Concordia 44thへのあれこれ

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きよ太 @kazkiyota

マンドリンオーケストラコンコルディア第44回定期演奏会 6月18日(土) かつしかシンフォニーヒルズ concordiablog.seesaa.net/article/438706…

2016-06-07 05:46:25
きよ太 @kazkiyota

小櫻秀爾のファンタジーIIは、I. AdagioとII. Vivaceという2つの楽章からなるが、IIの最後にIの主題がAdagioで再現される。このため、全体には緩-急-緩の三部形式と見ることができる。

2016-05-07 16:03:29
きよ太 @kazkiyota

全体を緩-急-緩として、最後の緩を簡素な再現とするのはバロックのフランス風序曲に通じる楽式観がある。

2016-05-07 16:10:00
きよ太 @kazkiyota

曲全体をまとめているのは4度の跳躍である。

2016-05-07 16:13:29
きよ太 @kazkiyota

第1楽章はおおむね三部形式による。 4度を弱起にもつ主題が模倣によって繰り返し現れる。この模倣は4度上-5度上を基本とする(主-下属-主-下属となるので、フーガの逆の模倣)。 中間部は、主題の展開を行う前半とテンポが変わり新たな楽想が出る後半からなる。

2016-05-07 16:19:45
きよ太 @kazkiyota

第2楽章は、序奏-第1主題-第2主題-第1主題-第3主題-展開部1-序奏の再現-第1主題の再現-第2主題の再現-第1主題-展開部2-第3主題-第1主題のVivaceと、第1楽章の再現のAdagioからなる。

2016-05-07 16:25:25
きよ太 @kazkiyota

Vivaceの主題は4度の動きを共有している。 第3主題の4度部分は第1主題の部分動機に近く、共通性は高い。 序奏は第2主題の要素からなり、展開部1は第2主題、展開部2は第1主題からなる。

2016-05-07 16:34:47
きよ太 @kazkiyota

調性は古典ほどはっきりはしていないが、第2主題が再現で移調されるのに対して、第1主題と第3主題は再現で移調されない(第1主題は何度も出てくるので、移調される部分もあり)。 この構成はソナタ形式らしい。

2016-05-07 16:44:32
きよ太 @kazkiyota

しかし、主題間の関連性は非常に高い。調性対立も古典ほどわかりやすくはないし、展開部が2つに分かれていたり第3の主題が出てきたりするのは複雑である。

2016-05-07 16:47:42
きよ太 @kazkiyota

まあ、ソナタ形式のいろんな形に触れてもらうという主眼で曲を選んでいるから、これくらい応用編の方が…。

2016-05-07 16:50:51
きよ太 @kazkiyota

ちなみに抒情的間奏曲は、ファルボのソナタ形式の、グレーゾーンの一番薄い側です。 濃い側は田園組曲の第1楽章ね。

2016-05-07 16:56:16
きよ太 @kazkiyota

祖国への愛は調性設定のグレーゾーンとしてはファルボで言うとプレクトラム四重奏曲くらい。

2016-05-07 16:59:58
きよ太 @kazkiyota

序奏と主題の要素が共通している点はファンタジーIIと同じだが、2つある要素がいずれも第1主題に入っているのが特徴。 一つの主題に複数の音楽要素を入れ込む祖国への愛と、複数の主題に共通の音楽要素を用いるファンタジーIIは対極と言えるかも。

2016-05-07 17:03:05
きよ太 @kazkiyota

演奏表現のトレーニングの観点では、2小節モチーフのフレージング表現を身に着けてもらうつもりで、それが出てくる曲を選んでいる。 2小節モチーフ自体は以前もやったけど、今回はそれに続く外しの部分との組み合わせで表現を掴むつもり。

2016-05-07 17:09:26
きよ太 @kazkiyota

群炎IIは主題が2つあるんですが、 concordia.or.tv/comment/43_03.…  ここで主題Aと言っているメインの主題は3か所出てくるんですね。

2016-05-08 17:23:33
きよ太 @kazkiyota

ところがよく聴くと、最後に出てくるときには主題の一部が省略されているんです。 youtu.be/1mJ8v0VxO9A 一番最後、3度上がって2度上がる音型が省略されています。

2016-05-08 17:27:48
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きよ太 @kazkiyota

群炎IIの終わったところから群炎IIIが始まるとも言えるでしょうし、群炎IIで失われたものを群炎IIIで得ているとも言えるでしょう。

2016-05-08 17:34:54
きよ太 @kazkiyota

群炎IIで群炎Iの主題の断片が引用されているように、群炎IIIでは群炎IIの主題の断片が引用されています。中間部でそこだけアクセントがついている旋律がそれ。

2016-05-08 17:37:42
きよ太 @kazkiyota

群炎IIで群炎Iの主題の後半(前半が特徴的なのに)を引用していたのと同じように、群炎IIIでも群炎IIの主題の後半(同じく前半が特徴的なのに)を使っています。 群炎IIIでの引用では、やはり最後の3度上がって2度上がる音型は省略されます。この部分は群炎IIIの主題だからですね。

2016-05-08 17:41:52
きよ太 @kazkiyota

マンドリンオーケストラコンコルディア 第44回定期演奏会 2016年6月18日(土) 17:00開演 かつしかシンフォニーヒルズ 祖国への愛(F. Amoroso)、抒情的間奏曲(S. Falbo)、ファンタジーII(小櫻秀爾)他 concordia.or.tv/concertinfo.ht…

2016-05-08 18:41:39
きよ太 @kazkiyota

祖国への愛の楽式分析が難しいのは、二重構造になっているからなんだよな。 ソナタ形式として見た場合の形式上の主題が本質的な主題と違っているという。

2016-05-14 21:04:35
きよ太 @kazkiyota

序奏に現れる3度上-4度上-2度下の音型とリズムモチーフが本質的な第1の主題、その後現れる上部刺繡音が本質的な第2の主題。

2016-05-14 21:08:07
きよ太 @kazkiyota

ややこしいから本質の主題をAとBと呼ぶことにするか。

2016-05-14 21:09:14
きよ太 @kazkiyota

ソナタ形式として見た場合、Allegro giustoに入ってからのホ短調の部分が第1主題、ト長調の部分が第2主題ということになる。 ところがこの区分は本質主題AとBに分かれてはいない。

2016-05-14 21:12:34
きよ太 @kazkiyota

Allegro giustoの前半は部分は本質主題Bの要素でできている(伴奏のリズムは本質主題A)。一方後半は本質主題Aの要素。これら2つが併せて形式上の第1主題となっている。

2016-05-14 21:15:45