中央銀行、ベースマネー、信用貨幣

3
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

そして、中央銀行的セクターを政府と定義しないなら、「何が国定通貨の流通を保証するか」の考察を欠くと思う。 金本位制という『奇妙』な形態を挟んだため混乱をきたしやすいが、ごく一般的な国定通貨において、その流通価値は納税機能に基礎づけられている。 @pannacottaso_v2

2016-05-28 12:43:43
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

もっとも、金にしてもその価値は文脈的なもので、金の価値を保証していたのは、当時の先進国が金の国際決済価値を便宜的に認めていた事実のみである。 また、金本位の弊害は、通貨を納税能以外に紐付けすることに端を発するのであって、例えばNPG条件などに紐付けても同じ弊害をきたすだろう。

2016-05-21 09:03:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

中央銀行は、政府負債の不胎化、非不胎化を担っているにすぎない。通貨供給の根源は政府負債の発行者である財務省、厳密には統合政府全体である。 上記理解から、なぜ通貨発行益は財務省に行くのか、なぜ通貨は流通貯蓄価値を持つのか、なぜバーナンキFedはリーマンを救えなかったかが分かる。

2016-05-21 08:43:51
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

信用創造は、本質的には政府負債である通貨マネーサプライの供給を、民間の借入が担うという代物である。もちろん、政府の借入支出(これは不胎化されても関係ない)においても可能ではある。 いずれの場合においても、中央銀行は信用創造を間接的に支えることしか出来ない。

2016-05-21 09:30:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ただ、この貨幣制度構造は、「一般に保証された債券」があれば模倣できるのであり、それが政府という形態を明示的には取らない可能性はある。例えば、国際決済についてドル流通を保証しているのは、アメリカの統治力というよりアメリカの輸出力かもしれない。 @pannacottaso_v2

2016-05-28 12:35:33
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

銀行間および銀行-政府間決済通貨であるベースマネーと、その下位(という言い方が正しいかはわからないが)の決済で用いられるマネーサプライ……というまあまあ単純な構図をなぜ島本さんが「いまいちよくわかっていない」と述べてしまうのかが不思議。 @pannacottaso_v2

2016-05-28 12:30:25
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ベースマネーは100%政府が用意するものだし、一般的な貨幣供給としての信用創造も、常にベースマネーに基礎づけられていると考えると、「全ての貨幣を創造している」というのは欺瞞的にしても、「すべての貨幣創造を基礎づけている」とは言えるのでは。 @pannacottaso_v2

2016-05-28 12:33:28
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

言いたいことはわからないでもないけど、とはいえ現実の通貨制度では、信用貨幣拡大に整合的なベースマネーの供給が求められる。 金本位制においてベースマネー供給が制約されていた結果、信用創造阻害によって経済が制約されていたという歴史的事実もある。 @pannacottaso_v2

2016-05-28 12:41:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

したがって、資金流通不足が問題であるという見解は正しくても、その問題を中央銀行が解決できるとは限らない。というのは、資金供給の本体は実のところ中央銀行ではなく、統合政府だからだ。政府負債を純粋に供給できるのは、財務省に他ならない。中央銀行はその一部を不胎化する任を持つのみである。

2016-05-21 09:20:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

最近の日銀に批判を浴びせている人々、安達やその他主にリフレ派が分かっていないのは、国債以外の資産を流動性に変換するような政策を有意な規模で行えるのは、政府負債の内訳を変更する部署ではなく、流動性としての政府負債を供給する機関だという事実だ。前者は日銀で、後者は財務省である。

2016-05-21 09:36:44
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

したがって、Fedはリーマンを見殺しにするしかなかったし、AIGを最終的に救済できたのは米財務省だった。民間の資金流通を増やすとしても、政府負債の通貨比率を増やし、通貨融通コスト(金利)を引き下げて民間借入を促す限りにおいてのみだ。資金供給を本当に実践しているのは信用創造なのだ。

2016-05-21 09:11:09
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

そもそも、通貨は本質的に政府負債である、という基礎理解が不可欠。なぜなら、通貨の流通価値を根元的に支えているのは、政府に対する納税能だからだ。 ただ、金本位制という、納税能ではなく金に紐付けされた特殊な通貨制度が一時期支配的になったこともあり、通貨価値理解に混乱をきたしている。

2016-05-21 08:58:44
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

中央銀行は民間の所有する政府負債の「通貨-国債」構成を調節する機関であるという理解があると、民間に何らかの金融資産を与えることで問題解決を図る場合、中央銀行がその役目を負えないことが明らかだろう。中央銀行は民間に資産を与えることができない、できるのは資産の交換だけだからだ。

2016-05-21 09:07:51