薬学たんと薬の日
- Yakugakutan
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@zatutan 薬学たん@誕生日にしようかと思いましたが、ちょっとこれだけフォロワーのいるアカウントでやるには勇気が足りず、そっとプロフィール編集画面を閉じました……
2016-05-05 11:32:17紀元はおよそ1400年前、611年の今日5月5日だと言われています 推古天皇という方が奈良の兎田野というところに鹿茸というお薬を取りに行ったことが始まりだとされています!
2016-05-05 12:40:37ではその鹿茸(ロクジョウ)とは何か? 実は鹿茸というのは、梅花鹿(バイカロク)や馬鹿(バロク)といったシカの角なのですっ! 鹿茸の正体も驚きですが、馬鹿という名前のシカがいることも驚きですよねっ!笑
2016-05-05 12:54:48鹿茸は古くでは珍しくてお高い生薬として扱われていました 中でも、生え変わったばかりの若い角ほど薬効も期待できるとされ、重宝されました! シカの角は春先に抜け落ちて新しく生え始めるため、鹿茸をとりにいくにはこれくらいがちょうど良い時期だったのだと思います……!
2016-05-05 13:03:28そういう訳で、この時期に推古天皇がたくさんのお役人さんを引き連れて鹿茸や薬草などの薬を取りに行きました その後、この薬狩りが恒例行事となっていき、5月5日を薬日とした というように日本書紀に書かれているそうですっ!
2016-05-05 13:07:14さて、日本では5月5日はこどもの日として知られていますね? この日は菖蒲湯に入るなんて文化が今でもまだ残っていますね!
2016-05-05 13:15:59この菖蒲(ショウブ)は、サトイモ科の植物で白菖や菖蒲根と呼ばれる生薬としても用いられる薬草です! 葉の形が刀に似ていたり、香りが強いことから邪気を払う植物として捉えられていたようです ちょうど5月頃に花が咲きますし、薬狩りでもきっと採取された薬草であろうと思われます!
2016-05-05 13:22:58菖蒲の強い香りはオイゲノールなどの精油成分で、菖蒲湯は薬湯としての意味を持っていたりしますっ! よく葉の部分を使うかと思いますが、根茎(根っこみたいなもの)を使った方が薬効としては高いみたいですね♪
2016-05-05 13:29:44他にも、薬狩りで取った香りの強い薬草を錦の袋に入れ、菖蒲や蓬(ヨモギ)を添えて5色の糸で飾ったものを邪気を避ける目的で柱や簾に飾ったり、贈りあったり、身につけて持ち歩いたりする文化もあったそうです 今日では「くす玉(薬玉)」として残っている文化です♪
2016-05-05 13:46:035色の糸と聞いて鯉のぼりの吹き流しを想像した方、鋭いですね これらはどちらも陰陽五行論という考え方の影響を受けてます!
2016-05-05 13:57:41吹き流しも多くは5色の布で作られていると思いますが、きちんとした鯉のぼりの吹き流しは、 青(もしくは緑) 赤 白 黒(もしくは紫) 黄 の5色で作られていると思います
2016-05-05 14:03:03さて、陰陽五行論は、古代中国の思想で全てのものは五つの元素によって構成されており、また全ての物事はその五つの要素に分けられるといった考え方です ちょっと分かりにくいので、例を挙げながら説明します
2016-05-05 14:07:11まず五つの元素とは 木 火 土 金 水 の五つだとされています ここに、例えば季節や色、方角や臓器などが割り当てられていきます 季節なら 春は木 夏が火 土用(季節の変わり目)は土 秋は金 冬は水 ですね
2016-05-05 14:12:58そして、吹き流しの5色もここに割り当てられるわけです 青(緑)は木 赤は火 黄は土 白は金 黒(紫)は水 といったような感じです! ところで、"青春"っていう言葉はここから来ているんですよ♪ 季節のうち春は木に割り振られており、色のうち青も木に振り当てられていますね!
2016-05-05 14:15:05この陰陽五行論という考え方によれば、簡単に言ってしまえば、この五つの色を揃えることは縁起が良かったんですね! ですからくす玉に使われていた糸の色も、鯉のぼりの吹き流しの色も、ちゃんと意味があってのことなんですね
2016-05-05 14:22:50え? なんで私が古代中国の思想にくわしいのかって? #聞いてない それはもちろん! 陰陽五行論が漢方医学を始めとする東洋医学に関係しているからですっ!
2016-05-05 14:25:39例えば小青竜湯なんかは陰陽五行論によく関係した名前を持っています 参考: togetter.com/li/950342 これは 木には青竜 火には朱雀 土には麒麟 金には白虎 水には玄武 といった幻獣がそれぞれ割り当てられていることに関係しているんですね
2016-05-05 14:44:25ちなみに青竜の名を冠する小青竜湯の他に、よく使われる漢方薬の中には白虎湯という名前のものや、真武湯(元々は玄武湯と呼ばれていたと言われる)というものもあります! 朱雀湯という方剤もありましたが、十棗湯と名前を変えている上、今日漢方薬として使用されることはほぼないですね……
2016-05-05 14:56:37他にも、主要な臓器(当時は解剖学なんて無かったので、想像上の臓器ですが……)も五つに分類されています 肝は木 心は火 脾は土 肺は金 腎は水 ですね 漢方医学を始めとする東洋医学では、こういった概念なんかに照らし合わせて病態を分析してたわけですね
2016-05-05 15:03:47五臓六腑という言葉もそこからきていますね 具体的なお薬の話をすれば、例えば抑肝散(ヨクカンサン)という処方があります もちろんこの"肝"とは、ホントの肝臓のことではなくて東洋医学でいうところの肝です
2016-05-05 15:12:50では、東洋医学の肝はどんな働きを持つのでしょうか? ①胆汁を排泄し、解毒を司る ②全身を動かすエネルギーを作る ③感情をコントロールする ④臓腑の働きを調整する ⑤血液の供給を調整する ……実際の肝臓の働きとは関係ないものもありますが、こんな感じだとされています
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