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2回死んで1回生きた男#2 剣を取れ◆1

死体回収業者の二人は今日もダンジョンに潜っては、死んでいるものを蘇生させて代金をせびる。今回は貧乏そうな男を蘇生して、金の亡者と罵られて……その男、また死んでるんだが!? 全50ツイート予定 最初↓ 続きを読む
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減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:13:22
_2回死んで1回生きた男#2 剣を取れ
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:21:56
_結局男は街の金融機関から金を借りて蘇生代を支払った。半分公共事業の蘇生は支払いの義務がある。金を借りたからには返さなければならない。けれども、そこまではギシュノの管轄外だ。  ある日、ダンジョンの近くの丘で、ぼんやりと街を眺める男を彼女は見つけた。例の、2回死んだ男だ。 31
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:26:11
「いかにも気になる格好で佇んじゃってさ……」  呟き、その場を離れようとするギシュノだったが、やはり気になる。それにハーピィのねぐらのある丘にやってきたのは、彼の方だ。逃げるのは癪に障る。  声をかけようとしたが、そこで彼女の肩が叩かれた。 32
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:30:27
「そっとしておけよ」 「なんであんたがここにいるの」  ギシュノの相棒、メイラールがいた。彼はいつもの革鎧に鉄兜姿だ。私服姿など見たことは無い。 「次の仕事の話をしに来たんだよ」  何でも、ダンジョンで死者が続出しているらしい。 33
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:38:37
「危険じゃない、またあの人、死にに行くのかな……」 「見えない声を聴くんだ」  メイラールは静かに男を見上げて言う。 「彼の声もそうだし、もちろん君自身の声もね」  ギシュノはまだその実感が掴めていない。男は草の生えた見晴らしのいい丘に、いつまでも立っていた。 34
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:43:46
_次の日も男は丘の上にいた。今回、彼は剣の素振りをしていた。欠けて、錆びた小剣だ。貧弱な装備だろう。ただ、彼の中の大きな何かがそうせざるを得ない気持ちにさせているのだろう。ギシュノはそう思って丘のねぐらから彼を見下ろす。  男はいつまでも素振りを続けていた。 35
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:48:26
(言葉にならない囁きか……)  薄暗くなった丘のねぐらで、ギシュノは静かに考える。囁きはギシュノ自身にもあるという。それが何なのか、彼女は考えていた。 (本当の気持ち……蘇生の仕事、どう思っているんだろう)  夜は更けていき、剣を振る音だけがいつまでも続いていた。 36
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:53:36
_次の日、新しい日。いつものように仕事が始まる。ギシュノとメイラールはいつものダンジョンに潜っていた。遭難時のための携帯用食料。小剣を二振り。ナイフ、消毒液、魔法の縫い針。怪我をしたらこれで無理やり応急処置だ。 「やっぱりいると思う? 主ちゃん」 37
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 17:58:06
「可能性は高いぞ、一撃で腹を食い破る顎の持ち主だ」  メイラールは洞窟の壁面に用意されたザイルを辿って縦穴を降りていった。ハーピィのギシュノはバサバサと滑空して、壁を蹴り、器用に降りる。 「羽、便利だな」 「ナイフとフォークが持てたら最高ね」 38
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 18:02:49
_縦穴の底には死体が落ちている。ギシュノは、それが先日2回も蘇生した男でなかったことに軽く安堵した。  死体は若い女冒険者で致命傷は落下の衝撃ではないことがすぐに分かった。 「やっぱり同じだ……腹が食い破られている」  メイラールは死体のそばに跪いて確かめる。 39
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 18:07:58
_そのとき、上空から降りてくるギシュノは違和感に気付く。 「危ない! 逃げて!」  メイラールが振り向いた先の岩陰に……巨大な影が蠢く! 40
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 18:08:42
_2回死んで1回生きた男#2 剣を取れ ◆1終わり ◆2(最終回)へつづく
減衰世界 @decay_world 2016-05-18 18:16:49
【用語解説】 【鍾乳洞型ダンジョン】 地球の鍾乳洞のように石灰岩が溶けてできた洞窟である。洞窟に魔力が濃く集まるのを利用するため、人為的に鍾乳洞がいくつも作られた。まず縦穴を深く掘り、魔法使いがそこに降りて、石灰石化の呪文を炸裂させる。すると巨大な石灰岩ができるというわけである

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