金属色の君主/終

七廻のRPまとめ。
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アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@D_CC_gctsafter_ 名前:ストゥルム・クラーク 所属:条約 クラス:君主 タグ:#金属色の君主 #GC七廻登録 上記で参加いたします。

2016-05-30 23:45:56
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

【事前RP】#金属色の君主 沼地が広がるスナイプス領のとある場所。そこは昔、大きな罪を犯した男の治める領土であった。 しかし今は併合し、スナイプス領となっている。

2016-05-31 00:03:38
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

「また、俺のところに戻ってくるとはな…」 クラークは、複雑そうな表情で言葉を吐く。 カツカツと硬い靴底を鳴らしながら歩く先は、今は自分の主であるクラウディアの部屋だ。 白みを帯びた金色の髪をなびかせながら、ただ、ただ浮かない顔をしていた。

2016-05-31 00:08:30
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

クラウディアの領で、仕えている自分が、もともと持っていた領土を管理する。 不思議な話だ。領民はいやだろうに。 呼ばれた部屋、クラウディアの仕事部屋だ。扉の前で浅く息を吐き、表情を変える。そして、扉にノックをする。 「クラウディア様。クラーク、参上いたしました。」

2016-05-31 00:14:22
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「お、おお! もう来たのか! ちょ、ちょっと待っておれ…、もうちょっと……」 扉の向こうから届いたのは、君主であるクラウディアの声と、ガタガタという物音だった。紙の束がバサァっと散らばったような音も。 「あ、あった!! いいぞ、入るがよい!!」 →

2016-05-31 00:18:32
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo あなたが部屋に入れば、そこには、慌てて執務机に飛びつくクラウディアの姿があった。ゆったりと腰掛けているが、息が上がり、肩を上下させている。 「は、早かったのう」

2016-05-31 00:20:41
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki 「もちろんです。私自身がどういう状況下でも、あなた様を優先していますから。」 クラークは床に広がる資料やサインの必要な契約書ともどもを拾いつつ、クラウディアの前、正確には執務机を挟んで、目の前に立ち、にこりと微笑んで見せる。

2016-05-31 00:28:38
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「そうかそうか!それはよい心がけだぞ!」 満足そうにカラカラと、姫君主は一国の主とは思えない無邪気な笑い声を上げた。 「おまえの献身にはなんども助けられてきた。女子供の君主によく仕えてくれている。胸板はちょっと薄いが、頼りにしておるぞ!」

2016-05-31 00:35:15
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki うっ、と苦い顔をする。 「私に胸筋をご所望ならば一年ほどください…」 人を殴れるほどには、この細い体も筋肉がついてきたが、いまだに胸筋だけは薄い。 自分より男らしい体をしているメイジがいることが頭をチラついて、情けないというのに近い気持ちになる。

2016-05-31 00:39:50
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「うむうむ!よく励むがよいぞ!」 部下の内心を知ってか知らずか、その肩をバシバシ叩く姫君主。あなたは、その力が必要以上に強かったことに気づくかもしれない。 「これからは領主となるのじゃ!頼り甲斐のある男でなければならぬ!最優先も、余ではいかんのだぞ?」

2016-05-31 00:48:07
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki 「…クラウディア様の希望に沿うために善処いたします。」 少し痛く肩を叩かれながら、右手を心臓の位置に添えて軽く頭を下げる。 妻と子の墓の前で再び領土を持つことを望んでしまったが、許されたいと思ってしまったが、本当に… →

2016-05-31 01:01:02
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki そう思って、ドンと胸を殴る。 愛しき少女を目の前になぜ弱気になるのか。 「申し訳ありません。取り乱しました」

2016-05-31 01:04:14
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「構わぬぞ。民を持つというのは重大なことじゃ。軽い気持ちで引き受けられても困るからのう」 言いながら、机の上に一枚の紙を置く。誓約書だ。君主から、とある領地の運営を委託されることを受け入れるための。……どこかに挟まっていたのか、所々折り目がついている。→

2016-05-31 01:11:02
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「……お、折れているのは別に、どこかに突っ込んであったからではないぞ!?いつかおまえにサインさせようとずいぶん前から準備しておったから、その、け、経年劣化!経年劣化したのじゃ!いやぁ、紙というのは古くなると折り目がつくんじゃのう!!」

2016-05-31 01:12:16
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki 入室するまえの紙の崩れる音、この折り目を見て、クラウディアの言い訳は嘘だと分かるが、そこには敢えて触れない。 「私に期待しすぎですよ。無論、努力はいたしますが」 折り目を右手で伸ばしながら、左手でペンを取り、サインを入れる。 →

2016-05-31 01:16:30
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki Stulum Crakuとやや不器用に書く。 従属聖印が右手に輝いたとき、クラークは己を縛るルールを作った。 右手は使わない。 これは、また過ちを起こさないための、自分を冷静で客観的にさせるための、自分自身を縛るルールだ。 →

2016-05-31 01:23:27
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki 「これであなた様のおそばに居れなくなりますね」

2016-05-31 01:24:38
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「う、うるさい!わざわざ口にせんでもよいじゃろう!!」 バシバシと机を叩いてから、ハッとしてその手を引っ込める。 「…ふん。サインはできたな。では、これをやろう」 差し出したのは、クラディアの聖印を模してつくられたメダルだ。 領地を治める者の証である。→

2016-05-31 01:35:44
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「裏面におまえの領地の名前が彫ってある。これは、おまえがその領地を治める名代たる証じゃ。つまり、おまえが余にとって大事な臣下だという証でもある。これまでのように近くにはいられなくなるが、これまで以上に大事になるのだ、おまえは。そのこと、忘れるでないぞ!」

2016-05-31 01:38:12
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki メダルの裏面を見ると「ロウタス」と記してある。目を細めながら、名前を変えなかったのか、と思う。 そしてぐっ、とメダルを握りしめて、 「…はい。しかとこの胸に刻んでおきます」 大事になるが、遠くに行く。 まるでこの世にはいない妻と子のようだ。 →

2016-05-31 01:59:13
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki やめよう。この子は今、俺の目の前に、ここにいる。 「クラウディア様、このクラークめをお許しください。」 そう言って、小さい体を抱きしめる。震える自分の体を押し付けるように、もういない妻と子、亡くなった領民の顔を小さな少女に重ねてしまう。 →

2016-05-31 02:04:44
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki これを誤魔化す相手が自分のそばからいなくなってしまうのが怖い。そう思ってしまった自分を殺したい。 そっと離れると、クラウディアの反応なんてろくに見ず、 「私にチャンスを与えてくださり、ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、精進いたします」 →

2016-05-31 02:09:10
アリス@中影SGO【HP39】 @BB_GCsenyo

@orikadoyuki そう言って、そそくさと部屋を出てしまう。 その口には、謝罪の言葉を並べながら。

2016-05-31 02:10:23
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 「……むう、よけいなことを」 クラウディアはしばらくクラークの出ていった扉を見つめていたが、やがて、椅子にどさりと腰を落とした。 「ひとに抱き締められるなど、何年ぶりだろうな…」 →

2016-05-31 08:11:18
シキ @orikadoyuki

@BB_GCsenyo 何年も側にいてくれた男を、どれだけ暖かに感じていたのか。それを、このタイミングで思い知らされるとは。 「主を寂しくさせるなんて。悪い臣下じゃのう」 ちらりと浮かべた寂しげな表情を、しかしすぐに、姫君主は笑顔で追い出した。 「がんばるんじゃぞ、クラーク!」

2016-05-31 08:14:23
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