イノベーションは雇用を増やすのか?

新産業を生んで雇用を増やせばよい、という。果たしてそんなに単純な話だろうか?
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shinshinohara @ShinShinohara

ロボットや人工知能に課税する必要がありそう。100人分の生産性を上げ、その分雇用を奪うようなら、90人分の課税をすることで生産性向上のメリットを残しつつ、資源配分のための原資も確保する。

2016-05-21 09:51:39
shinshinohara @ShinShinohara

問題は資源の再分配をどうするか。これまでは「労働の対価」として賃金を分配。働けばお金がもらえるのは一番納得感がある。しかしロボットや人工知能が労働を奪うと労働を「分配の手段」とするのが難しい。しかし何もしないで分配は納得感が得られにくい。新たに納得感ある分配方法を模索する必要。

2016-05-21 09:54:02
shinshinohara @ShinShinohara

「産業革命の時も仕事が奪われるといって工場打ち壊しが起きたりした。しかし雇用は守られてきたじゃないか」という論者がいる。残念ながら大事な視点が欠落している。「共産主義への恐怖」。産業革命時、労働環境は劣悪そのもの。第二次大戦までは労働者は買い叩かれる一方の立場だった。

2016-05-21 10:03:56
shinshinohara @ShinShinohara

第二次大戦は、共産主義と全体主義が台頭したことに恐怖した資本主義社会の必死の戦いだったと言える。全体主義は滅ぼせたが共産主義は大戦後も健在。放置すればドミノのように共産化する、そう恐怖した資本主義国は、格差是正を真剣に始めた。共産主義がなければ、本当に貧困を解消したか疑わしい。

2016-05-21 10:07:21
shinshinohara @ShinShinohara

サッチャー・レーガノミクスは、金持ちに有利な社会への回帰を宣言した改革だった。同時期にソビエトが弱体化、そして崩壊。共産主義への恐怖が一気に薄らいだ。すると金持ちたちは、遠慮がなくなり始めた。強いものが弱いものを食って何が悪い、この世は弱肉強食なのだ、と。

2016-05-21 10:10:10
shinshinohara @ShinShinohara

ピケティやサンダース候補の登場は、金持ち優先の社会への異議申し立て。かつての共産主義はマルクス主義を下敷きにしており、人間理解の浅さがシステム機能不全の原因となった。ピケティ氏はイデオロギーではなく現実路線を模索。より賢明な形で納得感のある社会を目指そうとしている。

2016-05-21 10:13:29
shinshinohara @ShinShinohara

金持ちたちは「俺たちが実力で稼いだ金を、どうして税金でとられて再分配しなければならないのか」とご不満。しかし金持ちの多くは、金で金を買う「かすめ取り」をしているだけで、労働をしているわけではない。自分を有能と勘違いしているが、詐欺師が技能自慢しているのと大差ない。

2016-05-21 10:15:57
shinshinohara @ShinShinohara

きちんと労働をして、社会によりよい何かを還元した結果、裕福になることはぜひ推奨したい。ピケティ氏も全面的にそれは肯定している。しかし労働をせず、資産の転売で儲けるのは投機であって投資ではない。金で金を買う「かすめ取り」行為だ。自慢することではない。

2016-05-21 10:18:10
shinshinohara @ShinShinohara

ピケティ氏の登場で理論的基盤を得て、サンダース候補の登場で資本主義の旗手だったアメリカに変化が訪れようとしている。それでもなお金持ちが自分にだけ有利な社会(弱肉強食社会)を実現しようとすれば、穏健なピケティ氏的理論ではなく、恐るべきイデオロギーを別に生むことだろう。

2016-05-21 10:20:23
shinshinohara @ShinShinohara

金持ちは機を見るのに敏。明らかに風向きが変わってきたことを肌で感じているだろう。そろそろ、自分にだけ有利な社会を作ろうという無謀は、お止めになった方がよいのではなかろうか。

2016-05-21 10:21:33