。クレバーハンス効果の説明はここでは省略する。WEB上を探せば分かりやすい解説を見つけることができるだろう。(→続く)
2016-05-04 22:13:17@berutei →※ここでも念のため述べておくが、すべてのRPMがクレバーハンスで説明できるとは私も断言できない。(→続く)
2016-05-04 22:13:33@berutei →RPMは書き手が「独立して」文字入力しているからFCとは違うのでは?と思いたくなるところだが、馬のハンスも「独立して」解答を行うことができた。他者の反応をうかがうことのできる状況では。(→続く)
2016-05-04 22:13:49@berutei →RPMではキーボードや文字盤を介助者が持つことがあり、一方で書き手の指は盤上をゆっくり移動していることも多い。例えば書き手の指が「正解」のキーに触れたときにキーボードをわずかでも押し上げる動きがあれば、それは書き手への「合図」になり得る。(→続く)
2016-05-04 22:14:13@berutei →クレバーハンス効果における「合図」とは、その人が完全に無意識のままで起こしてしまい得るものだ。そして人間は馬ではないので、当然ながらハンスよりもずっと複雑な「解答」ができるだろう。(→続く)
2016-05-04 22:14:44@berutei →たとえば私はフランス語はかじった程度だが、それでも「je s...」と来たら「これはsuisかな?」とか「poiss...」と来たら「on?」位の類推はできる。(→続く)
2016-05-04 22:15:37@berutei →こうやってヒントを与えられながらであれば文章は書けるだろうし、単語の綴りも覚えていくだろう。しかし書かれたフランス語の文章が私の意思を反映しているかと言えばそれは違う。(→続く)
2016-05-04 22:16:31@berutei →RPMの中には「クレバーハンスでも説明できるし、単に本人の入力であるという説明もできる」という状況もあるだろう。ただ、クレバーハンス効果は少し見ただけで判別できるものではない。(→続く)
2016-05-04 22:18:00@berutei →曖昧な状況下では「絶対に本人の入力だ」とも言えないわけである。元祖のハンス(馬)も詳細な検証が必要だったのだ。(→続く)
2016-05-04 22:18:27@berutei →RPMはこのように、確かな信頼性は得られていない手法である。それを証明された事実のように宣伝するのは当然ながら良くないことである。その理由は、繰り返しになるが、事実だと信じた人やその周囲が不利益を被る可能性があるからだ。(→続く)
2016-05-04 22:19:27@berutei →では、もしAppleという企業が、そのよろしくない宣伝の一翼を担ってしまったとしたら…? ということで、Appleの件についても触れているCSI(アメリカのいわゆる懐疑団体)の記事を紹介して終わりにしよう。(→続く)
2016-05-04 22:23:47@berutei (リンク先は英文) Syracuse, Apple, and Autism Pseudoscience - CSI csicop.org/specialarticle…
2016-05-04 22:24:20