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NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
「イヤーッ!」「グワーッ!」えぐり込むようなニンジャスレイヤーの拳がスキールニルの心臓を強打すると、コンマ2秒後、焦茶色装束の偉丈夫のニンジャは渦を巻いたように一瞬、ねじれ、そののち、回転しながらフスマを突き破り、吹き飛ばされた。「アバーッ!」
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KRAASH!KRAAASH!KRAAASH!三層のフスマを破砕し、スキールニルはトコノマの木彫りワータヌキ像に衝突した。等身大のワータヌ像はバラバラに砕け、黒い木材が散らばった。「アバッ……アバッ!」「もはやオヌシの命運尽きたり」ジゴクめいて言い放ち、死神はタタミを踏みしめた。
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「……マッタ」スキールニルは片手を掲げ、懐からマキモノを取り出した。「これが……これが今回のソウカイヤ・ミッション詳細……ハーッ……そして乱数表だ……好きに辿れ……だから……」血走った目は恐怖に見開かれている。ニンジャスレイヤーは立ち止まった。「頼む」スキールニルは言った。
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「俺には弟がいる。ニンジャの俺が死ねば……奴は路頭に迷う」オシイレ・クローゼットの中で、ヤブハチは息を呑んだ。恐怖の涙が溢れた。ヤブハチは頬の内側を噛み、奥歯のガタつきを殺した。「頼む!」スキールニルは叫んだ。「だから……」「イヤーッ!」「アバーッ!」
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ニンジャスレイヤーはスキールニルの膝を踏み砕いた。もはや逃げられぬ。そして言った。「同じような命乞いを、オヌシはこれまで何度聞いてきた」「わかってる……わかってるさ」スキールニルは震えた。「虫のいい願いだって事はよ……い、いざテメエの命が危うくなった時、わかる事ッてのがあった」
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オシイレ・クローゼットのフスマには、朱色のオヒガン・ローズが美しく描かれている。それを一枚隔てて、ヤブハチはただ、力なく、スキールニルの……兄の死の瞬間を迎えようとしていた。「俺は」スキールニルは言葉を詰まらせた。ニンジャスレイヤーは……「イヤーッ!」スキールニルが仕掛けた!
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「イヤーッ!」苦し紛れの攻撃はチョップで相殺された。「グワーッ!」スリケンを構えた右腕が吹き飛び、赤い血が噴き出す。「イヤーッ!」「グワーッ!」脳天を無慈悲なチョップが撃ち抜いた。「……善悪の審判に興味はない」ニンジャスレイヤーは言った。「サヨナラ!」スキールニルは爆発四散した。
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ヤブハチは一部始終を見ていた。ニンジャスレイヤーはオシイレ・クローゼットの方向を一瞥したように思えた。だが死神はフスマに手をかけなかった。死神はマキモノを懐におさめ、「イヤーッ!」ショウジ戸を蹴り破って、ヤクザの館を飛び出した。後にはヤブハチ唯一人が、闇の中に残された。
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……ヤブハチの名は、今は、アルビオンという。アルビオンは、アマクダリ・セクトのニンジャである。
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【ライズ・アゲンスト・ザ・テンペスト】#1
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岡山県!かつて邪悪なる修道会が悪行の限りを尽くした地点よりさらにその先、断崖を登った先に、静謐なるドラゴン・ドージョー始まりの地、ドラゴン・シュラインが存在する。生きて動く者は唯一人。専用の整地棒「クマデイ」を用いて白砂に見事な模様を描き、枯山水を作る者の名は、フジキド・ケンジ。
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またの名をニンジャスレイヤーという。赤黒の装束を着たニンジャは「忍」「殺」のメンポの隙間から白い息を吐き、背後の空を振り返った。彼の瞳の虹彩はジゴクの石炭めいて赤い。その視線の先には、01ノイズの渦巻く霞の向こう、ゆっくりと自転する黄金の立方体がある。
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生きて動く者は、彼一人。鳥影すらもない。「イヤッ!」ニンジャスレイヤーは短いカラテ・シャウトと共に枯山水の岩へ飛び移り、白砂を散らさぬように離れた。そして彼はシュラインの石段を昇った。灰が満たされた石壺にセンコを刺し、「イヤッ!」チョップの摩擦熱で火をつけ、煙を装束に焚きしめる。
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これはシュラインに立ち入るために必須の神秘的なプロトコルである。センコの煙は修行者に誘惑を囁くボンノの霊を退けるとされる。現実的な意味はなかろう。しかしその過程そのものがセイシンテキのために重要なのだ。やがてニンジャスレイヤーはシュラインの入り口に備えられた大鈴の縄を鳴らした。
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ガラン……ガラン……緑青に塗れた鈴は、遠い太古の昔から鳴るような荘厳な周波数を発した。ニンジャスレイヤーは懐から巾着袋を取り出し、そこから黒く錆びついた古銭を掌に乗せた。そしてそれらを賽銭箱の格子の中へ投げ入れたのである。ガゴン……ゴン……ゴゴン。ニンジャスレイヤーはオジギした。
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そして彼はシュラインの中へ足を踏み入れた。正座した彼を、ドラゴン・ブッダ像が睨み下ろす。精緻な像には凄まじい無言のアトモスフィアが宿る。並の修行者であれば失禁、或いはモータルであれば心停止に至る可能性すらあろう。だがニンジャスレイヤーは沈黙のうちに、膝の前に桐箱を置いた。
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桐箱の蓋をずらすと、中から鈍色の光が迸った。否。読者の皆さんのその印象は錯覚だ。しかし、迫力に打たれ、そのような錯視をしてしまったとしても、責められはすまい。箱のなかに収められていた品はそれほどの大業物であった。桐箱の蓋には、ドウグ社のエンブレムが焼き印で捺されていた。
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箱のなかに収められていたのは一対のブレーサー(手甲)……極小さく、「道具」「真打」と刻印されている……そして……おお、ゴウランガ……闇めいて光を返さぬ鎖で繋がれた、ヌンチャクであった。特筆すべき事には、ヌンチャクのボーは、一方が木によって、もう一方が金属によって作られていた。
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この造りには意味があった。これは決戦において、ニンジャスレイヤーが絶対に必要とする武器であった。正座したまま、彼は厳かにブレーサーを装着し、ヌンチャクを手に取り、桐箱を横にのけた。「スウーッ……ハアーッ……」彼はドラゴン・ブッダを見上げた。そして立ち上がった。
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ミシミシと音が鳴った。彼自身の筋肉と、関節が鳴らす音であった。ニンジャスレイヤーはじわじわと腰を落とし、中腰姿勢になった。そして、「イヤーッ!」ヌンチャク・ワークを開始したのである!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」
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ZZZZOOOOOM!天高く、雷鳴が轟いた。それはかの敵のジツではない。この地に降り来る竜の息吹、嵐の拳である。彼は参拝に訪れたのではない。雷に臨むために、この地を訪れたのだ!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」戦うために!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」勝つためにだ!
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ドラゴン・ブッダ像の膝下の台座へダンゴを奉納し、シュラインの外へ出ると、霧雨がパラついた。ニンジャスレイヤーの肩に雨粒が触れ、ほの白い蒸気となる。ドロドロと雷鳴が鳴り、雲の中で光が生ずると、0と1のノイズがさざなみめいて空を舞った。ニンジャスレイヤーは頷き、跳んだ。「イヤーッ!」
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屋根、そして岩肌へ飛び移り、更に飛び、槍めいて切り立った崖を掴んだ。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは崖の切れ込みや出っ張りに指をかけ、ニンジャ握力とニンジャ敏捷性を遺憾なく発揮して、さらに上の標高へ。KABOOOOM!稲妻が弾けた。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは上りきった。
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2016年5月24日
ライズ・アゲンスト・ザ・テンペスト #2 http://togetter.com/li/978862
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