【第7話】魔法少女れいるたん【最終決戦! 魔法少女れいるたんエクストリーム!】
酷い落下感の果てに、れいるは目を覚ました。どこかの公園のベンチに寝かされていたらしい。背中が痛い。「あ、起きましたね。おはようございます」風邪薬はいつもの調子だがどこか元気がない。「……俺は、どれくらい寝てた?」「半日ってところですね。もうすっかり夜ですよ」
2011-02-06 21:05:54「あの正露丸、お前の親戚かよ。で、姫って何だ」「あー、えーと、説明しないといけませんかねえ。えへへ」「ここまで巻き込んでおいて説明無しはないだろ」「まあ、そうかもですね」吐息混じりに頷いて、風邪薬はぽつりぽつりと話しはじめた。
2011-02-06 21:08:16かつて小国に過ぎなかった薬の国が、ある時から――というのはまあ、この人の世が近代化を始めた時からなんですが――徐々に栄えはじめました。その基礎を作ったのが叔父様、正露丸なんですよ。わかります? 人の世に薬らしい薬が出回りはじめる事で私の国は大きくなっていったんです。
2011-02-06 21:13:28はじめ、叔父様は国の繁栄の基礎を築いた英雄としての扱いを受けていました。兄王――父のことですが――も国政の一端を叔父様に任せていました。けれどまあ、世の中にはやっかみとか反感とかそういうものを抱く者もいたみたいで、しかも叔父様も結構なひねくれ者だったらしく――
2011-02-06 21:15:15――つまらない諍いがあっという間にどうにもならないような大問題になったそうです。その頃、私はまだ生まれていなかったので伝聞なのですけど、叔父様を封印するのしないの、って話にまでなったようです。で、叔父様をそれを受け入れたわけなんですけど。
2011-02-06 21:16:39「封印されてる間に不満が溜まって爆発した、ってか」「えーと、身も蓋もなく言えばそうなの、かも」「困ったオッサンだなあ」「そうですねえ」
2011-02-06 21:17:20「で、出奔してお餅の国を滅ぼして、今度は俺たちの世界ってわけか。なあ、オマエはあの正露丸をどうしたいんだ?」「……私は、国に帰ってもらいたいです。そして全部一からやり直せたら、って」「甘いことで。それでもちこーぅは納得しないだろ」「うぅ」
2011-02-06 21:21:31「無事だったのか」「ええ、見ての通り世界を覆っていたゲルは回収したわ。私としてはお餅の国の神器が元通りになったから、これで手打ちにしてあげてもいい。っていうか、あの子をもと通りにするのに魔力を使いきっちゃったから、アレの相手まではできそうもないの」
2011-02-06 21:24:07