高島弁護士へ

現時点での私の考えている内容などを書いたので、まとめておきますね。
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

【高島弁護士へ】  HS規制法に関して、私の自説をちょっと書いて行きたいと思います。正直、どこから話していけばいいのか、結構悩むのですが、とりあえず、思いつくままに書いて行こうと思います。

2016-05-29 16:45:51
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

まず、HS規制というのも、私は基本的に「差別を無くす為の一つの手段」と捉えています。差別を無くす為の方法は実に様々なものがあります。教育や啓発というのも長期的に見れば《本筋》で、「法律」という権力的な形式を用いること自体が既に「緊急事態」だろうとも思います。

2016-05-29 16:47:56
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

「既に緊急事態だ」という点につきましては、頻発したヘイトデモがそれを示している、という認識です。京都朝鮮学校事件のみならず、ヘイトクライムも既に沢山起きています。神戸の朝鮮学校も2014年に襲われてます。中国人学校への放火というのもありました。

2016-05-29 16:50:50
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

日本は国連人権規約や人種差別撤廃条約に加入してはいますが、戦後70年を経て、これまでなに一つ、こうした法的な手当ては実施してこなかったと言えます。頻発しているヘイトデモも、2012~2013年は本当に酷いものでした。「お散歩」と呼ばれる、デモ後の「練り歩き行為」は特に陰惨でした。

2016-05-29 16:54:05
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

例えば、新大久保地域では、2012~2013年当時には、こうした行為も現実に行われていました。蹴っ飛ばされた化粧品店の女性店員さんもいました。店先にいた老犬(飼い犬)を蹴っ飛ばされた、というお店も実際にありました。 pic.twitter.com/I95NGoH0jY

2016-05-29 16:56:06
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

「蹴っ飛ばされた」等の具体的な暴行については「それは警察に被害届を出して処理すべき」と言われるかもしれません。普通に考えればそうです。しかし、私自身、この地域を2013年当時にヒアリングして回りましたが、決まってかえってくる答えは「お礼参りがこわいので、いいよ」というものでした。

2016-05-29 16:57:54
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

ここには法制度を考える上での難しさも示唆されていると思います。こうした「外国人であるが故に普通に用意された法的救済の手段をうまく使えない」という「特性」をどう考えるか。報復犯罪の防止/重罰化という方法もあるかもしれません。日本には現状、累犯加重という仕組みだけかと思います。

2016-05-29 17:01:08
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

こうした「お散歩」では、多くの場合、両側には警察が付き添っていました。これは「やり過ぎ防止」という事だとは思うのですが、それでもなを、店先の看板を蹴っ飛ばす、といった暴行は行われていました。運用の問題だという事でもありましょうが、やはり現行制度下の限界を感じさせるものでした。

2016-05-29 17:02:44
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

他方で、諸外国が「差別を無くす為にどうしてるか」を見まわしてみますと、いろんな「法制度」がある事に気が付きます。こちらの本で私も勉強したのですが、別段、HS規制法だけが唯一無二の法制度という訳でもありません。《参考図書》⇒  amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E3%…

2016-05-29 17:05:25
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

大きく分けますと、4つのタイプがあります。  1)差別禁止法  2)結社の自由規制  3)ヘイトクライム法  4)ヘイトスピーチ規制法 の4つになります。

2016-05-29 17:06:36
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

大まかな内容はこちらのまとめ⇒ togetter.com/li/939170 で以前かいたのですが、改めて説明してみたいと思います。

2016-05-29 17:07:45
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

まず、「差別禁止法」ですが、基本的には入居差別や就職差別などの「差別行為」を禁止するための法律で、基本的に表現規制の問題とはあまり絡みません。アメリカの「公民権法」なども基本的にこのタイプです。

2016-05-29 17:09:39
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

イメージを掴んで頂くための参考論文として、こちらを掲げます google.com/url?q=http://w… これは、フランスの反差別法制に関する論文で、11頁目の表がすごくイメージを掴みやすいです。

2016-05-29 17:13:26
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

この表なんですが、横軸は「人種、民族的出自、性、宗教、信条、障害、年齢、性的志向」の8つのカテゴリが並んでいます。縦軸は「採用・雇用」、「労働条件・昇進」などの「差別の態様」が並んでいます。 pic.twitter.com/hMT390YyF5

2016-05-29 17:16:09
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

まぁ、相当バカでっかいフィールドのマトリクス表なんですが、よく「包括的反差別法」というもののイメージとしては、こういうものを考えればよいのだろうと思います。こういう「法制度」も一つの方法なんだろうと思います。

2016-05-29 17:17:45
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

次に、「結社の自由規制」ですが、これは、例えば、アル・カイダのようなテロリスト団体を指定して、その支援者を取り締まったり、或いは、ネオナチ団体を指定して取り締まったり、という法制度のスタイルです。日本で言えば、(内容の是非はともかく)暴対法などになるんだろうと思います。

2016-05-29 17:20:38
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

次に、ヘイトクライム法ですが、これは米国がよく代表として例示されるのですが、要するに「人種・民族等への憎悪を動機に含む場合に量刑を重課する」という方法で差別を抑制しようという法制度のスタイルです。本来的にはLGBTへの差別を中心にはじまったものだそうです。

2016-05-29 17:22:54
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

《普通だったら禁固2年程度の傷害事件だけど動機に民族的憎悪感情が含まれていたので2年を重課して禁固4年にした》なんてカンジで適用されるようです。日本でこういうスタイルが可能なのかは解りませんが、以前、モトケンさんに聞いてみたら「目的犯というのもあるのでやれるかも」とのことでした。

2016-05-29 17:25:37
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

そして、最後にヘイトスピーチ規制法というスタイルがあります。細かい内容については、後にします。 とりあえず、ここまでのところでは、「人種差別問題を解決していくための法制度のスタイルは4つくらいある」ということをご理解頂けたらと思います。

2016-05-29 17:26:39
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

そして、総論的なところでのまとめなんですが、私としては、結果的に人種差別問題をうまく抑制できればそれでいいと思っていますので、この4つのどれであっても別にいい、と思っています。米国のように差別禁止法とヘイトクライム法だけを導入してみて、それで上手くいくならそれでいいのです。

2016-05-29 17:28:14
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

もっとハッキリ言ってしまうと、ヘイトスピーチ規制法ってのは、表現の自由との緊張関係に立つものではあるので、そういう危なっかしい所を通ることなく、適切に「人種差別問題」を解決できるのなら、それに越したことはない、とも思ってもいます。

2016-05-29 17:29:54
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

しかし残念ながら、日本には今挙げた4つのスタイルの法制度は、どれ一つとしてありません。ないものはょうがない、というのがスタート地点になります。そして、近年、社会問題として注目を集めたのが「ヘイトスピーチ問題」であり、それが故にいまHS規制法が求められている、というのが実態です。

2016-05-29 17:32:44
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

この分野を研究されている某刑法学者の先生が、2013年初夏に「最近急に《ヘイトスピーチ》って言葉だけが突っ走ってるカンジになってて、マズイなーと思ってるんだ。ヘイトスピーチ法は最後の最後だと思っていたから。」というような事を言われてるのを耳にした事もあります。

2016-05-29 17:35:16
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

勿論これは、「表現の自由との調整なんて難問をクリアしなきゃならないHS規制法ってのは、本来の手順で考えれば、他のスタイルの法制度を全部やって、それでも上手くいかない時の最後の手段だ」という認識に基づくのだろうとは思いますし、これには私も実は同感です。

2016-05-29 17:36:41
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

諸外国の立法経緯でも、基本的には「差別禁止法が先にできて、HS規制法はその後でできる」という流れが一般的だそうです。ドイツでは逆で、HS規制法が戦後真っ先に出来て、差別禁止法は2000年代に入ってからできたそうですが、こういうのは稀なんだそうです。

2016-05-29 17:38:17