金木犀さんの「日中文学話と中国の宇宙観」集中講義!その3

本日は「宇宙」の語源とされている 『淮南子』での世界創造・宇宙観のお話をわかりやすく説明されています。 また、『日本書紀』との共通点についても触れています。
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金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

ネタを仕込んだので、こないだの文学話の続き、行きます。お題は『淮南子』(エナンジ)の天文訓について。『日本書紀』も絡む予定です。あんまり長い時間はできないですが。

2010-03-16 21:49:36
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

wktk RT: @kin_mokusei: ネタを仕込んだので、こないだの文学話の続き、行きます。お題は『淮南子』(エナンジ)の天文訓について。『日本書紀』も絡む予定です。あんまり長い時間はできないですが。

2010-03-16 21:50:43
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

アンチョコ。その1.新書漢文大系『淮南子』。新釈漢文大系の抜粋で、全文を載せているわけではないですが概要を掴むには充分。http://bit.ly/cMMDYO

2010-03-16 21:51:56
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

その2.「中國哲學書電子化計劃」:http://bit.ly/b4oCzx その3.「KAWAMURA AKIRA'S CYBER WORLD」:日本書紀>http://bit.ly/d24sTs

2010-03-16 21:54:19
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

参考資料 その1.中央研究院漢籍電子文献:http://bit.ly/chXl49 その2.寒泉:http://bit.ly/aSEQrU

2010-03-16 21:56:01
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

それでは早速、『淮南子』の本文から。書き下しを随時入れていきます。

2010-03-16 21:56:42
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

あ、その前に、『淮南子』がどんな本なのか解説した方がいいんだろうか。

2010-03-16 21:57:47
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

『淮南子』(エナンジ)は、前漢の武帝の頃、淮南王(ワイナンオウ)劉安(B.C.179-122)が編纂させた思想書。淮南王が編纂させたので『淮南子』といいます。別名を『淮南鴻烈』。

2010-03-16 22:01:13
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

「淮南」をエナンと読むのは、漢字の音読みの中で最も古い「呉音」という読み方に則っています。それだけ古くから日本に伝来していたということです。

2010-03-16 22:01:39
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

ちなみに、『淮南子』本文に「宇宙」という熟語は14回出てくるようです。

2010-03-16 22:07:09
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

道家思想を中心に儒家・法家・陰陽家の思想を交えて書かれていて、天文・地理から神話・伝説・兵法までを幅広く解いています。ちょっと語弊がありますが、紀元前3世紀頃の思想に関する百科全書のようなものかもしれません。

2010-03-16 22:09:17
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

で、今回ネタにする「天文訓」は、天地創造と天体現象について書くところから始まっています。

2010-03-16 22:11:28
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

天墜未形,馮馮翼翼,洞洞灟灟,故曰太昭。(天墜(テンチ)未だ形あらざるとき,馮馮翼翼(ヒョウヒョウヨクヨク),洞洞灟灟(ドウドウショクショク)たり,故に太昭と曰う。):天地が未だ形をなしていなかった頃、それは捉え所のないものであった。ゆえに太昭という。

2010-03-16 22:19:06
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

馮馮翼翼、洞洞灟灟は形のない様子を例えている。何もないわけではなく、何かはあるのだけれど捉え所がないのです。「太昭」は、「太始」とする文献も。この方がすっきり。

2010-03-16 22:21:23
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

太始生虛廓,虛廓生宇宙,宇宙生氣。(太始は虛廓を生じ,虛廓は宇宙を生じ,宇宙は氣を生ず):太始から虛廓が生じ,虛廓から宇宙が生じ,宇宙から氣が生じた。

2010-03-16 22:23:43
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

天墜未形(tian zhui wei xing) 馮馮翼翼(feng feng yi yi) 洞洞灟灟(dong dong zhu zhu) 故曰太昭(gu yue tai zhao)。最後が始(shi)だと韻を踏んでバランスがいいな、確かに。

2010-03-16 22:25:40
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

「虛廓(キョカク)」は、茫漠とした広がり。「霧がかかったような、何かあるんだけれど捉え所のないうつろな空間」と捉えて下さい。

2010-03-16 22:26:40
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

太始生虛廓(tai shi sheng xu kuo) 虛廓生宇宙(xu kuo sheng yu zhou) 宇宙生氣(yu zhou sheng qi)

2010-03-16 22:27:57
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

「宇宙」ですが、これを四次元時空と捉えると、世界を作る空間の範囲が定まったと言うことではないかと思います。「気」は、中国人が大好きな万能の言葉。ここではまあ、「世界の素」です。

2010-03-16 22:29:42
ɩਕ ᓝ⠂ ྄ᚬ ര @hadukino

ぅを、すげぇ中國哲學書電子化計劃は漢字の説明までつけてあるのか http://chinese.dsturgeon.net/dictionary.pl?if=gb&id=3055

2010-03-16 22:29:59
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

乱暴にまとめると、なんやらよく分からないものからなんとなく世界の範囲ができて、その中に世界の構成要素の素ができた、というところでしょう。

2010-03-16 22:31:25
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

氣有涯垠,清陽者薄靡而為天,重濁者凝滯而為地。(氣に涯垠あり,清陽なる者は薄く靡いて天となり,重濁なる者は凝滯して地となる。):気には清濁の区別があって、清く明るい気はうすくたなびいて天となり、重く濁った気は固まって大地となった。

2010-03-16 22:34:36
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

そうなんです。欧米からの留学生に説明するときに使ってますw QT @hadukino: ぅを、すげぇ中國哲學書電子化計劃は漢字の説明までつけてあるのか http://bit.ly/97jbab

2010-03-16 22:35:18
金木犀@火箭迷 @kin_mokusei

さて、陰陽の気が現れましたよ

2010-03-16 22:35:56
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