放浪王子の竜退治#2 巨獣との死闘◆2(終)

小国の国王が革命で処刑された。父王が最後に言った「我が人生に悔いなどない!」その言葉がいつまでも心に引っかかっていた王子。 国を追放された彼は悔いなき人生のために、竜を倒すことを決意していた。 全50ツイート予定  最初↓ #1 ◆1 http://togetter.com/li/979387 前↓ #2 ◆1 http://togetter.com/li/980495 次↓ この話はこれで終わりです 実況・感想タグは #減衰世界 です
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  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 17:10:18
    _放浪王子の竜退治#2 巨獣との死闘
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 17:23:50
    _王子は死体を調べる。白い砂地を赤く染めた死体は、大型の獣であり、王子の知識に無いものだった。白い毛皮、平たい顔、長い四肢、鋭い爪、体重は重い。 「王子様これは雪熊です。鍛えるだけではなく野生動物のことも勉強すべきでしたね」 「そんな……」  霧が次第に晴れてくる。 41
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 17:30:24
    _竜でないのならば、王権を証明することはできない。 「ただの田舎の腕自慢だ、これでは……はは」  力なく笑い、谷を横切る川へとふらふら歩いていく。川の水で顔を洗った。水は冷たく、身を切るようだ。両手を川底について、深くうなだれる。 42
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 17:36:44
    「世界は変わってなんかいなかった。僕は変われなかったよ……」  風がそよぎ霧を吹き飛ばしていく。山の天気は変わりやすい。いっそのこと雨にでもなってくれれば悲劇に浸れると王子は思ったが、逆に日差しが強くなっていく。  振り返るとリミアイが後ろに立っていた。にこりと笑いかける。 43
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 17:42:53
    「悔いはありましたか?」  リミアイはただ佇むだけだ。太陽を背にして、影が濃く彼女の表情を塗りつぶしていく。けれども微笑んでいることは、声の調子から分かった。 「悔い……悔いってなんだろう」  ふと王子は考える。成果は生きて帰っただけ。何も失わず、何も得ていない。 44
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 17:47:36
    「僕は雪熊を倒した。そこに悔いはない。上出来だ。上出来すぎる結果だ。けれども、竜じゃないんだ。僕は証明したかったのに。最悪の結末は避けたのに、一歩も進んでいない……どうして竜じゃなかったんだ」 「悔いはないんですよね。それでいいじゃないですか」 45
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 17:55:19
    ナイフを抜いたリミアイは、雪熊の毛皮を綺麗に剥いでいく。手際の良さは目を見張るものがあった。 「信頼を手に入れるにはお金か時間が必要……もしかしたら、世界を変えるのにもお金と時間が必要なんじゃないですか? 丁度いいところに、こんなお金が落ちていますよ」 46
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 18:00:31
    _確かに綺麗な白い毛皮は高く売れた。二人は村で雪熊の肉と毛皮を売り、当分の旅支度ともうすこしまともな装備を手に入れることができた。いま、二人はさらに異郷の地を目指し北壁山脈を行く。  コバルトブルーの山並みをまばゆい太陽が照らしていた。 47
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 18:08:12
    _二人は馬に揺られながら並んで旅を続けている。王子はリミアイに尋ねた。 「竜を倒さないことには、僕は国には帰れない。長い旅になると思う。それこそ、お金と時間がたくさん必要だ……君はどこに行くんだい?」 「わたくしの旅は行く当てのない旅ですゆえ」 48
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 18:13:51
    「僕も似たようなものだね」  竜にももちろん人権があり、街で平和に暮らしている竜を殺すことはできない。何らかの罪で権利を奪われ、隠れ住んでいる孤独な竜を探さなくてはならないのだ。その竜の目を見たとき殺せるかはまだ分からない。 「わたくしと旅をしましょうよ、二人で気ままにね」 49
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 18:18:35
    「いいのかい、僕は猛獣かもしれないよ」 「雪熊を倒した猛獣ですもんね。食べられちゃうかもしれませんね」  王子は変わった娘だと思った。不意に覗いた剣の柄の印章が、古い記憶と突然繋がる。それは王城の暖炉の影に彫られた謎の印章と、なぜか瓜二つだったのだ。 50
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 18:23:33
    【用語解説】 【竜退治】 竜と他の人間との確執は根深く、それは竜の身体が様々な魔法素材の材料として優秀だったせいであった。竜はかつて各地で乱獲されたが、竜は団結し竜の国を作り、他の人間との間に協定を結んだ。それは、裁きを受け放逐された竜だけを狩猟の対象として認めるという物であった
  • 減衰世界 @decay_world 2016-05-29 18:30:59
    【次回予告】 どこの古城にも桜が咲く。それを聞きつけてやってきた観光客の二人。花見を楽しんでいたところ、死霊の女の子が現れ手伝えと言う。どうやら古城の桜には訳があるようで……。 次回「満開の桜に包まれて安らげ!」 全50ツイート予定 実況・感想タグは #減衰世界 です

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