ネ申・伊勢崎賢治 @isezakikenji 教授の「地位協定」 #地位協定 #日米地位協定 #沖縄 #国際政治

伊勢崎賢治 @isezakikenji

地位協定１：今回の沖縄の遺体遺棄事件は「公務外」で、米軍より先に県警が身柄を確保したから、日米地位協定の第一次裁判権が壁にならなかったが、被疑者はいわゆる軍属。米軍法UCMJでなはく軍事域外管轄権法MEJAの統制下。軍人じゃなくても外交ステータスは「SOFA（地位協定）」。

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地位協定２：ただ米は、政府として契約するいわゆる民間軍事会社にもSOFAステータスを与える。２０１４年締結のアフガンNATO（米含む）地位協定では、民間軍事会社に地位協定でなく、アフガン国内法制下に置くと明記しているので、裁判権における日本の地位はアフガニスタンより低いと言える。

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地位協定３：米が持つ地位協定の外交的比重はNATO地位協定にある。ただ、NATO地位協定はreciprocal互恵的。主語は米でなく「派遣国」。軍事同盟だから全てが対等に同じ地位協定特権を有する。敗戦国の独と伊は、特に冷戦後に付加協定として、連合軍基地の管理権と制空権を全面回復。

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地位協定４：独と伊が回復した管理権と制空権では、米軍の訓練を含む全ての行動は、独と伊政府の主権下に統制される許可制。プラス、基地を抱える個々の地方政府と米軍との公的なコンタクトチャネル構築を補足協定で義務付ける。

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地位協定５：NATO地位協定にある互恵性と対等性は、日米間で語られる片務性、双務性の議論を無力化する。当たり前だが、日米は、軍事同盟ではない。

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地位協定６：非互恵性の地位協定でも、米は、裁判権において互恵性を授与することがある。対フィリッピンである。フィリッピンは、協定の再交渉において、全ての米軍基地の管理権を、フィリッピンの主権の下、回復している。

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地位協定７：第二次大戦敗戦国において、在留米軍基地の管理権を回復していないのは日本だけ。独と伊は、NATOという軍事同盟の互恵地位協定下にあるから、日本と違うと言えるが、互恵的でなくても、イラク（交渉決裂、米撤退）とアフガンでは、米NATOの占領統治後、主権の下に管理権を回復。

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地位協定８：韓米地位協定は、裁判権において、日米より韓国に不利だったが、地位協定改定を達成。米の譲歩の理由は「日本並みに」という激しい国民運動の隆盛。日本で国民運動にならないのは、ひとえに「沖縄の問題」になっているから。発行以来一字一句変わらないのは、世界でも日米地位協定だけ。