ニンジャカタナ！Location＃A.D2399 Chapter 3 『封印.02』

ニンジャカタナ！ @NJkatana

こんばんは！　予告などはしていませんでしたが、ただいまよりニンジャカタナ！のTwitter連載を開始させていただきます。どうかテレビやラジオの流し見感覚で、ごゆるりとお楽しみ頂ければ幸いです！

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それでは、投稿時間は約４５分を想定しています。しばしの間TLをお借り致しますが、どうか気にせずチラッ！チラッ！と見て頂けると大変嬉しいです。また、投稿中にlikeやRTを頂きますと、作者の脳内物質が溢れ出て作者が大喜びするため、ぜひ試しに押してみて下さい！

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現在、最新話以外のニンジャカタナ！は以下サイトにて全編閲覧可能です。 カクヨム kakuyomu.jp/works/11773540… また、連載分は随時まとめておりますので、こちらもご利用くださいませ！ toggeter togetter.com/id/NJkatana

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ニンジャカタナLocation＃A.D2399 Chapter 3 封印.02 ――――――――――――――◆ pic.twitter.com/CW7YyjGrCs

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「――良かった。目が覚めたようだな」 「――っ？」 死んだ――。 そう思いながら意識を失った僕が次に見たのは、自分も怪我をしているのに、僕を心配そうに見つめるアマネ先生の姿だった――。

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「に、ニンジャは！？　――いっつ！」 「それなりの怪我だ。まだ動かない方がいい」 跳ね起きようとした僕の全身を激痛が襲う。切ったような鋭い痛みも、骨に響くような鈍痛も、全部ない交ぜになったような痛み。薄明かりの中、思わずうめいて伏せる僕を、先生は穏やかに制した。

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「家から持ってきた。飲むといい、落ち着くぞ」 先生はそう言って僕に水筒を渡してくれた。可愛らしいキャラクターの描かれた、ピンク色の水筒――。 「暖かい――」 小さな暖色のランプの中、僕は先生から受け取った水筒の中身に口を付けながら、周囲へと目を向けた。

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「――ここは、どこですか？」 見上げるほどの高さの天井。パイプが剥き出しになった通路と、ごうごうと流れる水の音。まるで、ずっと昔の下水道みたいだ。 「地下３５階。まだ研究所の中だ」 「どうやって僕を？　僕の近くにはニンジャが――。そうだ、父さん！　父さんを助けにいかないと！」

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父さんのことに思い当たった僕は、全身が悲鳴を上げるのも構わず立ち上がった。僕の所にもあんなバケモノが来たんだ。父さんのところにだって、間違いなく襲ってきてるはず――。　　 「――駄目だ。君を行かせるわけにはいかない」 「え――？」 先生の声。同時に、僕の視界が斜めに傾く。

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「エルから頼まれた。君を守って欲しいと」 「せん、せい？　とう、さん？」 倒れそうになった僕を、先生は優しく抱き留める。痛みはなかった。 僕はぼやける焦点を必死に合わせ、先生を見ようとする。 「悪いが、一服盛らせてもらったよ」 僕に見えるように、先生はピンクの水筒を振る。

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僕を抱え直し、先生は辛そうな表情で僕をどこかに運ぼうとする。先生の額には大粒の汗が浮かんでいて、真っ白な白衣の肩口に、みるみるうちに血が滲んでいった――。 「エルと私は、サードラインから来たのさ。荒れ果て、自由のない上を捨て、技術に劣る地上で優越感に浸ろうと思ってね――」

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先生は僕を運ぶのもやっとという様子で、それでも話すのをやめなかった。 「馬鹿だったよ。人に上も下もないというのに。上が理想郷？　笑わせる。上も地上と同じさ。争いと富の奪い合い。違うところといえば、あらゆる物事が管理された窮屈な世界だということくらい――」

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僕はもうろうとする意識の中、ただひたすらに先生の話を聞いていた。 ――地上で恋をしたこと。子供が生まれ、家族が出来たこと。 気付いたときには地上のために何が出来るかを、父さんと一緒に夜通し研究していたことを――。 「君が生まれた時のことは、今でもよく覚えているよ――」

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やがて、先生は巨大なゲートのような機械の前に僕を運び込むと、コンソールを操作してゲートを開放。 重なりあう水蒸気の向こうにぱっくりと口を開けた闇を見つめた後、寝かせた僕を振り返る。 「今から、君を封印する」 先生ははっきりと、そう宣言した。

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僕は動けなかった。さっき先生に飲まされた薬が更に回ってきてる。唇を必死で震わせて、先生に訴えようとするけど、それは無理だった。 「許して欲しい。そして、覚えておいて欲しい。君は、私とエルの希望なんだ」 作業の間も先生はずっと僕に語りかけていた。

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僕はゲートの中に寝かされて、闇の中から青白く輝く地下の様子を見ていた。通路の奥から、赤い光が近付いてくるのが見えた。 「すでに上では、多次元技術は実用段階にある。そして、更にその先――。万物を司る、無垢のエネルギーへの干渉も――」 赤い光が強くなる。

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「この装置は、君をこの装置ごと別次元に転移させる。そこまで追ってくるかどうかは賭けだが、何もしないで死ぬよりはいいだろう」 僕は叫びたかった。彼女の背後に、赤い光が近付いていたから。 「そして、君はその先で進化を続けるんだ。いつか、帰ってこれるように――」

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違う！ 先生にはお子さんがいるんだ。僕と同じくらいだって、いつも無表情のまま、だけど嬉しそうに自慢してた。話なんてもういいから、だから早く逃げて――。 「――大丈夫。幸い、娘はもうコロニーに入っているよ。たしか、９３番――。だったかな」 先生は操作を続けた――。

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赤い光の中に、僕を殺そうとしたニンジャの姿が見えた。その手に握られた、赤く輝く剣も――。 「私の娘だ。きっと、立派に生きていける――」 先生は笑った。今まで、僕が物心ついてから一度だって見たことがない、柔らかで、暖かい笑み――。

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「私は口べたでね。今まで、色々とすまなかった」 先生が最後の操作を終える。周囲の空間が歪み、浮遊感が僕を襲った。 「さよなら、カーヤ君。エルに、宜しくと伝えてくれ」 先生の優しい笑みが遠ざかっていく。引き延ばされた景色の中で、その笑みが赤い光に塗りつぶされたのが見えた――。

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星の光が走る漆黒の世界。 色々なものが遠ざかって見えなくなる。どこにいくのかなんて知らない。これからどうなるかなんてわからない。ただ、ただ僕は、ぐちゃぐちゃな気持ちで一杯になった胸を押さえて泣いた――。 どうせ、誰もいないんだから。もう、誰もいないんだから――。

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以上になります。約45分間に渡ってTLを占有してしまい、大変ご迷惑をおかけしました。ツイート間隔などの要望や、作品へのご感想、ご意見などあれば、どうぞお気兼ねなくお声がけ下さいませ！！ 今後とも工夫を積み重ねて連載を行って参ります！

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当作、ニンジャカタナ！はSF冒険小説となっております。王道ボーイミーツガールの#９３・スチームパンクな#２２５・王道SFの#A.D2399が現在のラインナップとなっております。 いずれも下記、カクヨムにて全て閲覧可能です。 kakuyomu.jp/works/11773540…

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ニンジャカタナ！カクヨムにて最新話まとめました！ 現在は文明崩壊前夜#A.D2399を連載中です！ リアルタイム連載は@NJkatanaアカウントにて！どうぞお気軽にご覧下さいませ！ kakuyomu.jp/works/11773540… pic.twitter.com/4NgtTiyfp4

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