【本多勝一様への返書④】なぜ天皇を糾弾しないのか/~本多勝一の唱える「責任の追及」は、壁訴訟、陰口、犬の遠吠えであって、責任の糾弾ではない~

イザヤ・ベンダサン『日本教について~あるユダヤ人への手紙~』/本多勝一様への返書/なぜ天皇を糾弾しないのか/193頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

①【なぜ天皇を糾弾しない】ではここで第三の不審点に入ります。 本多様はこの虐殺を「やらせた責任者こそが糾弾されねばならない」。 それをしないで「中国に過去の日本の犯罪を『謝罪』してはならない」。<『日本教について/イザヤ・ベンダサン』

2016-05-09 22:09:06
山本七平bot @yamamoto7hei

②私たち日本の民衆も被害者で「中国人の民衆がやられたと同じ意味で、酷い目に遭わされた私たち。その私たちを騙した者、欺いた者、それ(天皇)に対する怒りに目ざめ、かつその怒りを具体的行動で現わすこと。」

2016-05-09 22:38:52
山本七平bot @yamamoto7hei

③「これこそが中国の民衆への真の謝罪なのだ」 と記され、同趣旨の挨拶を中国の民衆にもされたと記されております。 私の考えでは、日中両国民にかく明言された以上、それを実行することが本多様の「責任」と存じます。

2016-05-09 23:09:13
山本七平bot @yamamoto7hei

④本多様がすべての責任は天皇にあると断言されるなら、なぜ天皇を糾弾し弾劾し、その責任を問わないのですか。 なるほど『朝日』の社内報にこう書いたとか、『月刊社会党』にこう書いたとか記されていますが、(続

2016-05-09 23:38:53
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤続>責任の糾弾とはあくまでその本人に対して直接になさるべきことで、それをしないで陰で何を言っても、これは日本以外の世界ではもちろんのこと、徳川時代の日本人にとっても、いわば壁訴訟、陰口、犬の遠吠えであって、責任の糾弾ではありません。 もう一度申します。

2016-05-10 08:09:10
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥糾弾もしくは弾劾はあくまでもその本人に対して直接になさるべきことで、本人に背を向け、周囲に対して何やかやと言っても、これは糾弾でも弾劾でもありません。 「火事できのこが飛んできた」ら責任の糾弾だと考えろという主張は無理であります。

2016-05-10 08:38:50
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦本多様が公開書簡というものがどういうものか、もし今まで御存知でなく、天皇の責任糾弾の方法が見つからなかったために、それをしておられなかったのなら、今こそその方法は明らかになったはずです。

2016-05-10 09:09:15
山本七平bot @yamamoto7hei

⑧そして前記の如くに日中両国民に明言された以上、まず天皇へ責任糾弾の公開書簡を送ることが、本多様の「責任」遂行の第一歩かと存じます。 小生が如き者にまでわざわざ「公開状」をお送りいただいた(らしい?)のですから、お時間の余裕は十分にあると存じます。

2016-05-10 09:38:52
山本七平bot @yamamoto7hei

⑨従いましてまず本多勝一個人が天皇裕仁個人に、その責任を糾弾する公開書簡を送られ、それを『朝日新聞』に公開されれば良いと存じます。 本多様はこの点で他の一般日本人より遥かに有利な位置におられる筈であり、有利な位置にいる事は、それ自体が一つの責任である事は申すまでもありません。

2016-05-10 10:09:02
山本七平bot @yamamoto7hei

⑩あるいは、私は、失礼なことを申し上げているのかも知れません。 これだけ自己の責任を明白に断言なさった方が、今まで天皇あてに一通の公開書簡も送っていないなどと考えた私が非常識なのかも知れません。

2016-05-10 10:38:52
山本七平bot @yamamoto7hei

⑪と考えましたのは、本多様が私あての「公開状」で、ソンミ事件におけるニクソン大統領の責任についても言及されているからです。 こういう場合、いかに多くのアメリカ人が、公開・非公開の詳簡を大統領に送りつけるかは、国際通の本多様は私よりはるかによく御存知のはずです。

2016-05-10 11:09:28
山本七平bot @yamamoto7hei

⑫従って、本多様がまだ天皇宛に一通の公開書簡も送っておられないなら、まことに摩訶不思議の事となります。 恐らくそのような事はございますまい。 従いまして天皇への「公開書簡」の写し一通と、掲載紙を御送付いただければ幸いです。 と考えますと、また少しく不審になって参りました。

2016-05-10 11:38:52
山本七平bot @yamamoto7hei

⑬私あての「公開状」には天皇宛の「公開書簡」につきまして一言半句も触れておられないことです。 さて不思議なことがあればあるもの。 とすると非日本教徒と称される本多様も「狸校長」「赤シャツ教頭」と同じなのでしょうか。

2016-05-10 12:09:09
山本七平bot @yamamoto7hei

⑭すなわち「天皇の責任を糾弾することは私の責任である」と所々方々の「職員会議」で演説し、それによって「自分の責任は解除された」と考えておられるのでしょうか。 もしもそうなら今まで天皇宛の公開書簡を書かれなかったのが当然で、今後も絶対にお書きになるはずはないということになります。

2016-05-10 12:38:56
山本七平bot @yamamoto7hei

⑮と申し上げれば本多様は、 「わかっちゃいないんだな、私はジャーナリストなんだから、報道を通じて天皇の責任を追及すればよいのだ。それで責任は全うしているのだ」 という、佐藤首相そこのけの名答弁をなされましょう。

2016-05-10 13:09:24
山本七平bot @yamamoto7hei

⑯職業・地位を責任回避の手段に用い、 「新聞記者として…」 「朝日新聞社社員として…」 「校長として…」 「教頭として…」 等々々と言われる「遁辞の論理」の展開は、私自身非常に興味がありますので、是非一席うかがいたく存じますが、(続

2016-05-10 13:38:53
山本七平bot @yamamoto7hei

⑰続>私の結論を簡単に申しますれば、 「新聞記者であるが故に『天皇への公開書簡』を送ってはならない」 という積極的理由は皆無であり、むしろ逆です。 従ってもしそれが出来ないなら、出来ない理由はあなた自身にあります。 他にはありません。

2016-05-10 14:09:28