#軍と性暴力 2013年「米軍で常態化する性犯罪告発への報復」に関するAP記事+2015年米軍司法改革の動き+米国防省「軍における性暴力に関する年次報告」の評価〔総合まとめ〕
- tkatsumi06j
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(参考:米軍の性犯罪について2013年に作成したまとめ)【コラム】橋下市長の対在沖米軍発言の功罪~元海兵隊員女性が14年後に暴露した米軍内の性犯罪と犯罪隠しの傾向が指し示すこと~ - Togetterまとめ togetter.com/li/511454 @togetter_jp
2016-05-22 10:54:48Ⅰ. 2013年のAP通信記事の和訳
「米軍で常態化する性犯罪告発への報復」
よし、これ全訳しよう。 これが米軍の性犯罪文化です。 Rape victim: Retaliation prevalent in military By JULIE WATSON May. 31, 2013 8:00 AM EDT bigstory.ap.org/article/rape-v…
2016-05-22 11:30:512013年5月に書かれ、同年に作成したまとめの元となったこの記事。当時は翻訳を行っている時間がなくほんのさわりしか触れませんでしたが、私自身はこの記事に米軍の性犯罪に対する危険な傾向(隠蔽・報復体質)に危機感を覚えていました。その危機感を共有するため、全訳します。
2016-05-22 11:43:18尚、翻訳はほぼリアルタイムで行いますが、最終的にはTumblrに日英併記でまとめますので、あくまでそちらが最終版となり、ツイート版はドラフトであることを予めご了承下さい。時機的にリアルタイム共有が必要と思い、本件については五月雨で連投して参ります。
2016-05-22 11:46:130. 「米軍内では性犯罪告発への報復が常態化」レイプ犯罪の被害者 2013年5月31日 AP通信 Julie Watson記者 bigstory.ap.org/article/rape-v…
2016-05-22 11:49:571. ステイシー・トンプソン兵長(当時19歳)が、上司の軍曹に薬物入りの飲み物を飲まされ、軍曹の部屋でレイプされ、ナイトクラブの外の路上に放り出されたのは、日本の米海兵隊基地〔※訳注:どの基地かの明記はなし〕に配属された直後のことだった。若き兵長は被害を訴えるのを躊躇しなかった。
2016-05-22 12:00:072. トンプソン兵長は上司に報告したが、ほとんど何も起こらず、加害者が海兵隊を除隊することを許される一方で、彼女自身は犯行の夜に使用された薬物をめぐり薬物使用に関する別件捜査の中心人物に仕立てあげられ、半年後、年金保障抜きの除隊(名誉除隊の一段階下の除隊)を命じられた。
2016-05-22 12:09:263. そして14年後のいま、広がり続ける米軍内の性犯罪という疫病("growing sexual assault epidemic")の解決を求めて高まる国防総省ペンタゴンへの圧力に後押しされ、トンプソン元兵長は再び声を上げることにした。29日、彼女はAP通信の独占取材に応じた。
2016-05-22 12:16:344. トンプソン元兵長は、何十年ものあいだ沈黙を守り続けてきたが、軍の司法制度の抜本的改革を求めて、それぞれの裁判の再審を求めて一歩足を踏み出した大勢の女性兵士たちの一人でしかない。
2016-05-22 12:25:075. 「私の身に14年前に起きたことが、いまもなお続いていることを知ってもらいたかった。私にとっては、それが私が一歩前に踏み出した大きな理由です。私にはその力があると、やっと思えるようになったのです」トンプソン元兵長はこう語る。
2016-05-22 12:29:526. 海兵隊や海軍の関係者は、個別具体的な事案に関しては話せないと、コメントを控えた。海兵隊の関係者は、性犯罪の疑惑は深刻に受け止めており、隊内でのレイプ事案に対する対応や予防の改善に力を入れ続けていると説明した。米軍では昨年から全軍で性犯罪予防対策が実施されているという。
2016-05-22 12:39:407. 米軍内の性暴力被害者を支援する団体によれば、報復は軍全体に見られる傾向で、多くの性暴力事案の報告や捜査がこれにより阻害され、「疫病」の悪化を助長してきたという。国防総省が今月まとめた報告では、米軍内で性的暴行の被害に遭った被害者の62%が何らかの報復に遭っているとした。
2016-05-22 12:47:568. 「これは現在進行中の問題であり、ペンタゴンの最新の統計が示すように、事態はいっこうに改善されていません。」と語るのは、トンプソン元兵長を支援してきた支援団体『Protect Our Defenders(私たちの守護者を守れ)』のスポークスマンであるブライアン・プルキア氏。
2016-05-22 12:52:439. 「被害者の上官は選択を迫られます。性暴力が自分の管轄で行われたものであれば管理責任を問われる。ならば隠蔽するしかない。また加害者は多くの場合、被害者より上位の階級であるため、このバイアスがさらに助長されます。18,9の新任の兵士よりも、長年知己を得た部下を信頼するからです」
2016-05-22 13:04:0410. トンプソン元兵長は、〔司法〕制度が変わらないかぎり軍の文化は変わらないと言う。トンプソン氏は30日、性暴力事案を軍で研修を受けた民間の検察官が取り扱うようにする超党派の法案に対する支持を表明するため、民主党のバーバラ・ボクサー上院議員とともにロスで記者会見を行う予定。
2016-05-22 13:11:3611. 〔2013年〕現在の軍法体系では、米軍の関係者はあらゆる犯罪についてその指揮系統に従い、直属の上司が関与している事案であっても上官に報告する責任がある。 「あまりにも多くの性暴力被害者が報復を恐れ、裁判に訴えるということししてきませんでした」ボクサー議員はこう語る。
2016-05-22 13:18:1612. 「加害者が正義の審判を受けるという確信のもと、被害者が積極的に名乗りでることのできる制度保障を彼らに認めるべきです。」 〔ボクサー上院議員(民主)〕
2016-05-22 13:21:4713. トンプソン氏は、犯罪を訴えることは恐れなかったが、訴えたことで大きな代償を払ったと語った。 〔14年前当時〕捜査関係者は彼女を嘘吐きと罵り、軍当局関係者は麻薬常用者ではないかと疑い彼女の手を調べたという。彼女は麻薬に手を染めたことはなかったのに。
2016-05-22 13:27:4614. トンプソン氏は別部隊への配属を命じられ、当初の任務を剥奪されて、数か月に及んで何も仕事を与えられないまま事務所に出勤することを求められ、その後、除隊させられた。
2016-05-22 13:31:1015. 「名誉除隊でない除隊」(other-than-honorable discharge)のため、トンプソン氏は年金の保障を得られず、また彼女によると、そのため国防省で働く機会も失われた。
2016-05-22 13:34:4916. 「海兵隊によるレイプという被害にあった後で、また海兵隊により被害者にされた、という風に私は感じました」 三児の母となった32歳のトンプソン氏はこう語った。
2016-05-22 13:39:3217. トンプソン氏は除隊後、引きこもるようになり、レイプのことを話すことを頑なに嫌がり、男性、とくに海兵隊員を恐れたという。いま現在に至っても、彼女はシャワーを浴びる時や寝ている時に、海兵隊員(戦闘兵)の夫が不在でなくても常に番犬を傍においているという。
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