君じゃなきゃ

🐟しゃけぱん🍞 @kuramaru_2616

1 一人ベッドのなかで身体を丸めて眠る 夢と現実の狭間で彼女の呼ぶ声が聞こえた 手を伸ばしても届かない 繰り返し名前を呼んでも振り返らない 『行かんでや…』 どれだけ叫んでも届かない声 それでも声がかれるまで呼び続けたら いつか振り向いてくれる時がくるのか？ #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

2 「裕！起きてっ！」 『んーまだ寝てたい…おわっ！』 布団に潜る俺の上に飛び乗ってきた彼女 『いきなりなんやねん！』 「裕が起きないから！ほら起きてっ」 腕を引っ張られ無理やり起こされる 「仕事遅れちゃうよっ」 ベットから降りようとする彼女 #君じゃなきゃ

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3 『もっと違う起こし方がええなぁ』 言いながら腕を引っ張りベットの中に 「ちょっと！仕事遅れるって！」 『ちょっとだけ…』 言いながら首筋に顔を埋めると観念したのかゆっくりと腰に手をまわしてくる 「もーばか」 『でも好きやろ？』 「知らない//」 #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

4 彼女の甘い匂いにたまらず首筋に舌を這わす 「ひゃんっ//」 ビクッとなる身体にキスをしながら胸へと下りてく 「わっ//こらっ！裕！仕事っ！」 離れようとする彼女をがっしり抱きしめ 『俺今日休みやけど？』 ブラをずらし胸の突起をペロッと舐める #君じゃなきゃ

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5 「やっ…ん、裕は仕事じゃなくても私は仕事なの！」 『まだ…、平気やろ？』 「も…っ、ん…ダメっていってるのに…」 身体をゆっくりと俺に預けて見つめてくる 彼女のワンピースをまくりあげ自身を埋める 「あ…っ、ん…、動いて…っ、」 『自分で動いたら？』 #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

6 「やっ//…んっ、」 『何回もやってんのに…ちゃんと奥あてな気持ちよくならんで？』 彼女の腰を掴んで下から突き上げる 「んんっ！あっ…あんっ//」 彼女の感じる奥を何度も突くとビクビクっと反応しだす 『ほら…自分でも動き』 「あっ！…やぁっ//」 #君じゃなきゃ

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7 俺の上で恥ずかしそうに俺を求める姿が たまらなく愛しくてつい見惚れてしまう 「気持ちよくない…？」 途端に不安そうな彼女を抱き寄せて 耳元で囁きながら激しく動かす 『めっちゃ気持ちええわ』 「裕…遅刻しちゃ…っ、」 『休んでずっとそばにおれよ』 #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

8 「あっ…あっ、んぁっ//…ダメｯ、だよっ//」 俺の上で身体をしならせながら喘ぐ彼女がたまらなく好き 『こうされるの好きやろ？もっと感じてっ、』 身体を起こし彼女を組み敷くと首筋に吸い付きながら奥深く突き上げる 「ああっ！…あっ、ゆうっ//」 #君じゃなきゃ

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9 「本当に…遅刻しちゃう…っ！」 『ここまで？そんな中途半端でいけるん？』 「大事な会議があるの！…帰ってきたら続きね」 そそくさとスーツに着替えて俺にキスをして出ていく 『はよ、結婚したいなぁ…そしたら家で待っててくれるよな？』 勝手にそう思ってた #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

10 それから数日後ーーー 「どーしたの？こんな高級レストラン笑」 『んー？たまにはな笑』 「変なの笑」 笑いながら美味しそうに食べる彼女 『なぁ…付き合って5年やん？』 「んー？あ！そっか！記念日か！」 『……俺の…お嫁さんになってください』 #君じゃなきゃ

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11 「うそ…っ、」 小さな四角いケースをとりだし 彼女の前に差し出す 「嬉しい…私でいいの？」 『それより…あけてみ？』 「うん！！」 一年前くらいに通りがかったお店で こんな高いの誰が買うのかなぁ？なんて 言ってたものを頑張って用意した #君じゃなきゃ

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12 「きれいっ…ほんとありがとう！」 指輪を見て喜ぶ彼女 『それより、返事は？』 「あっ、そっか…//もちろんっ！よろしくお願いしますっっ」 『ありがとう//幸せにするな…』 「うん//」 涙目で微笑む彼女をずっとずっと守っていきたい…そう思った #君じゃなきゃ

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13 結婚が決まり二人で雑誌を見ながら式はどーだとか新婚旅行はどーだなんて話してた 「裕…ちょっと、話あるの、いい？」 『うん…どした？』 「実は…海外に行ってみないかって上司に進められたの。」 『え…仕事、続けるん？』 「…だめかな？」 #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

14 『いや続けたいんならええけど……海外？』 「う…ん。私にとってすごいチャンスなの…出来れば行きたいって思ってて」 『ちょ、待って…海外てどんくらい？』 「…わかんない」 『え？』 「期間は決まってなくて…最低でも5年かな」 何を言って…… #君じゃなきゃ

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15 『結婚式とか…、子供とか…、』 「うん、私もしたいけど、したいの！仕事も！」 温かくていつも誰か家にいて灯りがついてるようなそんな家庭に憧れてた 『…、ごめん、ちょっとわからん』 「仕事するの反対？」 『何年もいかれるのは…』 #君じゃなきゃ

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16 「でもっ、夢だったの」 『わかるけどっ……何年も海外て…』 「反対なんだね…私の夢は諦めろってことなんだ…」 『そーやなくてっ…だからっ』 「応援してくれないんだ」 『ちゃうって！…離れたないねんっ』 泣きそうになる彼女を引き寄せ抱きしめる #君じゃなきゃ

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17 「離れたくないのは私も同じだよ…っ、」 『だったら…！！！』 「待ってるって…言ってくれないんだね」 『…、っ』 何かを深く飲み込んで大きく息をはいた彼女はまっすぐ俺を見つめている 「私と、別れてください」 『ちょ…なんでそうなんねん』 #君じゃなきゃ

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18 「裕のこと大好き…一緒にいたい…でもどうしても行きたいの」 『待って、よく考えて？俺は嫌やっ』 彼女を抱きしめる腕にさらに力入れる 「もしかしたら帰ってこれないかもしれない…期間が終わっても帰らないかもっ………だからもう…」 腕の中で震える彼女 #君じゃなきゃ

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19 『俺と…！…っ、』 俺と仕事どっちが大事か…なんてそんな台詞が口から零れそうだった 昔彼女がさみしさにつぶれそうになっていたとき一度だけ聞いた言葉だ この言葉に正解の答えなんてないのは 自分が一番わかっていた 「裕も仕事…頑張ってね」 #君じゃなきゃ

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20 そっとキスをしてくる彼女を抱きかかえベットへ下ろす 髪を撫でながら見つめ 「裕…大好きだよ…あっ//」 壊れそうになる心を抑えて彼女を抱く 『はぁっ、めっちゃ好き…』 引き止めることなどできなくて……君じゃなきゃダメだと…言えなかった #君じゃなきゃ

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21 次の日から少しずつ部屋の中に 段ボールが積み重なっていった 「裕、この家…どうするの？」 『あー、そうやな…』 一人で暮らすには広すぎる家 二人で眠っていたベットも一人では… 何もかもが二人分で何年もの思い出が つまっているこの部屋に住めるだろうか #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

22 『そのうち考えるわ…』 「そっか……お腹空いたね！何か作るね」 別れの時は刻々と迫ってくるのにいつも通り生活して夜には俺の腕の中で眠る彼女 『こんなに好きなんに…』 振り返らないと決めたはずの君との時間が愛しくて…まだ…今は…ここから動けない #君じゃなきゃ

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23 ーーー最後の日の夜ーーー 『なんにもないな…』 がらんとした彼女のスペースが俺の心の隙間と同じようにぽっかりと脱け殻のようになる 「全部向こうに送ったからね」 『寝るか…』 ベットに入ると後ろから抱きつかれる 「そのまま…きいて」 #君じゃなきゃ

なな🌹SZ🌹 @kanjanieitoda

24 回された彼女の腕にそっとふれ言葉を待つ 「裕と出逢えて…一緒に過ごせたこの5年間は幸せだった」 彼女の温かい頬が背中にふれる 「裕の…照れるとこヤキモチ妬きなとこ優しいとこ心配性なとこ…大好きだよ……あたしを愛してくれたこと…全部全部…宝物だから」 #君じゃなきゃ

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25 「それだけあれば…十分、私…裕の事本当に大好きだったよ、今でも誰より一番幸せになってほしいって思ってる」 背中に触れた頬が心なしか冷たくなっていく （泣いてるんやろうか…） 「幸せになってね…裕、でも…本当は誰のものにもなってほしくない…っ、」 #君じゃなきゃ