ニンジャカタナ!Location#A.D2399 Chapter 5 『緑―ミドリノエニシ―縁.02』

@NJkatanaにて連載中のニンジャカタナ!まとめです。 前回までのあらすじ: 世界は凍り、600年もの間異次元を漂い続けたカーヤ。 父と恩人を失い、生きるだけとなった少年の日々は、再び現れたニンジャによって終わりを告げる。 続きを読む
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ニンジャカタナ! @NJkatana

自作、ニンジャカタナ!はTwitter小説です。普段小説を読む時間が取れない方も、@NJkatanaをフォロー頂ければラジオ感覚で気軽に小説を楽しむことができます。ニンジャカタナは各話で完結していますので、途中からでも問題ありません。ぜひご覧になってみてください!

2016-05-17 21:27:24
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それでは、本日も宜しくお願い致します。ニンジャカタナ!は、下記保管庫にて全話閲覧可能です。 kakuyomu.jp/works/11773540… 掲載時間は約一時間を予定しています。しばしTLをお借り致しますが、どうぞ暖かく見守って下さいませ!

2016-05-17 21:29:43
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◆スペシャルサンクス◆ 本日の連載分執筆にあたり、ニンジャカタナ!を読んで頂いている@ksnchang様より、執筆時イメージアドバイスを頂戴致しました。さね彦様、いつもありがとうございます!

2016-05-17 21:32:01
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ニンジャカタナLocation#A.D2399 Chapter 5 緑―ミドリノエニシ―縁.02 ――――――――――――――◆ pic.twitter.com/bwoEGwVrwF

2016-05-17 21:32:56
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前回までのあらすじ: 世界は凍り、600年もの間異次元を漂い続けたカーヤ。父と恩人を失い、生きるだけとなった少年の日々は、再び現れたニンジャによって終わりを告げる。 カーヤを守り戦う緑光のニンジャ、カタナと。それを追う赤のアレイド。停止したカーヤの時間が、動きだそうとしていた。

2016-05-17 21:33:32
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薄暗い作業場で二つの光が弾けて消える。片方は緑、片方は赤。緑は一つで赤は二つ。 とんでもない速度で振り回される三本の剣。そしてそれを振り回す二人のニンジャ。 いくつもの斬撃を繰り出す緑、迎撃する赤。片方の光が弾き飛ばされる。飛ばされたのは緑、僕に謝ると言った、カタナの光――。

2016-05-17 21:34:50
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「まだッ!」 「相変わらず、よく動く」 飛ばされたカタナは間髪入れずに空中で受け身を取ると、作業場のクレーンに垂直に着地、そこを足場に天井に飛び、弾かれた銃弾のようにアレイドめがけて突撃。アレイドはその突撃を半身になって紙一重で回避。 普通の人には絶対に追い切れない動き――。

2016-05-17 21:37:00
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僕は作業場の物陰から物陰へとB.Bを抱えて移動する。あんな嵐みたいな戦いに巻き込まれたら一瞬でバラバラにされる。 ただ、移動しながらも僕は戦う二人の様子を事細かに察知していた。さっき戦いが始まってすぐ、この作業場全体に手の平サイズのビーンズをばらまいておいたんだ。

2016-05-17 21:38:55
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皆にはそれぞれあり合わせのセンサーをくっつけてある。正確さは望めないけど、二人がどう動いてるのかがわかればそれで十分。 送られてくる情報を、僕は脳内で知覚して即座に処理できる。僕の五感は追いつかなくても、ビーンズが追いついてくれる。 (無茶苦茶だ……なんて戦い……)

2016-05-17 21:40:32
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僕はB.Bを抱いて物陰から二人を見る。 光の交差、綺麗な円を描いて肉薄する互いの剣。押されているのはどうみてもカタナだ。 カタナは下から迫ったと思えば上に、上に飛んだと思えば背後に、背後かと思えば前にくる。いつまでも止まらないその攻撃はまるで竜巻。だけど――。

2016-05-17 21:42:21
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アレイドが動く。両手に持った二つの大剣が赤く光る。 僕の身長ほどはありそうな大剣をとんでもない速さで振り回すアレイド。その大剣で彼が斬ったのは空間。瞬間、砕け散った空間から赤い粒子の渦が飛び出し、カタナめがけて襲いかかる。 でもカタナはその渦に飛び込む。カタナの光が強く輝く。

2016-05-17 21:44:30
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「はぁっ!」 視えない。センサーが置き去りにされた。次の瞬間、カタナに迫っていた渦が消える。渦を突き抜け、光に染まったカタナが加速――。 「――っ!?」 カタナの横。大剣を構えるアレイドが立つ。完全に捉えられてる。カタナは地面に手を突いて方向転換――アレイドのほうが速いっ!

2016-05-17 21:47:06
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僕は思わず身を乗り出す。その行動が一体何を意味しているのか、僕はそんなことも自覚できていなかった――。 『――心配』 そう……父さんと先生を殺したニンジャであるはずのカタナ。その彼を心配する僕の視線の先、真っ赤な光の剣がカタナを上下から切り裂こうとして――。

2016-05-17 21:49:28
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――いない!?  カタナはいつの間にかアレイドの後ろ。現れたカタナは既に回し蹴りの構え。アレイドは反応、けど間に合わない。掲げた大剣ごと強烈な一撃で吹き飛ばされる。 あれは、僕が600年前にニンジャの女の子にやられた、確か――次元跳躍とかいう短距離瞬間移動――!?

2016-05-17 21:50:54
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「まだまだぁぁっ!」 カタナが叫ぶ。 回し蹴りの勢いそのままに、カタナは空中で斬撃を繰り出す。宙に描かれた緑色の光の軌跡が一瞬で加速、光そのものに自我があるみたいな軌道で壁面に激突したアレイドを切り裂く――直前で光が止まる。アレイドから放たれた赤い光が、カタナの光を押し戻す。

2016-05-17 21:53:07
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「――流石だ。一人で俺達全員を相手にしただけのことはある」 こんなに離れているのに――。 まるで耳元で囁かれているようなその声に、僕の足がガクガクと震える。 「だが、俺の支配と隷属に、お前の緑光は及ばない――」 崩れた瓦礫を押しのけながら、アレイドがゆっくりと立ち上がる。

2016-05-17 21:54:03
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カタナは剣を構えてアレイドを見つめる。彼の瞳の色は、いつの間にか輝く緑色に――。 「お前にわかるか? お前の操るその緑光の前に、為す術もなく同胞達が倒れていく様を見せ続けられた俺の心が――」 少しずつ強くなるアレイドの声――囁きが、叫びに変わっていく。カタナは何も言わない。

2016-05-17 21:57:02
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「カタナ。お前は俺にとって、息子のような存在だった。だが、お前は危険すぎた――」 全身から赤い光を迸らせたアレイドが一歩を踏み出す。その光景は、光が増して直視するのが難しいほど。僕は手をかざし、なんとか視線を二人に向け続ける。 「お前は今、ここで消す」 アレイドが叫んだ。

2016-05-17 21:59:25
ニンジャカタナ! @NJkatana

赤い光がカタナの光を吹き飛ばす。 衝撃波。僕達のところまで凄い圧力が飛んでくる。作業場に配置してた他のビーンズもはね飛ばされて、僕の脳裏に激しくノイズが走る。 カタナは――立ってた。 まるで、自分を握りつぶそうとしているような赤い光の中で、今にも消えそうな緑色の光と一緒に。

2016-05-17 22:01:33
ニンジャカタナ! @NJkatana

「――ごめん」 消えるような、でもはっきりとした声で、カタナはアレイドを見つめて言った。 「俺だってあんたのこと、今でも親父だと思ってるよ。アレイド」 カタナは言って剣を逆手に、刀身の緑色の光が伸びて、それは赤い光を静かに貫く。 「――けど、ニンジャはここで終わらせる!」

2016-05-17 22:04:17
ニンジャカタナ! @NJkatana

――僕の耳に聞こえてくる二人のニンジャの声。 僕は二人の会話に耳を傾け、必死に思考を巡らせていた。さっきから、どうしてこの二人は戦っているんだろう? あまりにも情報が断片的すぎて、僕には推測することしかできない。カタナはニンジャのはずだ。けど、裏切ってニンジャを倒した――?

2016-05-17 22:06:14
ニンジャカタナ! @NJkatana

だめだ、考えがまとまらない。裏切ったにしても、どうしてそんなことを――。 そんな、困惑する僕のことなんてお構いなしに、二人は戦いを再開する――って!?

2016-05-17 22:07:13
ニンジャカタナ! @NJkatana

地面を蹴るアレイド。同時にアレイドの反応がセンサーから消える。出現位置はカタナの目の前。カタナが消える。出現位置はアレイドの目の前。 カタナは下段から作業場の床をえぐり取りながら切り上げる。アレイドの大剣が振り下ろされ、交錯する剣戟の余波で壁面がひび割れ砕ける。

2016-05-17 22:09:00
ニンジャカタナ! @NJkatana

激突。赤と緑の光がチカチカ光り、一拍遅れて衝撃波と爆音が僕に届く。僕達の体が浮かび上がり、そのまま更に遠くに吹き飛ばされる。 「う、うわあああああ!」 「カミサマタスケテー!」  馬鹿げてる! これだけのエネルギー、一体どこから持ってきてるっていうんだ!?

2016-05-17 22:10:16
ニンジャカタナ! @NJkatana

激突で吹き飛ばされたのはカタナ。でもカタナは空中で伸身回転、地面に着地すると同時にアレイドめがけて鋭角に飛び込み加速、センサーから消える。ビーンズのセンサーでは今のカタナの攻撃はただの光にしか見えなかった。 でも駄目だ、アレイドにはその攻撃も見えてる。赤い光に止められる緑の刃。

2016-05-17 22:12:46