#skrdsn つらみ編

羽根っ娘メイドさんに甘やかしてもらうだけです
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CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「ただいま」 ドアを開けると、味噌汁の匂いが僕の鼻をくすぐった。 「おかえりなさい、ご主人さま……だ、大丈夫ですか?」 キッチンからぴょこんと黒い翼が飛び出し、一拍遅れてメイド服姿の桜田さんが出てきた。 「大丈夫、少し疲れただけ……」 靴を適当に脱ぎ捨てる。 #skrdsn

2016-05-15 22:03:18
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「すごい顔になってますよ、ご主人さま」 桜田さんの言う通り、玄関の鏡を見るとゾンビみたいな顔の僕が映っていた 「ちょっと仕事でやらかしちゃってね……」 「例の部長さんですか? それとも係長?」 「そんなとこ……」 あまり彼女に心配をかけたくなくて、適当にはぐらかす #skrdsn

2016-05-15 22:06:31
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「少し休んでいてください、あと少しでご飯が炊けるので」 「うん、ありがとう……」 翼をすぼめる桜田さんこれ以上心配をかけないように平静を装いながらシャツを洗濯カゴに放り込む。 自分の部屋の前に彼女が畳んでくれた僕の衣類が積まれていた。 #skrdsn

2016-05-15 22:11:25
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「はぁ……」 部屋着に着替え、布団の上に寝転がる。 「ううう、つらいよ……」 何もしないでいると、今日の出来事が嫌でも思い出される。 「ううう、つらい……」 こらえきれず、つい言葉に出してしまう。 「ご主人さま」 その時、ノックなしに桜田さんが部屋に入ってきた。 #skrdsn

2016-05-15 22:16:00
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「私はお仕事のことはよくわからないですけど、ご主人さまつらそうにしてるのなんて、見たくありません!」 「ごめん、桜田さん……」 謝ると、桜田さんは翼を広げながら僕に詰め寄ってきた。 「謝らなくたっていいんです! ご主人さまは悪くありません!」 #skrdsn

2016-05-15 22:20:04
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「私に出来ることなら何でもお手伝いしますから……だから、一人で抱え込まないでください……」 桜田さんは膝をついて僕の手を握る。彼女のヒトより少し高い体温がじんわりと伝わってくる。 「桜田さん……ッ!」 「きゃ!?」 彼女の手を引き、布団の中に引きずり込む。 #skrdsn

2016-05-15 22:26:10
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

深い紫色の桜田さんの瞳が僕を見つめている。 「ご飯が炊けるまであとどれくらい?」 「15分くらいです……でも、蒸らさないとおいしくないから30分位かかります」 「じゃあ、それまでこうしててもいい?」 「いいですよ、ご主人さま」 桜田さんが僕を抱きしめてくれた。 #skrdsn

2016-05-15 22:29:05
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「胸、触ってもいいですよ」 その言葉に僕の中で黒い欲望がうごめいた。 「いや、だめだ……」 「覚悟はできてます」 桜田さんは僕の手をもう一度握ってくれた。 「ちがうんだ、桜田さん。そんな風に、君を抱きたくないんだ」 「ふふっ」 桜田さんは表情を緩めた。 #skrdsn

2016-05-15 22:34:59
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「ご主人さまは、そういう人です」 桜田さんは僕を抱き寄せた。ふわりとした感触――彼女の翼が僕を覆う。 顔は柔らかで暖かい桜田さんの胸の膨らみが受け止めてくれた 「ご主人さまのそういうところ、私は好きです」 「桜田さん……」 「いいんですよ、いっぱい甘えてください」 #skrdsn

2016-05-15 22:42:23